SUZUKI RACING REPORT
スズキレーシングレポート
MotoGP レースレポート
2022年9月4日
MotoGP 第14戦 サンマリノGP 決勝
イタリア ミザノワールドサーキット/マルコ・シモンチェリ
サンマリノGP決勝はリンスがトップ10フィニッシュ、ルーキー渡辺も初レースを完走。
毎年数々のドラマを生むサンマリノGP決勝は、今年も56,000人の観客に見守られる中、歓声と興奮に包まれてスタート。チームスズキエクスターのアレックス・リンス、そして怪我によってサンマリノGPを欠場したジョアン・ミルの代役としてMotoGPに初参戦した渡辺一樹は、共に大きなトラブルに見舞われることなく揃って決勝を完走した。

季節の変わり目で不安定な天候の中で迎えた週末は、時折急な大雨が降ったりと土曜の予選まで天気予想が難しかったものの、決勝日には青空が広がり気温が一気に上昇して蒸し暑い1日となった。

12番グリッドからスタートしたリンスはスタート直後に3台が絡んで転倒したアクシデントを巧みに交わし8番手までポジションを上げる。リンスは何度かファステストラップを刻みながらトップグループに近付き、レース中盤に7番手を走行するホルヘ・マルティン(ドゥカティ)をオーバーテイクしてひとつポジションを上げるものの、レース終盤まで速いペースをキープして走行するトップグループとの距離は縮むことなく、そのまま7位でチェッカーを受ける。

一方、代役参戦でMotoGPデビューを果たした渡辺一樹は、体力を要求される28周の長いレースを最後までペースを落とすことなく、初参戦のレースを21位で完走した。

リビオ・スッポ チームマネージャー
「アレックスは本来のポテンシャルを発揮することができず残念ではありましたが、現状でのベストを尽くしてくれたと思っています。一樹はMotoGP初参戦でありながら素晴らしい仕事をしてくれました。最終ラップでトップ2台が優勝争いをしているのを確認したために、彼らの邪魔にならないようラインを譲って2台を先に行かせましたが、それがなければ周回遅れになることなくレースを完走できたでしょう。この週末の彼の仕事ぶりにはチーム皆が満足しています。ジョアンは次戦アラゴンでの復帰に向けて懸命なリハビリを続けているので、アラゴンでは再びふたりのレギュラーライダーで戦えることを願っています。」

河内 健 テクニカルマネージャー
「結果は満足できるものではありませんでしたが、アレックスは出せる力を全て出して戦ってくれたと思っています。レースの序盤に前のライダーを抜くのに少し手間取ってしまい、その差が最後まで埋められなかった形となってしまいましたが、レースペース自体はそれほど悪いものではありませんでした。しかし7位という結果はやはり我々にとってもライダーにとっても期待していた結果とは違っていたと言うべきでしょう。一方の渡辺選手ですが、代役ライダーという難しい条件の中で決勝レースを転倒なく無事に完走してくれ、非常に良い仕事をしてくれたと感謝しています。次戦アラゴンではジョアンが復帰し、再びふたりのライダーで刺激し合い、高め合って良い結果を残していけるよう頑張っていきたいと思います。」

アレックス・リンス
「望んでいた結果ではなかったけど、力を出し切って走った結果だから後悔はないよ。12番グリッドからのスタートでタフなレースだったけど、レースペースが良かったお陰でいくつかポジションを上げることができたしね。今年はドゥカティの台数が多いから、特にこのサーキットでは厳しいレースになるだろうと予想はしていたけど、まさにその予想通りだったね。ホルヘをオーバーテイクするのに手こずり、やっとオーバーテイクしたら無理をしたせいでオーバーランしてしまい、そこからまた追い上げるのに時間を費やしてしまった。気温も路面温度も上がったせいで体力的にもかなり厳しいレースで、全開で攻めている時は腕上がりしそうになったよ。もっと上位でゴールしたかったけど、今日はこれが精一杯だったね。」

渡辺 一樹
「無事に決勝レースを走り切れて本当に良かったと思うと同時に、この貴重な経験を与えてくれたスズキ株式会社、そしてこの参戦を許可してくれたヨシムラに心から感謝しています。簡単に結果が出せるようなフィールドでないことはウィークに入る前から理解していたので、今の自分にできることを全て出すことができるよう、このマシンの特性を理解し、それに適応できるライディングができるように努めました。わずか3日間しかなかったので充分ではありませんでしたが、セッションを重ねる毎に少しずつ進歩することができましたし、徐々にこのマシンの乗り方も分かってきて、決勝中も終盤にこの週末のベストタイムを記録することができたので、やるべきことは達成できたと思っています。決勝で周回遅れになることだけは避けたかったのですが、ラストラップで青旗を振られたので後ろを振り向いて確認したら2台がトップ争いをしていて、自分のせいでそのバトルに影響を及ぼすことだけは避けたいと思いラインを外したのですが、レースを終えてピットに戻ったらチームから最後まで普通に走っていたらオーバーテイクされなかったとアドバイスされました。初めてづくしの経験でしたが、自分の中でできることは全て出し切ることができたと思っていますし、家族のように温かく迎えてくれ、ウィーク中支えてくれたチームスタッフに感謝の気持ちでいっぱいです。」

MotoGP 第14戦 サンマリノGP 決勝結果
順位No.ライダーチーム名メーカータイム/トップ差
163F・バニャイアDucati Lenovo TeamDUCATI41'43.199
223E・バスティアニーニGresini Racing MotoGPDUCATI+0.034
312M・ビニャーレスAprilia RacingAPRILIA+4.212
410L・マリーニMooney VR46 Racing TeamDUCATI+5.283
520F・クアルタラロMonster Energy Yamaha MotoGPYAMAHA+5.771
641A・エスパルガロAprilia RacingAPRILIA+10.230
742アレックス・リンスTeam SUZUKI ECSTARSUZUKI+12.496
833B・ビンダーRed Bull KTM Factory RacingKTM+14.661
989J・マルティンPrima Pramac RacingDUCATI+17.732
1073A・マルケスLCR Honda CASTROLHONDA+21.986
1188M・オリベイラRed Bull KTM Factory RacingKTM+23.685
124A・ドビツィオーゾWithU Yamaha RNF MotoGP TeamYAMAHA+29.276
1325R・フェルナンデェスTech 3 KTM Factory RacingKTM+30.433
146S・ブラドルRepsol Honda TeamHONDA+31.768
1530中上 貴晶LCR Honda IDEMITSUHONDA+32.547
1640D・ビンダーWithU Yamaha RNF MotoGP TeamYAMAHA+41.857
1772M・ベツェッキMooney VR46 Racing TeamDUCATI+50.559
1843J・ミラーDucati Lenovo TeamDUCATI+53.371
1987R・ガードナーTech 3 KTM Factory RacingKTM+56.613
2049F・ディ・ジャンアントニオGresini Racing MotoGPDUCATI+57.304
2192渡辺 一樹Team SUZUKI ECSTARSUZUKI1 lap
DNF21F・モルビデリMonster Energy Yamaha MotoGPYAMAHA25 laps
DNF5J・ザルコPrima Pramac RacingDUCATI0
DNF51M・ピロAruba.it RacingDUCATI0
DNF44P・エスパルガロRepsol Honda TeamHONDA0
MotoGP ライダーチャンピオンシップランキング(第14戦 サンマリノGP 終了時)
順位ゼッケンライダーマシンポイント
120F・クアルタラロYAMAHA211
263F・バニャイアDUCATI181
341A・エスパルガロAPRILIA178
423E・バスティアニーニDUCATI138
55J・ザルコDUCATI125
643J・ミラーDUCATI123
733B・ビンダーKTM115
812M・ビニャーレスAPRILIA101
942アレックス・リンスSUZUKI101
1035J・マルティンDUCATI94
1188M・オリベイラKTM90
1210L・マリーニDUCATI82
1336ジョアン・ミルSUZUKI77
1472M・ベツェッキDUCATI68
1593M・マルケスHONDA60
1630中上 貴晶HONDA46
1744P・エスパルガロHONDA42
1873A・マルケスHONDA35
1921F・モルビデリYAMAHA26
2049F・ディ・ジャンアントニオDUCATI23
214A・ドビツィオーゾYAMAHA15
2240D・ビンダーYAMAHA10
2387R・ガードナーKTM9
2425R・フェルナンデェスKTM8
256S・ブラドルHONDA2
2651M・ピロDUCATI0
2732L・サバドーリAPRILIA0
2892渡辺 一樹SUZUKI0
MotoGP コンストラクターチャンピオンシップランキング(第14戦 サンマリノGP 終了時)
順位コンストラクターポイント
1DUCATI321
2YAMAHA211
3APRILIA201
4KTM148
5SUZUKI127
6HONDA96
MotoGP チームチャンピオンシップランキング(第14戦 サンマリノGP 終了時)
順位チームポイント
1Ducati Lenovo Team304
2Aprilia Racing279
3Monster Energy Yamaha MotoGP237
4Prima Pramac Racing219
5Red Bull KTM Factory Racing205
6Team SUZUKI ECSTAR178
7Gresini Racing MotoGP161
8Mooney VR46 Racing Team150
9Repsol Honda Team104
10LCR Honda81
11WithU Yamaha RNF MotoGP Team25
12Tech 3 KTM Factory Racing17