SUZUKI RACING REPORT
スズキレーシングレポート
MotoGP レースレポート
2022年10月23日
MotoGP 第19戦 マレーシアGP 決勝
マレーシア セパンインターナショナルサーキット
マレーシアGP決勝はリンスが粘りの走りで5位を獲得、ミルは腕上がりにより苦戦。
セパンインターナショナルサーキットで行われるマレーシアGPは、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響により2年間開催が中止となっていたため、今年は2019年以来3年ぶりの開催となった。マレーシアは熱帯気候のため天候が変わりやすく天気予報には雨マークがありながらも、MotoGP決勝はドライコンディションでスタート。8万人以上の熱狂的なファン達が20周のレースを見守った。

2列目5番手グリッドからスタートしたアレックス・リンスは、スタート後の集団に紛れる形となって9番手までポジションを落とすが、チームメイトのジョアン・ミルは4列目11番手グリッドから好スタートを決めて一気に7番手に浮上。その後、リンスが前をオーバーテイクしてミルのすぐ後ろにつけ、スズキペアが揃って走行しながら数人のライダーと5番手争いを繰り広げる。7周目、ミルがさらにひとつポジションを上げて4番手に。さらにその数周後、今度はリンスがペースを上げて前のグループに迫り再び5番手争いに加わる。

リンスはそのままペースを維持し追い上げを続けるも、序盤に開いたギャップを埋めることができずそのまま5位でフィニッシュ。路面のグリップに苦しみ、苦戦のレースでありながらもチャンピオンシップに貴重なポイントを加算した。一方、序盤激しい争いを見せたミルだが、レース中盤から腕上がりに苦しみ、うまくマシンをコントロールできずオーバーランを喫して終盤に大きくポジションダウン、19位でレースを完走した。

次戦11月6日に開催される最終戦バレンシアGPは、チームスズキエクスターにとって集大成となる最後のレースとなり、チームはさらなる気合を入れて臨む。

リビオ・スッポ チームマネージャー
「この数戦、アレックスが良いレースをしてもジョアンは苦戦する場面が続き、なかなかふたり揃って良い結果を残すことができずに苦しい思いをしています。我々のレースも残すところあと1戦となってしまったので、バレンシアではふたりのライダーが良い結果で締め括ってくれることを心から願っています。今日は路面のグリップが悪い中で、アレックスは非常に粘って良い結果を残してくれました。しかしジョアンは序盤良いパフォーマンスを見せながら、途中から想像もしなかった腕上がりに苦しみ、再びツキに見放される結果となってしまいました。腕上がりは治療法もなかなかないので、すぐに対処するのは難しいですが、セパンと比較するとバレンシアのサーキットの方が肉体的要求が多少低いので、影響が少しでも少ないことを願うと共に、チームとしてもできる限りの対策をして臨む予定です。」

河内 健 テクニカルマネージャー
「できることは100%全て出し切りましたが、残念ながら今日は表彰台争いに絡むことはできませんでした。アレックスのペースは我々が期待していたものより少し遅く、非常に残念ではありますが、これが我々の現在のパフォーマンスであると言うべきでしょう。ベストを尽くしてくれたライダーおよびチーム皆の努力を讃えたいと思います。一方のジョアンですが、中盤まではアレックスと同じような位置を走っていたのですが、腕上がりにより中盤以降ポジションを落とさざるを得ませんでした。この結果は我々の望むものではありませんが、仕方ありません。残すところいよいよあと1戦となってしまいましたが、最終戦では最大限の努力をして最高の結果を残すつもりでいます。最後まで応援よろしくお願いします。」

アレックス・リンス
「レースはまずまずの内容だったと思うけど、正直かなり苦戦もした。スタートでクラッチをリリースした瞬間、ちょっとマシンの姿勢が下がった感じになってしまってタイムをロスしてしまい、今日はスタートもあまりうまく行かなかったしね。決勝では路面のグリップが昨日までと比較してかなり低かったせいでコーナーの侵入で攻めることができなかったし、そのせいでフリー走行や予選の時よりペースが遅くなってしまった。さらに前に他のライダーがいるとグリップがさらに低くなり、コーナー立ち上がりのトラクションにも苦戦したよ。決して楽なレースではなかったけど、それでも5位で終えることができたことには満足しているし、チャンピオンシップにとってはこのポイントは重要だと思っている。」

ジョアン・ミル
「決勝は腕上がりが原因でとても残念な結果となってしまい、ベストを尽くしてくれたチームに本当に申し訳なく思っている。レース前半は順調で良い走りができていたんだけど、途中で腕上がりの症状が起きはじめ、本当に今まで経験したことのないような激しい痛みで、レバーをまともに握ることすら困難になってしまったんだ。このサーキットで過去に軽い腕上がりを経験したことはあるけど、今日のような酷い痛みは初めてでどうすることもできなかった。この週末、チームも自分自身も全力で頑張ってきて、レース序盤にはトップ5はいけると確信していただけに本当に悔やまれるよ。シーズンオフに手術をするべきかどうか専門医に相談しなくてはね。」

MotoGP 第19戦 マレーシアGP 決勝結果
順位No.ライダーチーム名メーカータイム/トップ差
163F・バニャイアDucati Lenovo TeamDUCATI40'14.332
223E・バスティアニーニGresini Racing MotoGPDUCATI+0.270
320F・クアルタラロMonster Energy Yamaha MotoGPYAMAHA+2.773
472M・ベツェッキMooney VR46 Racing TeamDUCATI+5.446
542アレックス・リンスTeam SUZUKI ECSTARSUZUKI+11.923
643J・ミラーDucati Lenovo TeamDUCATI+13.472
793M・マルケスRepsol Honda TeamHONDA+14.304
833B・ビンダーRed Bull KTM Factory RacingKTM+16.805
95J・ザルコPrima Pramac RacingDUCATI+18.358
1041A・エスパルガロAprilia RacingAPRILIA+21.591
1121F・モルビデリMonster Energy Yamaha MotoGPYAMAHA+23.235
1235C・クラッチローWithU Yamaha RNF MotoGP TeamYAMAHA+24.641
1388M・オリベイラRed Bull KTM Factory RacingKTM+24.918
1444P・エスパルガロRepsol Honda TeamHONDA+25.586
1525R・フェルナンデェスTech 3 KTM Factory RacingKTM+27.039
1612M・ビニャーレスAprilia RacingAPRILIA+30.427
1773A・マルケスLCR Honda CASTROLHONDA+33.322
1887R・ガードナーTech 3 KTM Factory RacingKTM+33.691
1936ジョアン・ミルTeam SUZUKI ECSTARSUZUKI+41.838
DNF40D・ビンダーWithU Yamaha RNF MotoGP TeamYAMAHA10 laps
DNF49F・ディ・ジャンアントニオGresini Racing MotoGPDUCATI10 laps
DNF89J・マルティンPrima Pramac RacingDUCATI14 laps
DNF45長島 哲太LCR Honda IDEMITSUHONDA16 laps
DNF10L・マリーニMooney VR46 Racing TeamDUCATI19 laps
MotoGP ライダーチャンピオンシップランキング(第19戦 マレーシアGP 終了時)
順位ゼッケンライダーマシンポイント
163F・バニャイアDUCATI258
220F・クアルタラロYAMAHA235
341A・エスパルガロAPRILIA212
423E・バスティアニーニDUCATI211
543J・ミラーDUCATI189
633B・ビンダーKTM168
75J・ザルコDUCATI166
842アレックス・リンスSUZUKI148
988M・オリベイラKTM138
1035J・マルティンDUCATI136
1112M・ビニャーレスAPRILIA122
1293M・マルケスHONDA113
1310L・マリーニDUCATI111
1472M・ベツェッキDUCATI106
1536ジョアン・ミルSUZUKI77
1644P・エスパルガロHONDA56
1773A・マルケスHONDA50
1830中上 貴晶HONDA46
1921F・モルビデリYAMAHA36
2049F・ディ・ジャンアントニオDUCATI23
214A・ドビツィオーゾYAMAHA15
2240D・ビンダーYAMAHA12
2387R・ガードナーKTM10
2435C・クラッチローYAMAHA10
2525R・フェルナンデェスKTM10
266S・ブラドルHONDA2
2751M・ピロDUCATI0
2832L・サバドーリAPRILIA0
2945長島 哲太HONDA0
309ダニーロ・ペトルッチSUZUKI0
3192渡辺 一樹SUZUKI0
MotoGP コンストラクターチャンピオンシップランキング(第19戦 マレーシアGP 終了時)
順位コンストラクターポイント
1DUCATI432
2APRILIA248
3YAMAHA243
4KTM220
5SUZUKI174
6HONDA153
MotoGP チームチャンピオンシップランキング(第19戦 マレーシアGP 終了時)
順位チームポイント
1Ducati Lenovo Team447
2Aprilia Racing334
3Red Bull KTM Factory Racing306
4Prima Pramac Racing302
5Monster Energy Yamaha MotoGP271
6Gresini Racing MotoGP234
7Team SUZUKI ECSTAR225
8Mooney VR46 Racing Team217
9Repsol Honda Team171
10LCR Honda96
11WithU Yamaha RNF MotoGP Team37
12Tech 3 KTM Factory Racing20