SUZUKI RACING REPORT
スズキレーシングレポート
全日本ロードレース選手権 レースレポート
2023年8月19日-8月20日
2023 全日本ロードレース選手権 第5戦 もてぎ2&4レース
モビリティリゾートもてぎ(栃木県)
AutoRace Ube Racing Team津田拓也、2016年以来のポールポジション獲得。決勝は3位表彰台を獲得。
2023 全日本ロードレース選手権
ROUND04 06.18 筑波サーキット
2023 鈴鹿8耐 スペシャルサイト
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8月19日(土)、20日(日)に栃木県・モビリティリゾートもてぎで、全日本ロードレース選手権シリーズ 第5戦 もてぎ2&4レースが開催された。今回は2&4スタイルのため、開催クラスはJSB1000クラスのみで、このレースにスズキ勢からは、YOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの亀井 雄大、AutoRace Ube Racing Teamの津田 拓也の二人が参戦した。

鈴鹿8耐から2週間後の開催。津田は事前テスト、決勝とマシンに乗り込んだいわゆる乗れている状態でもてぎ入り。一方の亀井は鈴鹿8耐に出場しなかったが、チームのGSX-R1000RをEWCレギュラーライダーがどのようにセットアップするのか、どのような問題点を指摘するのかチームスタッフとしてサポートをしてきた。

初日、1本目のフリー走行では、30℃後半の気温と50℃を超える路面温度に手こずるライダーが多い中、二人は着実にタイムアップを図っていき、津田が2番手、亀井が4番手に付ける。午後のセッションで津田は1'49.270と48秒台が見えるところまでタイムアップ。亀井はセッション終盤に1'49.767をマークして3番手と好位置に付けた。

土曜日は午後1時50分から40分間の計時予選が行われた。前日同様、土曜日も30℃を超える気温と湿度が高いことから、汗が噴き出る暑さの下でのセッションとなった。津田は早めにタイムアップしていき、8周目に1'48.867のタイムを出してトップに立つ。セッション終盤は津田のタイムがライバル勢にとってターゲットタイムとなったが、結局は誰も更新出来ず、津田にとって2016年最終戦以来のポールポジション獲得となった。また亀井も連続ラップする中で、14周目に1'49.467のタイムをマークして5番手となった。

日曜日の午後0時35分に決勝がスタート。津田は真っ先に1コーナーへ飛び込んだが、ややオーバースピードだったためラインを外し4番手に。亀井は7番手あたりで2コーナーを立ち上がる。2周目に入ったところで、接触によって1台が1コーナーで転倒。このため赤旗が提示され、レースは仕切り直しとなった。

20周のレースは16周に減算され、再スタート。津田は1回目のスタートミスを修正し、ホールショットを決める。2周目に入っても津田はレースをリードするが、130R立ち上がりで中須賀克行選手(ヤマハ)にパスされ2番手に。しかしペース的には津田もまだ余裕があることから、中須賀の背後にピタリと付け、もう一度トップを奪い返そうと狙う。8周目には水野 涼選手(ホンダ)が津田を交わし、津田は3番手へ。さらに津田は岡本裕生選手(ヤマハ)にもパスされ、4番手へ。しかし12周目に岡本選手が水野選手のリアタイヤに接触して転倒し、津田は3位へ浮上。そのままゴールした。また亀井は終盤になって5位の座を賭け、名越哲平選手(ホンダ)と一騎打ちとなり、ラストラップはコーナー毎に入れ替わるドッグファイトを展開。90度コーナーまで前で走行したがここでパスされ、6位でチェッカーとなった。

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN No.5 亀井 雄大
(JSB1000クラス 予選5番手・決勝6位)
「チームとしてEWCチームのためのマシン開発という大きな仕事があるので、EWCシリーズの中で使っているセットアップを全日本でも使うということが基本的なところにあることから、自分好みの状態に持っていくことが良いのかどうかという判断をしながらのシーズンとなっています。そのために今回も、金曜日1本目はEWC仕様で何もいじらずに走り、2本目からこのコンディションに合わせてセットアップを進めました。自分だけのことを考えれば1本目の走行から具体的なセットアップをしていきたいところですが、そうしたチームの方針もあるため、難しいところです。でもチームも鈴鹿8耐で、自分が指摘していた課題がEWCレギュラーライダーからも出ていたため、その解決を図るという点からも、自分のセットアップを進める方向で動いてくれているので、さらにその方向で進められればと思っています。そうしたセットアップの関係から、決勝は苦しい展開となってしまいました。ラストラップまで5位を掛けたバトルとなりましたが、その位置ではなくトップを争うバトルに早く加わりたいですね。次戦オートポリスは事前テストもありますし、さらに自分のセットアップを進めてマシンのポテンシャルを上げ、EWCチームにもさらに貢献出来るようにしたいと思います。」

AutoRace Ube Racing Team No.37 津田 拓也
(JSB1000クラス 予選1番手・決勝3位)
「我々はJSB1000クラス参戦1年目のチームなので、この暑さの中でのもてぎのデータがありません。あるのは4月の開幕戦時のデータのみ。そのデータしかないので、それをベースに、レースウイーク中のセッションを使いながらこの暑さへの対応をしていきました。とは言え、使えるものも限られているので、バイクはほとんどいじらず、コンディションへの慣れを重視し、走り込みをしました。タイヤ自体も開幕戦に使った仕様で、本当はもっと硬めのタイヤを使いたかったのですがチームにそのデータがないので使えず、ソフト系のタイヤとなりました。決勝もそのタイヤだったので、自分が出来るのはレース序盤でのプッシュで、それが序盤はうまくいき、トップに立つことも出来ましたし、そこは良かったですね。レース中盤から終盤になって苦しくなるのは分かっていたので、そこも想定内です。棚ぼたではありましたが、3位表彰台を獲得できたのはチームにとっても大きな励みとなります。また現在、このクラスの絶対王者として君臨している中須賀さんをずっと視界に入れながらレース終盤まで走れたことも、大きな収穫です。何が足りていて、足りないのか。一緒に決勝を走ることで分かったことがあるので、それは大きいですね。次のオートポリスは事前テストがありますし、そこでしっかりデータを獲り、決勝へ向けてしっかりと準備していきたいと思います。久しぶりにポールポジションも獲れましたし、苦しかったけど楽しいレースウイークとなりました。」

第5戦 もてぎ2&4レース JSB1000 決勝結果(16Laps)
順位No.ライダーチーム名メーカータイム/トップ差
11中須賀 克行YAMAHA FACTORY RACING TEAMYAMAHA29'21.257
236水野 涼Astemo Honda Dream SI RacingHONDA+2.397
337津田 拓也AutoRace Ube Racing TeamSUZUKI+5.811
44作本 輝介AstemoHondaDreamSIRacingHONDA+11.122
515名越 哲平SDG Honda RacingHONDA+16.369
65亀井 雄大YOSHIMURA SUZUKI RIDEWINSUZUKI+16.447
77岩田 悟Team ATJHONDA+21.708
810清成 龍一TOHO RacingHONDA+23.946
912秋吉 耕佑MurayamaUnso.Honda Dream.K.WHONDA+29.127
1017児玉 勇太Team KodamaYAMAHA+31.581
1135杉山 優輝Sofukai Honda Suzuka RTHONDA+36.145
1238伊藤 和輝Honda Dream RT SAKURAI HONDAHONDA+36.500
139関口 太郎SANMEI Team TARO PLUSONEBMW+41.036
1422星野 知也TONE RT SYNCEDGE4413 BMWBMW+57.880
1511柳川 明KRP SANYOUKOUGYO RSITOHKAWASAKI+58.580
1614中冨 伸一WaveinnRYAMAHA+1'19.034
1727新庄 雅浩Team TATARA apriliaAPRILIA+1'28.540
1840須貝 義行TEAM SUGAI RACING JAPANHONDA+1'36.454
DNF3岡本 裕生YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2YAMAHA5 Laps
DNS13津田 一磨Team BabyFaceYAMAHA-
DNS32谷本 音虹郎Team TATARA apriliaAPRILIA-