MotoGP レースレポート
2022年10月16日
MotoGP 第18戦 オーストラリアGP 決勝
オーストラリア フィリップアイランドサーキット
オーストラリアGPは長く激しいバトルを制してリンスが今シーズン初勝利!
2022 MotoGP
パンデミックによるロックダウンや様々な規制が解かれ、オーストラリア・ビクトリア州の南にあるフィリップ島で開催されるオーストラリアGPが3年ぶりに戻り、サーキットはこの日を待ち望んでいた多くのファンに埋め尽くされた。明け方は雨が降り、気温も低く絶好な観戦日和とはならなかったものの、観客達はシーズンで最もエキサイトした激しいバトルに沸いた。そして最終ラップ最終コーナーまで続いた長くスリリングなバトルを制したのはチームスズキエクスターのアレックス・リンスで、リンスはシーズン初の優勝を手にした。
4列目10番手グリッドからスタートしたリンスは好スタートを切り、集団に紛れて1コーナーに飛び込む。その後すぐに8番手にポジションを上げ、6周目にはファステストラップを記録して5番手まで浮上し、さらに3周連続でオーバーテイクを繰り返して8周目にはトップ3に立つ。
14周目、リンスは遂に集団のトップに出てレースを引っ張る形となるが、トップ集団が激しいバトルを繰り広げている間に後方からセカンドグループが迫り、トップから10番手までが1.8秒差という接戦が繰り広げられる。残り3周でリンスは一時3番手までポジションを落とすも、GSX-RRのコーナリングスピードを最大限に活かして最後まで諦めることなく再びバトルに挑み、観客や見守るチームスタッフも息を呑む激しいバトルが続く中、最終ラップで再びトップに浮上。オーバーテイクを仕掛けようとする2番手、3番手を振り切り、最終コーナーをトップで立ち上がったリンスはそのままトップでチェッカーを受け、MotoGPキャリア4度目の勝利を手にした。
オーストラリアGPが怪我からの復帰初戦となったチームメイトのジョアン・ミルは、5列目14番手からのスタートながらすぐに9番手まで浮上。しかしマノメーターの故障により正しいタイヤ空気圧で走行する事が出来ず、ペースが下がり徐々にポジションダウン。復帰レースでポイント獲得を目指し懸命に最後まで完走するも、18位でチェッカーを受けた。
4列目10番手グリッドからスタートしたリンスは好スタートを切り、集団に紛れて1コーナーに飛び込む。その後すぐに8番手にポジションを上げ、6周目にはファステストラップを記録して5番手まで浮上し、さらに3周連続でオーバーテイクを繰り返して8周目にはトップ3に立つ。
14周目、リンスは遂に集団のトップに出てレースを引っ張る形となるが、トップ集団が激しいバトルを繰り広げている間に後方からセカンドグループが迫り、トップから10番手までが1.8秒差という接戦が繰り広げられる。残り3周でリンスは一時3番手までポジションを落とすも、GSX-RRのコーナリングスピードを最大限に活かして最後まで諦めることなく再びバトルに挑み、観客や見守るチームスタッフも息を呑む激しいバトルが続く中、最終ラップで再びトップに浮上。オーバーテイクを仕掛けようとする2番手、3番手を振り切り、最終コーナーをトップで立ち上がったリンスはそのままトップでチェッカーを受け、MotoGPキャリア4度目の勝利を手にした。
オーストラリアGPが怪我からの復帰初戦となったチームメイトのジョアン・ミルは、5列目14番手からのスタートながらすぐに9番手まで浮上。しかしマノメーターの故障により正しいタイヤ空気圧で走行する事が出来ず、ペースが下がり徐々にポジションダウン。復帰レースでポイント獲得を目指し懸命に最後まで完走するも、18位でチェッカーを受けた。
※フィリップアイランドサーキットで行われたグランプリにおいてスズキマシンの初勝利となった。
リビオ・スッポ チームマネージャー
「アレックスの優勝は心から嬉しいですし最高な気分ではあるのですが、一方でジョアンに起こった不運を考えると複雑な気持ちです。今日アレックスは本当に完璧で素晴らしいレースを見せてくれ、彼のライダーとしての能力、そしてマシンのポテンシャルを全て見せてくれたような強い走りを披露してくれました。プロジェクト撤退の発表後、チームは精神的に決して楽ではない状況で戦いを続けてきていたので、この勝利を皆で一緒に祝うことができたことに感謝の気持ちでいっぱいです。しかし、ジョアンは小さな技術的問題が原因でレース序盤からペースを上げることができず、本来のポテンシャルを一切見せることができずに決勝を戦うこととなってしまい、彼には本当に申し訳なく思っています。彼のレースペースも良かったので、トラブルがなければ彼もアレックスと同様にトップグループでバトルができたと思っていますし、ダブル表彰台を獲得できた可能性もあったので残念です。いずれにしても今日我々は、最後まで諦めずに皆が常に一丸となって全力を尽くして戦い続けていることをしっかりと見せることができたと思っていますし、このチームを心から誇りに思います。そしてそれを支えてくださっている全ての皆様に感謝します。」河内 健 テクニカルマネージャー
「やっと表彰台に、それも一番高いところに戻ってくることができました。アレックスにおめでとうと言いたいです。それからこのプロジェクトに関わって下さっている全ての皆様に感謝の気持ちを伝えたいです。今年いっぱいで私達はこのプロジェクトを終了しなくてはなりませんが、今日のレースで我々にはまだまだ十分戦えるポテンシャルがあることを証明できたと思います。ジョアンに関しては小さなトラブルにより彼の本来のポテンシャルを見せることができませんでしたが、復帰初戦としては週末を通して非常に良いパフォーマンスを見せていたので、残りのレースが楽しみです。残り2戦も全力で戦っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします。」アレックス・リンス
「言葉では言い現せないくらい最高にハッピーな気分だよ。今日はマシンのフィーリングが本当に良くて、レースを通してずっと無理なく走ることができた。このサーキットはタイヤに負担がかかることを理解していたから、リアタイヤを温存させるためにオーバーペースにならないように心がけていたんだけど、ハイスピードコーナーのトラクションが良かったお陰で最後までアグレッシブに攻めてバトルすることができたんだ。この優勝はチームスズキエクスターの皆と、このプロジェクトに関わっている全ての人達、そしてさらにいつも応援してくれているファンの皆のお陰だと思っている。プロジェクトが終わる前にもう一度皆でこの喜びを分かち合うことができたことが何より嬉しいよ。」ジョアン・ミル
「アレックスの優勝を心から喜んでいるし、まずはチーム、アレックスにおめでとうと伝えたい。このサーキットでバトルを制して優勝できたことは本当に特別な喜びだと思うからね。ただ残念ながら自分は今日結果を残すことができなかった。マノメーターの故障により正しいタイヤ空気圧で走行することができず、どんどん順位を落としてしまったんだ。最後まで走れるかどうかも分からない状態だったけど、なんとか完走はすることができた。自分にとっては今日が復帰初戦だったし、この週末の流れもかなり良かったから悔しいけど、起きてしまったことは仕方がない。シーズンが終わるまで残り2戦となってしまったけど、気持ちを切り替えて、有終の美を飾れるよう全力で挑むよ。」MotoGP 第18戦 オーストラリアGP 決勝結果
順位 | No. | ライダー | チーム名 | メーカー | タイム/トップ差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 42 | アレックス・リンス | Team SUZUKI ECSTAR | SUZUKI | 40'50.654 |
2 | 93 | M・マルケス | Repsol Honda Team | HONDA | +0.186 |
3 | 63 | F・バニャイア | Ducati Lenovo Team | DUCATI | +0.224 |
4 | 72 | M・ベツェッキ | Mooney VR46 Racing Team | DUCATI | +0.534 |
5 | 23 | E・バスティアニーニ | Gresini Racing MotoGP | DUCATI | +0.557 |
6 | 10 | L・マリーニ | Mooney VR46 Racing Team | DUCATI | +0.688 |
7 | 89 | J・マルティン | Prima Pramac Racing | DUCATI | +0.884 |
8 | 5 | J・ザルコ | Prima Pramac Racing | DUCATI | +3.141 |
9 | 41 | A・エスパルガロ | Aprilia Racing | APRILIA | +4.548 |
10 | 33 | B・ビンダー | Red Bull KTM Factory Racing | KTM | +5.940 |
11 | 44 | P・エスパルガロ | Repsol Honda Team | HONDA | +11.048 |
12 | 88 | M・オリベイラ | Red Bull KTM Factory Racing | KTM | +13.606 |
13 | 35 | C・クラッチロー | WithU Yamaha RNF MotoGP Team | YAMAHA | +13.890 |
14 | 40 | D・ビンダー | WithU Yamaha RNF MotoGP Team | YAMAHA | +14.526 |
15 | 87 | R・ガードナー | Tech 3 KTM Factory Racing | KTM | +19.470 |
16 | 25 | R・フェルナンデェス | Tech 3 KTM Factory Racing | KTM | +20.645 |
17 | 12 | M・ビニャーレス | Aprilia Racing | APRILIA | +22.167 |
18 | 36 | ジョアン・ミル | Team SUZUKI ECSTAR | SUZUKI | +23.489 |
19 | 45 | 長島 哲太 | LCR Honda IDEMITSU | HONDA | +39.618 |
20 | 49 | F・ディ・ジャンアントニオ | Gresini Racing MotoGP | DUCATI | +39.633 |
DNF | 21 | F・モルビデリ | Monster Energy Yamaha MotoGP | YAMAHA | 6 laps |
DNF | 20 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | YAMAHA | 17 laps |
DNF | 43 | J・ミラー | Ducati Lenovo Team | DUCATI | 19 laps |
DNF | 73 | A・マルケス | LCR Honda CASTROL | HONDA | 19 laps |
MotoGP ライダーチャンピオンシップランキング(第18戦 オーストラリアGP 終了時)
順位 | ゼッケン | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 63 | F・バニャイア | DUCATI | 233 |
2 | 20 | F・クアルタラロ | YAMAHA | 219 |
3 | 41 | A・エスパルガロ | APRILIA | 206 |
4 | 23 | E・バスティアニーニ | DUCATI | 191 |
5 | 43 | J・ミラー | DUCATI | 179 |
6 | 33 | B・ビンダー | KTM | 160 |
7 | 5 | J・ザルコ | DUCATI | 159 |
8 | 42 | アレックス・リンス | SUZUKI | 137 |
9 | 35 | J・マルティン | DUCATI | 136 |
10 | 88 | M・オリベイラ | KTM | 135 |
11 | 12 | M・ビニャーレス | APRILIA | 122 |
12 | 10 | L・マリーニ | DUCATI | 111 |
13 | 93 | M・マルケス | HONDA | 104 |
14 | 72 | M・ベツェッキ | DUCATI | 93 |
15 | 36 | ジョアン・ミル | SUZUKI | 77 |
16 | 44 | P・エスパルガロ | HONDA | 54 |
17 | 73 | A・マルケス | HONDA | 50 |
18 | 30 | 中上 貴晶 | HONDA | 46 |
19 | 21 | F・モルビデリ | YAMAHA | 31 |
20 | 49 | F・ディ・ジャンアントニオ | DUCATI | 23 |
21 | 4 | A・ドビツィオーゾ | YAMAHA | 15 |
22 | 40 | D・ビンダー | YAMAHA | 12 |
23 | 87 | R・ガードナー | KTM | 10 |
24 | 25 | R・フェルナンデェス | KTM | 9 |
25 | 35 | C・クラッチロー | YAMAHA | 6 |
26 | 6 | S・ブラドル | HONDA | 2 |
27 | 51 | M・ピロ | DUCATI | 0 |
28 | 32 | L・サバドーリ | APRILIA | 0 |
29 | 45 | 長島 哲太 | HONDA | 0 |
30 | 9 | ダニーロ・ペトルッチ | SUZUKI | 0 |
31 | 92 | 渡辺 一樹 | SUZUKI | 0 |
MotoGP コンストラクターチャンピオンシップランキング(第18戦 オーストラリアGP 終了時)
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | DUCATI | 407 |
2 | APRILIA | 242 |
3 | YAMAHA | 227 |
4 | KTM | 212 |
5 | SUZUKI | 163 |
6 | HONDA | 144 |
MotoGP チームチャンピオンシップランキング(第18戦 オーストラリアGP 終了時)
順位 | チーム | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati Lenovo Team | 412 |
2 | Aprilia Racing | 328 |
3 | Red Bull KTM Factory Racing | 295 |
4 | Prima Pramac Racing | 295 |
5 | Monster Energy Yamaha MotoGP | 250 |
6 | Gresini Racing MotoGP | 214 |
7 | Team SUZUKI ECSTAR | 214 |
8 | Mooney VR46 Racing Team | 204 |
9 | Repsol Honda Team | 160 |
10 | LCR Honda | 96 |
11 | WithU Yamaha RNF MotoGP Team | 33 |
12 | Tech 3 KTM Factory Racing | 19 |