
2020 MotoGP
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2020年10月11日
MotoGP 第10戦 フランスGP 決勝 場所:フランス ルマン・ブガッティサーキット
チームスズキエクスター、波乱のフランスGP決勝を終え次戦アラゴンGPでの巻き返しを誓う
天候や気温の変化への対応に苦しみ、レースウイークを通して苦戦を強いられてきたチームスズキエクスターライダーの二人だが、日曜朝のウォームアップで解決策を見つけ、26周のレースでの巻き返しに賭ける。
決勝はスタート直前に雨が降り出してスタートがディレイとなった。マシンがピット内に戻され、ピット内は一時騒然となるが、クルー達が素早くソフトスリックタイヤからミディアムウェットタイヤに付け替え、クイックスタート方式でスタートした。 14番グリッドからスタートしたジョアン・ミルは、スタート直後のオープニングラップに目の前で転倒を喫したV・ロッシ(ヤマハ)を回避する形でオーバーランを強いられいくつかポジションを下げ、序盤うまくリズムを掴めずペースアップに苦しむ。一方16番グリッドからスタートしたアレックス・リンスはスタートで7番手まで大きくポジションアップした。リンスはそこから猛追撃を開始し、4番手までさらにポジションを上げ、その後6、7、8、9、12周目でファステストラップを記録してトップグループのすぐ後方につける。リンスはその勢いをキープしたままトップグループにアタックを仕掛け、18周目には前を走るドゥカティの2台を一気に抜き去り2番手にポジションを上げるが、その後痛恨の転倒を喫する。再スタートするもポイント圏外となった。 MotoGPクラスでの初ウェットレースとなったミルは、周回を重ねる毎にフィーリングを確かにし、徐々にペースを上げる。ミルは前のライダー達とのギャップをジリジリと詰めながら最終ラップでは11番手から9番手にふたつポジションを上げるが、最終コーナーのバトルで敗れ再び11位に後退しチェッカーを受けた。ミルはチャンピオンシップランキングでは2位を維持、トップからの差は10ポイントとなった。 河内 健 テクニカルマネージャー
「正直なところ日曜日の朝まで我々はこのルマンのコースに非常に手こずっていましたが、決勝前に雨が降り、また別の展開となりました。アレックスは非常に惜しいレースでしたが、彼の良いパフォーマンスを見ることができたことは嬉しいですし、彼にありがとうと言いたいです。また次のレースで表彰台を狙っていきたいです。ジョアンは序盤苦戦しましたが、諦めずにしっかりとリカバーしてくれ、チャンピオンシップポイントとしては悪くない終わり方をしたと思っています。次のアラゴンはスズキにとってもふたりのライダーにとっても相性の良いサーキットだと思っていますので、またしっかりと巻き返していきたいと思います。」ダビデ・ブリビオ チームマネージャー
「難しいコンディションの中、我々のライダー達が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたことを誇りに思います。16番グリッドからスタートしたにも関わらず、激しい追い上げでトップグループを捉え、優勝争いに絡みながら転倒を喫してしまったアレックスは本当に残念でしたが、今日のようなコンディションでは何があっても不思議はありません。MotoGPクラスで初めてのウェットレースとなったジョアンにとってはさらに難しい状況だったと思いますが、冷静にレースをマネージメントし、決勝中に多くのことを学びながらしっかりとポイントを獲得したことはとても貴重だったと思っています。アレックスの転倒は残念ではありましたが、今日のレースはたくさんのポジティブな要素もあり、我々のモチベーションをさらに高めたと言ってもいいでしょう。アラゴンは我々のマシンと相性の良いサーキットなので、このモチベーションを維持し、さらに上を目指していきます。」ジョアン・ミル
「スタート直後に他車の転倒を避けた際にポジションを大きく落としてしまい、それからタイヤのグリップに苦しんでタイムを上げることができなかった。路面のコンディションは相変わらず難しい状態だったけど、少しずつリズムを掴めるようになってからはマシンのフィーリングも良くなってタイムも上がり、そこからは安定して走ることができたよ。前のグループに追いつくには至らなかったけど、色々と学ぶことも多かったし、しっかりとポイントも獲得できたから満足している。最終ラップのシケインは9番手で入っていったんだけど、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)がオーバーテイクを仕掛けてきた際にラインを外してしまい、最後にふたつポジションを落としてしまったのがちょっと悔しいけど、レースだから仕方ないね。来週のアラゴンではまた上位でフィニッシュできるよう頑張るよ。」アレックス・リンス
「トップ争いをしながら転倒してしまったことは本当に残念だったけど、レースディレイのプレッシャーや後方スタートからの追い上げを自分自身がしっかりマネージメントできたこと、決勝でのマシンフィーリングが良かったことなど、いくつかポジティブな要素もあったから悔しいけど次に気持ちを切り替えるよ。決勝ではポジションもラップタイムもかなり上げていくことができていたし、トップグループで走っている時も全く無理はなかった。ドゥカティの2台を一気にオーバーテイクした時は本当に信じられないような気持ちだったしね。だから表彰台のチャンスは逃してしまったけど仕方ないと思っている。アラゴンは自分にとってホームレースのようなものだから、来週のレースが楽しみでならないよ。次は予選でもうちょっと頑張らなくちゃね。」MotoGP 第10戦 フランスGP 決勝結果
MotoGP ポイントランキング(第10戦 フランスGP終了時)
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