D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ 2023 第8戦 関東大会 埼玉トヨペットCUPは、埼玉県川越、上尾の両市に跨がるウエストポイント・オフロードヴィレッジで開催された。同会場での全日本開催は5月の第2戦に続き今季2度目。荒川の河川敷に広がるコースは高低差こそ少ないものの、大小のジャンプやコーナーが数多く配されたテクニカルなレイアウトが特徴。大会期間中は土曜日の早朝に激しい雷雨に見舞われ、日曜日も朝方小雨が降ったが、タイムスケジュールの変更や入念なコース整備を施したことで、マディから徐々にドライへと推移するある意味ベストなコンディションでレースが行われた。首都圏での開催、海外選手のスポット参戦などもあり大会期間中は4,400名の観客が訪れ、随所で繰り広げられる激しいバトルを楽しんだ。

今シーズンの全日本には、Team SBEから星野 裕がRM-Z450でIA1クラスに、福村 鎌がRM-Z250でIA2クラスに参戦。しかしIA1の星野は、この大会に備えた事前練習で転倒負傷してしまい残念ながら欠場となった。

土曜日に行われた予選をB組5番手で通過し9番グリッドから決勝に進んだ福村は、日曜日朝の公式練習走行でトップ差1秒以下の全体4番手タイムをマークし好調をアピール。15分＋1周×3ヒートのトリプルヒート制で行われた今大会の決勝ヒート1。5～6番手で1コーナーをクリアした福村は、続く2～3コーナーを上手く捌いて一気にトップに浮上。4周目までレースリードした福村は、後半に入り順位を落とすも表彰台を目指し最後まで力走を見せる。終盤再びペースを上げて逆転を狙った福村は、表彰台にはあと一歩及ばなかったものの今季自己ベストの4位でチェッカーを受けた。

スタートで集団に飲み込まれ、混戦の中からの追い上げを強いられたヒート2。福村は確実に順位を上げて8位でフィニッシュ。同様のスタート展開となったヒート3、序盤からペースを上げトップ集団の後方に食らいついた福村だったが、入賞圏内を争うバトルの中で2周目に痛恨の転倒を喫してしまう。焦りからか、再スタートした直後に転倒を繰り返した福村は、大きく順位を落とし、そこから懸命の走りを見せるも限られたレース時間内での挽回は難しく、完走こそ果たしたものの20位という悔しい結果となる。大会総合で福村は9位の結果を残し、暫定ランキングは14番手のまま2週間後に行われる最終戦MFJ-GPモトクロス大会に挑むことになった。