D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ 2024 第6戦 近畿大会は、近畿と中部・東海地区の境界にある奈良県山辺郡山添村の名阪スポーツランドで開催された。前戦北海道大会から実に2カ月半以上という長いインターバルを置いてのシーズン再開。会場の名阪スポーツランドは山間部に複数のロードサーキットとモトクロスコースを併せ持つ複合施設で、山砂が主体のモトクロスコースは、大小のジャンプとコーナーが連続する起伏に富んだテクニカルなレイアウトが特徴。1周の距離は短いが、今大会を前に可能な限りコース幅を拡張、観客エリアを整備するなどしたことから各クラス見応えのあるレースが展開された。天候は土曜日が晴れ。下り坂の予報が出された日曜日は、朝方纏まった雨が降ったが日中は時折小雨がパラつく程度で路面がウエットになることはなく、残暑による非常に蒸し暑い中でレースが行われた。9月の3連休、近畿・中部両方のエリアからアクセスしやすいこともあり、大会期間中は土日合わせ4,000人のファンが訪れ、コースサイドに陣取って間近に展開されるバトルを楽しんだ。

今シーズンの全日本には、Team SBEから福村 鎌がRM-Z250でIA2クラスに参戦。土曜日に行われた公式練習走行+タイムアタック予選でA組7番手のタイムをマークした福村は、全体の13番手で決勝に進出。迎えた決勝日、福村は朝一番の公式練習走行で全体2番手の好タイムをマーク。福村の地元である名古屋から最も近い会場ということもあり決勝での活躍が期待された。

迎えた決勝ヒート1、ゲートダウンと同時にまずまずのスタートダッシュを見せた福村だったが、1コーナー進入時にイン側で数台の転倒があり、完全にラインを塞がれた福村はほぼ最後尾からの追い上げを強いられる。オープニングラップ、激しい追い上げで21番手まで一気に順位を回復した福村は、6周目には13番手までポジションを上げる。ここからチャンスを伺った福村は、17周目に2台をパスして11番手で最後にトップ10を狙ったが、あと一歩手が届かず11位でチェッカーを受けた。

続く決勝ヒート2、スタートで隣のライダーと接触があり、またしても最後尾からの追い上げとなった福村は、ヒート1に続いて鋭い追い上げを見せたが、3周目に荒れた路面でバランスを崩し激しく転倒。なんとか再スタートした福村だったが、マシンと身体に大きなダメージを受けたためレース続行を断念しピットインして、そのまま無念のリタイアとなる。ヒート1で5ポイントを獲得した福村は総合15位、暫定ポイントランキング12番手で地元大会を終えることとなった。