SUZUKI RACING REPORT
スズキレーシングレポート
MotoGP レースレポート
2022年6月26日
MotoGP 第11戦 オランダGP(TTアッセン) 決勝
オランダ TTサーキット・アッセン
チームスズキエクスター、オランダGP決勝を共にトップ10フィニッシュでシーズン前半を締めくくる。
2022年シーズン前半戦最後のレースとなるオランダGP決勝は、ジョアン・ミル、アレックス・リンスがそれぞれ8位、10位となり共にトップ10フィニッシュでシーズン前半を締めくくった。

多くの歴史を持つ伝統あるTTサーキット・アッセンは決勝日に10万人を超える観客を迎え、興奮の渦に包まれる中で決勝がスタートした。スタート直後に他車と2度接触のあったミルは慎重に集団を抜け出し、序盤のポジションアップを狙ってトップ集団を追いかける。一方のリンスはスタートを上手く決めることができず後方にポジションを落とし、さらにタイヤが温まるまではペースをセーブしながら走行を続ける。

ミル、リンスは周回を重ねる毎に徐々にポジションを上げていき、残り10周の時点でサーキットのところどころで小さな雨粒が落ち始めるが、ペースを落とすことなく走行する。その後、ミルは前のグループを捉えひとりずつオーバーテイクを始める。また徐々にペースを上げはじめたリンスもほどなくしてチームメイトのすぐ後方につけ、ミル、ミゲール・オリベイラ(KTM)、リンスの3台でグループを作り走行。3台は最後まで順位を入れ替えることなくミル8位、リンス10位で決勝を終え貴重なポイントを獲得した。

優勝したフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)からのタイム差はミルが8.185秒、リンスも8.596秒で、このレースが多くのライダーによる接近戦であり、チームスズキエクスターペアのレースペースもトップグループ同様の強いパフォーマンスだったことを証明している。ここ数戦苦しい戦いだったチームスズキエクスターにとっては後半戦に向けての追い風となり、チームはこれから5週間のサマーブレイク後、8月1週目に第12戦となるイギリス・シルバーストーンで後半戦をスタートさせる。

佐原伸一 プロジェクトリーダー
「8位と10位というレース結果は我々が望んでいたものではありませんが、ジョアン、アレックスふたりのライダーが共にトップ10圏内でフィニッシュしたことを前向きに捉えて、今後のためにデータを活かしたいと思います。ジョアンはマシンのフィーリングが向上して強い走りができたのですが、グリッドポジションが後方だったためになかなか前に出ることができませんでした。上位で争うためには今後その部分を徹底的に改善していかなくてはいけないと思っています。アレックスはまだ怪我の回復が100%ではない中で、痛みに耐えながら最後まで走り切ってトップ10フィニッシュができたので、これを後半のレースに繋げていってほしいと思います。これからサマーブレイクを迎えるわけですが、後半戦にさらに戦闘力を上げて帰ってくることができるよう頑張っていきますので、引き続き応援をよろしくお願いします。」

リビオ・スッポ チームマネージャー
「アッセンはふたりのライダーがどちらも得意なサーキットであり、GSX-RRとも相性の良いサーキットなのでこの週末への期待は高かったのですが、残念ながら思い通りには行きませんでした。その要因はいくつかあり、そのひとつは予選がうまく運ばなかったこと、そして決勝のスタートではジョアンが他車と接触してしまったりと、この週末は運をうまく味方につけることができなかったようです。8位、10位というような結果で終えるようなポテンシャルではなかったと強く思っていますが、とはいえジョアンもアレックスも決勝のペースは良かったので、そこはポジティブに捉えています。いずれにしてもふたりのライダーが決勝をきっちり完走してサマーブレイクを迎えることができることは、チームにとってもライダーにとっても気持ちの上でとても重要なことだと思っており、最後まで諦めずに強いパフォーマンスを見せてくれたライダーに感謝します。そしてまたこの前半戦全てのレースで常に全力を尽くして頑張ってくれたチームスズキエクスターの素晴らしいクルー達に心から感謝の気持ちを伝えたいです。」

ジョアン・ミル
「今日のレースをうまくまとめられなかった問題点はふたつあって、まずひとつはスタートがあまり上手くいかずに、序盤に一気にポジションを上げることができなかったこと、そしてもうひとつは終盤にヨハン・ザルコ(ドゥカティ)をオーバーテイクするのに手こずってタイムをロスしてしまったことだったと思っている。でもレース自体はペースも安定していたし、パフォーマンスも悪くなかった。予選ポジションよりだいぶ前でレースを終えることができて、きっちりポイントを獲得することもできたしね。夏休み前最後のレースをポジティブなフィーリングで終えることができたことで、後半戦がますます楽しみになったよ。」

アレックス・リンス
「今日はいつものようにスタートを上手く決めることができず、9番手グリッドからスタートして最初の数ラップで16番手までポジションダウンしてしまった。その後もタイヤが確実に温まったという感覚が持てるまであまり無理してプッシュせず慎重に走るようにしたせいでレース前半はなかなかポジションを上げることができなかったんだ。金曜、土曜の走行ではさほど気にならなかった手首の怪我の痛みも、決勝ではかなり痛みが酷くなり思い通りにプッシュすることができなかったよ。アッセンは好きなサーキットのひとつだからもっと良い結果を望んでいたけど、現状で持てる力は全て出し切った結果だから納得しているし、この数戦色々とうまく行かないことだらけだったからトップ10で終えることができたことを喜ぶべきだと思っている。これで前半戦が終わったから少し息抜きをし、コンディションを整えて次戦の大好きなシルバーストーンにはさらに強くなって戻ってくることを約束するよ。」

MotoGP 第11戦 オランダGP(TTアッセン) 決勝結果
順位No.ライダーチーム名メーカータイム/トップ差
163F・バニャイアDucati Lenovo TeamDUCATI40'25.205
272M・ベツェッキMooney VR46 Racing TeamDUCATI+0.444
312M・ビニャーレスAprilia RacingAPRILIA+1.209
441A・エスパルガロAprilia RacingAPRILIA+2.585
533B・ビンダーRed Bull KTM Factory RacingKTM+2.721
643J・ミラーDucati Lenovo TeamDUCATI+3.045
789J・マルティンPrima Pramac RacingDUCATI+4.340
836ジョアン・ミルTeam SUZUKI ECSTARSUZUKI+8.185
988M・オリベイラRed Bull KTM Factory RacingKTM+8.325
1042アレックス・リンスTeam SUZUKI ECSTARSUZUKI+8.596
1123E・バスティアニーニGresini Racing MotoGPDUCATI+9.783
1230中上 貴晶LCR Honda IDEMITSUHONDA+10.617
135J・ザルコPrima Pramac RacingDUCATI+14.405
1449F・ディ・ジャンアントニオGresini Racing MotoGPDUCATI+17.681
1573A・マルケスLCR Honda CASTROLHONDA+25.866
164A・ドビツィオーゾWithU Yamaha RNF MotoGP TeamYAMAHA+29.711
1710L・マリーニMooney VR46 Racing TeamDUCATI+30.296
186S・ブラドルRepsol Honda TeamHONDA+32.225
1987R・ガードナーTech 3 KTM Factory RacingKTM+34.947
2032L・サバドーリAprilia RacingAPRILIA+35.798
DNF25R・フェルナンデェスTech 3 KTM Factory RacingKTM8 laps
DNF20F・クアルタラロMonster Energy Yamaha MotoGPYAMAHA15 laps
DNF40D・ビンダーWithU Yamaha RNF MotoGP TeamYAMAHA18 laps
DNF21F・モルビデリMonster Energy Yamaha MotoGPYAMAHA18 laps
MotoGP ライダーチャンピオンシップランキング(第11戦 オランダGP(TTアッセン) 終了時)
順位ゼッケンライダーマシンポイント
120F・クアルタラロYAMAHA172
241A・エスパルガロAPRILIA151
35J・ザルコDUCATI114
463F・バニャイアDUCATI106
523E・バスティアニーニDUCATI105
633B・ビンダーKTM93
743J・ミラーDUCATI91
836ジョアン・ミルSUZUKI77
942アレックス・リンスSUZUKI75
1088M・オリベイラKTM71
1135J・マルティンDUCATI70
1212M・ビニャーレスAPRILIA62
1393M・マルケスHONDA60
1472M・ベツェッキDUCATI55
1510L・マリーニDUCATI52
1630中上 貴晶HONDA42
1744P・エスパルガロHONDA40
1873A・マルケスHONDA27
1921F・モルビデリYAMAHA25
2049F・ディ・ジャンアントニオDUCATI18
2140D・ビンダーYAMAHA10
224A・ドビツィオーゾYAMAHA10
2387R・ガードナーKTM9
2425R・フェルナンデェスKTM5
256S・ブラドルHONDA0
2651M・ピロDUCATI0
2732L・サバドーリAPRILIA0
MotoGP コンストラクターチャンピオンシップランキング(第11戦 オランダGP(TTアッセン) 終了時)
順位コンストラクターポイント
1DUCATI246
2YAMAHA172
3APRILIA155
4KTM121
5SUZUKI101
6HONDA85
MotoGP チームチャンピオンシップランキング(第11戦 オランダGP(TTアッセン) 終了時)
順位チームポイント
1Aprilia Racing213
2Monster Energy Yamaha MotoGP197
3Ducati Lenovo Team197
4Prima Pramac Racing184
5Red Bull KTM Factory Racing164
6Team SUZUKI ECSTAR152
7Gresini Racing MotoGP123
8Mooney VR46 Racing Team107
9Repsol Honda Team100
10LCR Honda69
11WithU Yamaha RNF MotoGP Team20
12Tech 3 KTM Factory Racing14