D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ 2024 第3戦 HSR九州大会は、熊本県菊池郡大津町のHSR九州オフロードコースで開催された。3月末の開幕戦関東大会に続き当初は第2戦として行われる予定だった今大会。しかし第3戦中国大会が急遽キャンセルされたことから、その代替えとして今年の九州大会は土曜日に第2戦、日曜日に第3戦が行われることになった。2日間で2大会を消化するために、IAクラスはヒート1が30分＋1周、ヒート2は15分＋1周というレースフォーマットに加え、キッズ、チャイルドクラスがキャンセルされるなどの変則的なスケジュールとなった。

コースは阿蘇の火山灰が堆積した黒土の比較的フラットなレイアウトが特徴だが、そこに見応えのある大小のジャンプとコーナーを配し、また観戦エリアにはテントを用意するなど施設の充実が図られている。しかしこの週末、九州地方は前線の通過に伴う雨の予報が出され、日曜日は断続的にまとまった雨が降り、ウェットからヘビィマディを経て、午後はコース上の各所に水溜まりが出来るなど悪天候に翻弄される大会となった。その様な中、日曜日は1,375名のファンが次々に繰り広げられるレースを楽しんだ。

今シーズンの全日本には、Team SBEから福村 鎌がRM-Z250でIA2クラスに参戦する。日曜日に行われた第3戦、タイムアタック予選を兼ねた公式練習走行で5周目にA組2番手タイムを叩き出した福村は、全体4番グリッドから決勝へと駒を進める。

ヒート1、イン寄りのグリッドからスタートした福村は、1コーナー進入で他車の転倒に巻き込まれてしまい、ほぼ最後尾からの再スタートを強いられる。2周目にはポイント圏内まで一気に順位を上げた福村だが、ここからは抜き所のないコースに手間取って思うようにペースを上げられず苦戦。なんとか活路を見出そうとするも、重い泥に阻まれて逆にミスを重ね、後半、福村は12位のポジションをキープしてチェッカーを受けた。

2連戦の最終レースとなったヒート2。福村はまたしても1コーナーで転倒に巻き込まれ後方からの追い上げを強いられる。このアクシデントで身体にもダメージを受けた福村だが、なんとか再スタートを果たすと先行するライダーを次々にパスし、4周目にはこのレース全体のベストタイムをマークして7番手まで順位を回復。しかし後半に入ると泥のしぶきで視界の確保が難しくなり、ゴーグル交換のためにピットインを強いられるなどしたためポジションを落としてしまい、辛うじてポイント圏内には停まったものの、福村は15位でこのレースを終える結果となった。