D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ 2023 第5戦 北海道大会は、新千歳空港最寄りのインターチェンジから僅か数分の距離にある新千歳モーターランド ダート・モトクロスコースで開催された。北海道で全日本選手権が開催されるのは2014年以来で実に10年振りとなった今大会は、日曜日のみの1日開催。全道選手権との併催でIAクラスのみを行い、予選はタイムアタック方式、決勝も25分＋1周と15分＋1周のスプリント2ヒート制という変則ルールが採用された。コースは軽石状の火山灰が堆積したザクザクした土質が最大の特徴。10年前と比較してかなり固く締まりはしたものの、十分なコース幅と緩やかなアップダウンの中で大小のジャンプを組み合わせた北海道ならではのレイアウトは、本場ヨーロッパのグランプリコースを彷彿とさせる。北海道も猛暑に見舞われた真夏の開催ではあったが、日曜日は曇りがちで時折小雨が降るやや蒸し暑い天候となった。久し振りの全日本選手権開催で、しかも地元ライダーが多数出場するとあって、多くの観客がコースを取り囲むようにして見応えのあるレースを見守った。

今シーズンは、Team SBEから星野 裕がRM-Z450でIA1クラスに、福村 鎌がRM-Z250でIA2クラスに参戦。タイムアタック予選で14番手のタイムをマークした星野はヒート1、スタートでの出遅れを挽回しポイント圏内までポジションを上げるも後半ミスを重ねて18位。ヒート2もオープニングラップ17番手と再び追い上げのレースとなった星野は、前半4台をパスして13番手まで順位を上げるも、レース時間が短かったこともあり、そのポジションのままでチェッカーを受けた。

一方、予選で11番手タイムをマークした福村は、迎えたヒート1で鮮やかなスタートを決めトップグループに割って入ると、全体で5番手のベストタイムをマークし上位で激しいバトルを展開。一時は2番手に浮上するなど切れのある走りを見せた福村は、レースが終盤に差しかかる11周目まで5番手をキープするも、入賞圏内をキープしようとしたところで痛恨の転倒を喫してしまう。再スタートに大きく手間取った福村は、なんとかレース復帰こそ果たしたもののトップとは周回遅れの26位でチェッカーを受けた。ヒート2の福村は、スタートで他車と接触し大きく出遅れてしまうが、ほぼ最後尾から懸命の走りで挽回し、20分に満たないレース時間の中で20台近くをパスし10位でフィニッシュした。