SUZUKI RACING REPORT
スズキレーシングレポート
MotoGP レースレポート
2022年10月2日
MotoGP 第17戦 タイGP 決勝
タイ チャン・インターナショナルサーキット
タイGP決勝は大雨で波乱のレースとなるも、チームスズキエクスターライダーは共に完走。
3年ぶりの開催となったタイGPは、ブリラムのチャン・インターナショナルサーキットにこの日を待ち望んでいたMotoGPファンがスタンドを埋め尽くしたが、Moto2決勝から降り始めた雨がMotoGP決勝前には雷を伴う大雨となり、波乱の幕開けとなった。

雨はなかなか降り止むことなく、MotoGP決勝は約1時間遅れて25周のレースがスタートした。

上空は暗い雲に覆われたまま薄暗く、さらに路面には大量の水が残っているために水飛沫が上がり、グリッド後方10番手、24番手からスタートしたアレックス・リンス、ダニーロ・ペトルッチは視界の悪い中を注意深く走行。しかしリンスは序盤に何度かオーバーランし、順位を落としてしまう。

リンスは5周目に15番手までポジションをリカバーし、その後は前のグループと一定の距離を保ちながら最後まで慎重に走行を続け13位でチェッカー。しかしフランコ・モルビデリ(ヤマハ)のペナルティーにより、ひとつポジションを上げ12位となった。

ウェットコンディションを得意とするペトルッチは、GSX-RRでの雨の走行は初となるものの、終始安定したペースで走行。しかし後方グリッドからの追い上げは叶わず、20番手で決勝を終えた。

リビオ・スッポ チームマネージャー
「週末を通してずっとドライコンディションで走り、決勝で突然大雨の路面を走ることを強いられるのはどのチーム、ライダーにとっても困難であったと思います。誰もウェットコンディションで走ったことがなかったので、今までのデータからベストセッティングを見つけるしかなく、ある意味ギャンブルのようなレースであり、正直我々は少しギャンブルに失敗してしまったのかもしれません。とは言えアレックスはレースを通し常に冷静に走行し、12位で終えて貴重なポイントを獲得できましたし、ダニーロもGSX-RRでは全く初のウェットコンディションでの走行ながら、良いペースで決勝を走行してくれたと思います。この週末ダニーロと共に仕事ができたことを我々はとても誇りに思うと共に、彼の仕事ぶりにとても感謝しています。3連戦を終え、これから1週間のブレイクを経て次はオーストラリアGPとなりますが、次戦ではジョアンが復帰し、アレックスとジョアンのペアで再び戦えることを心から望んでいます。」

河内 健 テクニカルマネージャー
「決勝はドライコンディションを想定して万全な準備ができていたのですが、突然の雨で全てが変わってしまいました。アレックスはスタートこそ悪くなかったのですが、その後数周でポジションを落としてしまい、そこからのペースも悪くはなかったものの、リカバーするまでには至りませんでした。しっかりとデータを確認して次に備えたいと思います。一方のダニーロですが、初めてのスズキマシン、その上決勝は初めてのウェットコンディションの走行となり非常に難しい状況であったと思いますが、彼の仕事は非常にプロフェッショナルでした。改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。残り3戦ありますので、しっかりとリカバーして挑みたいと思います。」

アレックス・リンス
「大雨が降った後で路面にところどころ水溜りができていて、レースはかなり難しいコンディションだったよ。集団で走っていると水飛沫で前が見にくくなってしまうので、危険を回避するためにちょっと距離を取って走るように心掛けた。結果は満足のいくものではなかったけど、今シーズンあまりウェットコンディションで走行していないからデータが少なくて、それを考えればウェットのフィーリングは悪くなかったと思う。久しぶりに走ったブリラムは天候に翻弄されてしまったけど、気持ちを切り替えて次戦のオーストラリアに臨むよ。フィリップアイランドは面白いサーキットでテンションも上がるし、次こそ良い結果を残したいと思っている。」

ダニーロ・ペトルッチ
「最初にこの素晴らしい機会を与えてくれたスズキに感謝の気持ちを伝えたいと思う。チーム皆が限られた時間の中でベストな走りができるよう本当に努力してくれ、素晴らしい環境で仕事をすることができ、全チームスタッフを心から誇りに思っているよ。決勝は突然の雨に見舞われてしまい、雨のデータがなかったから思った以上に苦戦してしまったけど、自分自身はリラックスしてレースに臨むことができたと思う。できればチームのために1ポイントでも獲得したいと考えていたけど、現実はそんなに甘くはなかったね。結果は20位で終わってしまったけど、この週末の経験は決して忘れないよ。」

MotoGP 第17戦 タイGP 決勝結果
順位No.ライダーチーム名メーカータイム/トップ差
188M・オリベイラRed Bull KTM Factory RacingKTM41'44.503
243J・ミラーDucati Lenovo TeamDUCATI+0.730
363F・バニャイアDucati Lenovo TeamDUCATI+1.968
45J・ザルコPrima Pramac RacingDUCATI+2.490
593M・マルケスRepsol Honda TeamHONDA+2.958
623E・バスティアニーニGresini Racing MotoGPDUCATI+13.257
712M・ビニャーレスAprilia RacingAPRILIA+14.566
873A・マルケスLCR Honda CASTROLHONDA+14.861
989J・マルティンPrima Pramac RacingDUCATI+15.365
1033B・ビンダーRed Bull KTM Factory RacingKTM+18.097
1141A・エスパルガロAprilia RacingAPRILIA+19.041
1242アレックス・リンスTeam SUZUKI ECSTARSUZUKI+19.659
1321F・モルビデリMonster Energy Yamaha MotoGPYAMAHA+22.439
1444P・エスパルガロRepsol Honda TeamHONDA+23.646
1525R・フェルナンデェスTech 3 KTM Factory RacingKTM+30.483
1672M・ベツェッキMooney VR46 Racing TeamDUCATI+33.466
1720F・クアルタラロMonster Energy Yamaha MotoGPYAMAHA+34.072
1849F・ディ・ジャンアントニオGresini Racing MotoGPDUCATI+36.203
1935C・クラッチローWithU Yamaha RNF MotoGP TeamYAMAHA+36.532
209ダニーロ・ペトルッチTeam SUZUKI ECSTARSUZUKI+42.508
2140D・ビンダーWithU Yamaha RNF MotoGP TeamYAMAHA+49.992
2245長島 哲太LCR Honda IDEMITSUHONDA+51.346
2310L・マリーニMooney VR46 Racing TeamDUCATI2 laps
DNF87R・ガードナーTech 3 KTM Factory RacingKTM14 laps
MotoGP ライダーチャンピオンシップランキング(第17戦 タイGP 終了時)
順位ゼッケンライダーマシンポイント
120F・クアルタラロYAMAHA219
263F・バニャイアDUCATI217
341A・エスパルガロAPRILIA199
423E・バスティアニーニDUCATI180
543J・ミラーDUCATI179
633B・ビンダーKTM154
75J・ザルコDUCATI151
888M・オリベイラKTM131
935J・マルティンDUCATI127
1012M・ビニャーレスAPRILIA122
1142アレックス・リンスSUZUKI112
1210L・マリーニDUCATI101
1393M・マルケスHONDA84
1472M・ベツェッキDUCATI80
1536ジョアン・ミルSUZUKI77
1673A・マルケスHONDA50
1744P・エスパルガロHONDA49
1830中上 貴晶HONDA46
1921F・モルビデリYAMAHA31
2049F・ディ・ジャンアントニオDUCATI23
214A・ドビツィオーゾYAMAHA15
2240D・ビンダーYAMAHA10
2387R・ガードナーKTM9
2425R・フェルナンデェスKTM9
2535C・クラッチローYAMAHA3
266S・ブラドルHONDA2
2751M・ピロDUCATI0
2832L・サバドーリAPRILIA0
299ダニーロ・ペトルッチSUZUKI0
3092渡辺 一樹SUZUKI0
3145長島 哲太HONDA0
MotoGP コンストラクターチャンピオンシップランキング(第17戦 タイGP 終了時)
順位コンストラクターポイント
1DUCATI391
2APRILIA235
3YAMAHA224
4KTM206
5SUZUKI138
6HONDA124
MotoGP チームチャンピオンシップランキング(第17戦 タイGP 終了時)
順位チームポイント
1Ducati Lenovo Team396
2Aprilia Racing321
3Red Bull KTM Factory Racing285
4Prima Pramac Racing278
5Monster Energy Yamaha MotoGP250
6Gresini Racing MotoGP203
7Team SUZUKI ECSTAR189
8Mooney VR46 Racing Team181
9Repsol Honda Team135
10LCR Honda96
11WithU Yamaha RNF MotoGP Team28
12Tech 3 KTM Factory Racing18