SUZUKI RACING REPORT
スズキレーシングレポート
2021 MotoGP
2023 鈴鹿8耐 スペシャルサイト
スズキ株式会社 国内二輪 X(旧Twitter)公式アカウント
MotoGP レースレポート
2021年10月23日
MotoGP 第16戦 エミリア・ロマーニャGP 予選
場所:イタリア ミザノワールドサーキット/マルコ・シモンチェリ

チームスズキエクスター、エミリア・ロマーニャGP予選は不安定な天候と路面コンディションに苦戦
イタリア北東部の海岸に位置するミザノワールドサーキット/マルコ・シモンチェリの土曜朝は暗い雲と霧に覆われ、午前のFP3は難しいコンディションでのスタートとなった。前日のタイムを更新するには困難な状況ながら、ジョアン・ミルはフロントミディアム、リアソフトのタイヤコンビネーションで早々にタイムを上げ、前日の10番手から6番手にポジションアップし、さらにその後トップタイムをマークする。一方のアレックス・リンスもタイムアップを試みて数度のタイムアタックを繰り返すが、アタック中に高速コーナーで転倒。ライダーに怪我はなくすぐにピットに戻りスペアマシンで再びピットアウトをするが、路面のコンディションが刻々と変わる中でタイムを更新することはできず21番手でセッションを終了。一時タイムシートのトップに立ったミルもセッション終盤はペースアップできずに12番手までポジションダウンして、共にダイレクトQ2行きを逃す。

午後のFP4は30分間のセッション中にウェットからドライへと路面のコンディションが変わっていきライダー達を翻弄し、どのライダーもタイヤ選択に苦戦する。天候は変わらず太陽が出ないため、路面が乾いても気温、路面温度が上がらず、このセッションでは8人ものライダーが転倒を喫することとなった。ミルもその犠牲者のひとりとなり、セッション終盤に15コーナーで転倒。リンス10番手、ミル20番手でセッションを終える。

ダイレクトQ2行きを逃したトップライダー達によりQ1はいつも以上の激しい争いが展開された。スズキペアはどちらもフロント、リア共にソフトのスリックタイヤを選択し「ノンストップ戦略」で20分のセッションでタイムアタックを繰り返す。リンス、ミル共に連続で周回し、常にトップ5圏内でポジョションを入れ替えていくが、ミルはアタック数周目の最終コーナーで2度目の転倒を喫する。リンスは終盤に2番手にポジションを上げQ2行きへの期待を高めるも、セッション終了間際に4番手にポジションダウン。しかしその後、3番手だったファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が黄旗無視によるペナルティーでタイムがキャンセルとなり、リンスは3番手に繰り上がった。明日の決勝はリンス13番手、ミル18番手で、それぞれ5列目、6列目と後方からのスタートとなるが、リンス、ミルとも転倒による怪我はなく、明日の決勝での巻き返しに期待がかかる。


佐原伸一 プロジェクトリーダー&チームディレクター
「今週は走行初日から路面状況が刻々と変化する難しいセッションが続き、マシンセッティングもライダーの乗り方も適応させていく作業が必要でした。FP3でアレックス、FP4でジョアンが転倒してしまい、少なからず予選の結果にも影響しましたが、マシンのフィーリングは良く、幸い二人とも怪我もなかったので、レースに向けてのモチベーションは維持できていると思います。後方からのスタートとなるのでいつも以上にスタートダッシュが重要となりますが、焦らずに落ち着いて得意のスタートを決め、レース序盤に順位回復を狙います。」

アレックス・リンス
「あと少しでQ2に行けたんだけど、残念ながらQ2チャレンジができず予選は13番手に留まることになってしまった。この週末は天候が不安定でどのライダーもコンディションの変化に苦戦し、今日は転倒もかなり多かったけど、明日雨が降らずドライコンディションでレースが行われたら皆もっと気持ち良く走れるし、今日とは全く違う展開になると思っている。今朝のFP3では大きな転倒をしてしまったけど、幸いなことに怪我は全くなかったから、明日は自分もドライのレースを思い切り楽しむつもりだよ。前回のミザノのレース後に行われたテストでセッティングやタイヤに関するデータは充分取れているから、明日のレースがドライになることに全く不安はないよ。」

ジョアン・ミル
「何をやってもうまくいかない日がたまにあるけど、今日はまさにそんな1日だったね。午前のFP3ではフィーリングもペースもまずまずだったんだけど、昨日と同様に路面が乾き始めてスリックタイヤに変えるとフィーリングが悪くなってしまうんだ。FP4とQ1で2度転倒してしまったんだけど、転倒の理由は2度とも全く同じで、とにかく路面のコンディションが難しくてタイヤのフィーリングがうまく掴めなかったからなんだ。でも路面の状態はセッション終盤になるにつれて徐々に良くなっていったし、明日の天気予報ではドライコンディションでレースができそうだから、かなり後方からのスタートにはなってしまうけどベストを尽くして良いパフォーマンスを見せられるよう頑張るよ。」

MotoGP 第16戦 エミリア・ロマーニャGP 予選結果
順位ゼッケンライダーチーム名タイムトップ差
163F・バグナイアDucati Lenovo Team1'33.045-
243J・ミラーDucati Lenovo Team1'33.0700.025
310L・マリーニSKY VR46 Avintia1'33.1300.085
444P・エスパルガロRepsol Honda Team1'33.3130.268
588M・オリベイラRed Bull KTM Factory Racing1'33.4390.394
621F・モルビデリMonster Energy Yamaha MotoGP1'33.5260.481
793M・マルケスRepsol Honda Team1'33.8500.805
827I・レクオナTech 3 KTM Factory Racing1'33.8930.848
99D・ペトルッチTech 3 KTM Factory Racing1'34.1401.095
105J・ザルコPramac Racing1'34.6871.642
1141A・エスパルガロAprilia Racing Team Gresini1'34.9631.918
1289J・マルティンPramac Racing2'24.63151.586
1342アレックス・リンスTeam SUZUKI ECSTAR1'34.418(Q1)
1473A・マルケスLCR Honda CASTROL1'34.454(Q1)
1520F・クアルタラロMonster Energy Yamaha MotoGP1'34.476(Q1)
1623E・バスティアニーニAvintia Esponsorama1'35.236(Q1)
1730中上 貴晶LCR Honda IDEMITSU1'35.641(Q1)
1836ジョアン・ミルTeam SUZUKI ECSTAR1'35.683(Q1)
1912M・ビニャーレスAprilia Racing Team Gresini1'35.835(Q1)
2033B・ビンダーRed Bull KTM Factory Racing1'36.478(Q1)
214A・ドビツィオーゾPetronas Yamaha SRT1'36.639(Q1)
2251M・ピロDucati Lenovo Team1'37.880(Q1)
2346V・ロッシPetronas Yamaha SRT1'38.261(Q1)
2432L・サバドーリAprilia Racing Team Gresini1'42.615(FP2)