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MotoGP レースレポート
2021年5月30日
MotoGP 第6戦 イタリアGP 決勝
場所:イタリア ムジェロインターナショナルサーキット

悲しみに包まれたイタリアGP決勝でミルが表彰台を獲得
イタリアGP決勝日の午後に、土曜日に行われた予選中の事故により病院で手当てを受けていたMoto3ライダーのジェイソン・デュパスキエ選手の悲しい死亡のニュースが公式発表され、ムジェロインターナショナルサーキットのパドックを暗い闇が包んだ。ライダーとパドックのメンバーはMotoGP決勝前にグリッドに集まり、1分間の黙祷を行いスイス人ライダーの死を悼んだ。

午後2時に23周の決勝がスタートした。チームスズキエクスターのふたりのライダーは共に好スタートを切り、1周目にジョアン・ミル6番手、アレックス・リンス7番手へとポジションアップする。翌周にはさらにひとつずつポジションを上げて2台並んでペースアップを図るが、その後、前を走るジャック・ミラー(ドゥカティ)のオーバーテイクにてこずり、コーナーでミラーを抜き、ストレートで抜き返されるという展開を数周繰り返している間にトップグループとのギャップが徐々に広がっていく。しかしふたりのライダーはミラーをかわした後、再びペースアップして2台でトップグループを追いかける。

ミラーをオーバーテイクした3周後にはミル、リンス揃って3番手を走るミゲール・オリベイラ(KTM)を捕え、そのすぐ後ろにつける。さらに17周目には2台のGSX-RRが3番手、4番手にポジションを上げるが、その翌周4番手を走行していたリンスが15コーナーでフロントから転倒。ライダーに怪我はなかったがマシンはグラベルに勢いよく飛び出し再スタートできず、リンスは4戦連続転倒、ノーポイントとなった。リンスの前、3番手を走行していたミルはその後も前を走るオリベイラを最後まで追い詰めるが、オーバーテイクは敵わず3位でチェッカーを受けた。

スズキ株式会社、チームスズキエクスター一同、ジェイソン選手のご冥福をお祈りすると共に、ご家族、ご友人、関係者の皆様に心より哀悼の意を表します。


佐原伸一 プロジェクトリーダー&チームディレクター
「今日は非常にタフなレースでした。3列目スタートということで決して良いスタートポジションではありませんでしたが、いつものようにスタートを決めて周回毎に順位をリカバリーしていくという戦略は予定通り進めることができました。正直、今日はダブル表彰台も狙えると思っていたのですが、アレックスが最終コーナーで転倒して戦線離脱となり、残念な結果となってしまいました。我々は今後もさらに安定性を高め、より良い成績を得るためにマシン、チーム共改善を続けていきたいと思っています。決して諦めることなく、また次戦も良いレースができるよう努力を続けていきます。」

河内 健 テクニカルマネージャー
「我々にとって非常に厳しい週末ではありましたが、こうしてまた表彰台に戻ってくることができたことを嬉しく思います。ジョアン、そして全てのチームスタッフに「おめでとう」、そして「ありがとう」と言いたいです。一方のアレックスですが、表彰台を戦えるだけのポテンシャルを充分示しながらまたしても転倒、リタイヤでノーポイントとなってしまいました。しかし我々にできることはプッシュし続けることのみなので、相性の良いサーキットでもある次戦のバルセロナでしっかり挽回したいと思っています。引き続き応援よろしくお願いします。」

ジョアン・ミル
「正直、今日はレース前にヘルメットを被ることすら本当に辛かった。僕たちライダーだって皆と同じ心を持った人間だし、パドック内は大きな家族みたいなものだから、昨日のジェイソンの事故を考えると悲しくて仕方なかったよ。僕のレースキャリアの中でこんな悲しい表彰台は初めてだったし、一緒に表彰台に立ったファビオ(クアルタラロ)とミゲール(オリベリラ)も同じ気持ちだったと思う。今日のこの表彰台はジェイソンの家族と彼のチームを思い、彼らに捧げたい。僕のチームは今週も素晴らしい仕事をしてくれて、マシンが日々改善されていったお陰で決勝では全力を出し切って走ることができた。だから何よりも彼らの仕事に報いることができたことが嬉しかったよ。今週来週は連戦だから、少し休んでまたカタルニアGPに向けて準備を整えるよ。」

アレックス・リンス
「今日の転倒がなぜ起きたのか、はっきり言ってよく分からないんだ。前のライダー達を徐々にオーバーテイクし、ジョアンの後ろで無理なく良いペースで走れていたからね。練習走行の時と同じではなかったけど、決勝中もフィーリングは良かったし、決して無理もしていなかった。この4戦ずっと転倒が続いていて原因はいつもフロントだから、チームにデータをしっかり確認、分析してもらうよ。怪我がないのがせめてもの救いだけど、パフォーマンス自体は悪くないだけにこれだけ転倒が続くことがとにかくがっかりだよ。今週末はジェイソンの悲しい事故があり、パドックの皆が本当に辛い思いだった。ジェイソンの家族と友人達に心からお悔やみの言葉を送りたい。次戦はホームGPでもあるし、気持ちを切り替えてまた週末のカタルニアで全力を尽くすよ。 」

MotoGP 第6戦 イタリアGP 決勝結果
順位ゼッケンライダーチーム名メーカータイム/トップ差
120F・クアルタラロMonster Energy Yamaha MotoGPYAMAHA41'16.344
288M・オリベイラRed Bull KTM Factory RacingKTM+2.592
336ジョアン・ミルTeam SUZUKI ECSTARSUZUKI+3.000
45J・ザルコPramac RacingDUCATI+3.535
533B・ビンダーRed Bull KTM Factory RacingKTM+4.903
643J・ミラーDucati Lenovo TeamDUCATI+6.233
741A・エスパルガロAprilia Racing Team GresiniAPRILIA+8.030
812M・ビニャーレスMonster Energy Yamaha MotoGPYAMAHA+17.239
99D・ペトルッチTech 3 KTM Factory RacingKTM+23.296
1046V・ロッシPetronas Yamaha SRTYAMAHA+25.146
1127I・レクオナTech 3 KTM Factory RacingKTM+25.152
1244P・エスパルガロRepsol Honda TeamHONDA+26.059
1351M・ピロPramac RacingDUCATI+26.182
1473A・マルケスLCR Honda CASTROLHONDA+29.400
1532L・サバドーリAprilia Racing Team GresiniAPRILIA+32.378
1621F・モルビデリPetronas Yamaha SRTYAMAHA+37.906
1710L・マリーニSKY VR46 EsponsoramaDUCATI+50.306
DNF30中上 貴晶LCR Honda IDEMITSUHONDA4 Laps
DNF42アレックス・リンスTeam SUZUKI ECSTARSUZUKI5 Laps
DNF63F・バグナイアDucati Lenovo TeamDUCATI22 Laps
DNF93M・マルケスRepsol Honda TeamHONDA22 Laps
DNF23E・バスティアニーニEsponsorama RacingDUCATI0 Lap
MotoGP ライダーチャンピオンシップランキング(第6戦 イタリアGP 終了時)
順位ゼッケンライダーマシンポイント
120F・クアルタラロYAMAHA105
25J・ザルコDUCATI81
363F・バグナイアDUCATI79
443J・ミラーDUCATI74
536ジョアン・ミルSUZUKI65
612M・ビニャーレスYAMAHA64
741A・エスパルガロAPRILIA44
833B・ビンダーKTM35
921F・モルビデリYAMAHA33
1088M・オリベイラKTM29
1144P・エスパルガロHONDA29
1230中上 貴晶HONDA28
1342アレックス・リンスSUZUKI23
149D・ペトルッチDUCATI23
1573A・マルケスHONDA20
1623E・バスティアニーニDUCATI20
1735J・マルティンDUCATI17
1893M・マルケスHONDA16
1946V・ロッシYAMAHA15
2027I・レクオナKTM13
216S・ブラドルHONDA11
2210L・マリーニDUCATI9
2351M・ピロDUCATI3
2432L・サバドーリAPRILIA3
2553T・ラバットDUCATI1
MotoGP コンストラクターチャンピオンシップランキング(第6戦 イタリアGP 終了時)
順位コンストラクターポイント
1DUCATI132
2YAMAHA123
3SUZUKI69
4KTM58
5HONDA47
6APRILIA44
MotoGP チームチャンピオンシップランキング(第6戦 イタリアGP 終了時)
順位チームポイント
1Monster Energy Yamaha MotoGP169
2Ducati Lenovo Team153
3Pramac Racing102
4Team SUZUKI ECSTAR88
5Red Bull KTM Factory Racing64
6Repsol Honda Team52
7Petronas Yamaha SRT48
8LCR Honda48
9Aprilia Racing Team Gresini47
10Tech 3 KTM Factory Racing36
11Esponsorama Racing29