D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ 2023 第7戦 HSR九州大会は、熊本県菊池郡大津町のHSR九州オフロードコースで開催された。同会場での開催は4月の開幕戦に続き今季2回目。今回はIAクラスのみの1日開催となり、レースフォーマットも初の20分＋1周の2ヒートに加え、IA1とIA2の上位15台ずつが混走で直接対決するIA OPENクラスがヒート3として実施された。阿蘇の火山灰が堆積した黒土の比較的フラットなコースは、今回IAのみが走行することもあり、ジャンプの角度や大きさなどを難易度の高い見応えのあるレイアウトに変更。またコース内の数カ所に大量の山砂を搬入し、路面にも変化を持たせて大会を迎えた。しかし大会当日は、夜半降り始めた雨が一時小止みにあることはあったものの終日降り続き、レースが進行すると共に路面状況は悪化、特に午後のレースは、今シーズン初めてのマディコンディションで行われた。生憎の天候、肌寒い中846名の熱心なファンが訪れ、国内トップクラスのライダーによるレースを楽しんだ。

今シーズンの全日本には、Team SBEから星野 裕がRM-Z450でIA1クラスに、福村 鎌がRM-Z250でIA2クラスに参戦。タイムアタック予選を兼ねた朝の公式練習走行で星野は、全体の11番手タイムをマーク。決勝ではスタートが決まらず中盤の混戦の中でバトルを繰り広げた星野は、両ヒートともシングルポジションを目指したが、荒れたコンディションの中でリズムを掴むことが出来ず、終盤にはミスを犯すなど苦戦を強いられたが、粘り強い走りでヒート1が12位、ヒート2は15位となり両ヒートでポイントを獲得。総合14位でファイナルヒートに進んだが、30台フルグリッドによる15分＋1周のスプリントレースではスタートの出遅れが響き23位でポイントの獲得はならなかった。

一方、タイムアタック予選8番手で決勝に駒を進めた福村だったが、その際ジャンプでバランスを崩し、転倒こそ免れたものの着地の衝撃で身体にダメージを負ってしまう。それでも福村は、ヒート1で6位争いを繰り広げるなど健闘を見せたが、このヒートは終盤にエンストを喫して9位。ヒート2はペースを維持することが出来ずに19位と苦戦。総合13位でファイナルヒート進出を果たした福村は、IA1クラスとの混走でポイント獲得を目指したが、体調不良で思うような走りが出来ず、危険を察知したため自らの判断でレース続行を断念して、27位でレースを終えた。