今季最終戦となる第61回MFJ-GP モトクロス大会 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2023 第9戦は、宮城県柴田郡村田町のスポーツランドSUGOインターナショナルモトクロスコースで開催された。会場のスポーツランドSUGOインターナショナルモトクロスコースは、大坂と呼ばれる急勾配の上りを始め、アップダウンや大小のジャンプ、コーナーが連なる日本有数のダイナミックコース。大会期間中は土曜日が晴れ、日曜日は朝から雲が立ち込め雨や雪の予報が出ていたが、幸いレース終了まで降ることはなく、2日間を通してベストの路面コンディションが保たれた。初冬を思わせる肌寒い中での観戦にも関わらず、土日合わせて3,200名の熱心なファンが訪れ今シーズン最後のレースを楽しんだ。

今シーズンの全日本には、Team SBEから星野 裕がRM-Z450でIA1クラスに、福村 鎌がRM-Z250でIA2クラスに参戦。しかしIA1の星野は、前回関東大会前の事前練習で怪我を負ったため、大事を取って今大会も欠場となった。

土曜日に行われた予選。IA2クラスB組のベストタイムをマークし同組4番手となり、7番グリッドから決勝に臨むことになった福村は、日曜日朝の公式練習走行で全体3番手のタイムをマークし存在を大きくアピール。日没時の西日による危険性を考慮して、通常よりレース時間が5分短縮された25分+1周の2ヒート制で行われた決勝。ヒート1で好スタートを決めた福村は、オープニングラップを3番手でクリアすると、激しいトップ争いの中で2周目に2つポジションを落とすも、すぐに挽回して4周目には2番手に浮上する。前半トップをピタリとマークしプレッシャーをかけ続けた福村は、レース中盤にチャンピオンとなったビクトル・アロンソ（ヤマハ）の先行を許すも、後半も表彰台圏内の3番手をしっかりとキープして3位でフィニッシュ。シリーズ最終戦で自身初となる表彰台登壇を果たした。

続くヒート2、ホールショットこそ逃したものの、またしても抜群のスタートを決めた福村は、このヒートもトップ争いに加わりオープニングラップを4番手でクリアする。2周目、再びアロンソの先行を許した福村は、5番手を死守しながら周回を重ね、中盤ひとつ順位を落としたもののすぐに抜き返すと後続の追撃を振り切って5位でチェッカーを受ける。この結果、福村は大会総合4位となり、こちらも自己ベストを大幅に更新する快心のレースでシーズンを締めくくった。