D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ 2023 第6戦 近畿大会は、1カ月以上の夏のインターバルを経て奈良県山辺郡山添村にある名阪スポーツランドで開催された。会場の名阪スポーツランドは、複数のロードサーキットとモトクロスコースを併せ持つ複合施設で、モトクロスコースは山砂主体のサンド路面と変化に富んだテクニカルなレイアウトが特徴。紀伊半島を横断して名古屋と大阪を結ぶ国道25号線沿いに位置するため、中部と近畿圏の双方からアクセスがし易く、土日合わせ2,050名の観客が訪れた。天候は土曜日が快晴、日曜日は午後になって雨雲が広がり一時雨が降ったが、サンド主体の路面コンディションにはさほど影響がなく、残暑の下での大会となった。

今シーズンの全日本には、Team SBEから星野 裕がRM-Z450でIA1クラスに、福村 鎌がRM-Z250でIA2クラスに参戦。土曜日の予選11番手から決勝に臨んだ星野は、ヒート1でまずまずのスタートを決めると7～8番手を争いながらオープニングラップをクリア。激しい攻防の中で中盤に10番手までポジションを落とした星野は、後半盛り返し再び8番手まで順位を上げたが、終盤に1台の先行を許し9位でフィニッシュする。続くヒート2、星野はホールショットこそ逃したものの、抜群の好スタートを決めオープニングラップを5番手でクリアする。レース前半、星野は上位でバトルを繰り広げシングルポジションをキープ。後半になって11番手まで順位を下げた星野だったが、一旦は抜かれた相手を終盤抜き返し10位でチェッカーを受け総合でも10位の成績を残した。

一方、予選A組5番手となり9番グリッドから決勝に進んだ福村は、ヒート1ではスタートで大きく出遅れてしまい、ほぼ最後尾からの追い上げを強いられる。しかし福村にとっては地元で得意とするコース。果敢な攻めの走りをした福村は、先行するライダーを次々パスし、レース中盤までにシングルポジションまで挽回すると、追撃の手を緩めることなく攻め続け、終盤さらに1台のパスに成功して8位でチェッカーを受けた。ヒート2もスタートが決まらず、2周目には混戦の中で転倒を喫するなど再び後方からの追い上げを強いられた福村は、ヒート1同様に鋭い追い上げを見せてレース中盤にはポイント圏内まで順位を上げるが、11周目に再び痛恨の転倒をしてしまう。再スタート後にマシン修復のためにピットに入りレースに復帰した福村だったが、身体にもダメージを受けたためにペースを上げることが出来ず継続を断念。周回数で完走扱いにはなったが、このヒートは24位という結果になり総合13位でこの大会を終えた。