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2026 FIM世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第47回大会
2026年5月12日(火)・13日(水) 鈴鹿サーキット主催 特別スポーツ走行 "Suzuka Test Session"
鈴鹿8耐 事前テストレポート
5月中旬に開催された鈴鹿8耐公式テストで、スズキ勢は順調にセットアップを進める
今年で47回目を迎える「2026 FIM世界耐久選手権 “コカ・コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース」(7月3日〜5日開催)の公式テストが、5月12日、13日の2日間、鈴鹿サーキットで行われた。テストには、世界耐久選手権(EWC)のレギュラーチームとスポット参戦チームなど合わせて39チーム68台が参加。走行は、A、Bの2グループに分かれ、12日はそれぞれ3回の走行で計185分間と、午後6時30分から7時30分までの1時間の夜間走行が行われた。2日目は、それぞれ2回、計170分間の走行を実施。本番に向けて各エントラントはマシン調整など準備を進めた。

天候に恵まれた2日間のテストは、両日とも最高気温が25℃前後。真夏の祭典に比べるとかなり涼しいコンディションとなったが、今季の優勝と表彰台獲得を狙うスズキ勢は、マシンのセットアップに取り組んだ。

スズキ勢は、GSX-R1000Rを駆り3チームが参戦する。今年で3年目を迎える実験的クラス「エクスペリメンタルクラス」にチームスズキCNチャレンジ(以下、CNチャレンジ)、EWCで2年ぶりのチャンピオン獲得を目指すヨシムラSERT Motul(以下、ヨシムラ)、長年スズキのプライベーターとして活躍する生形秀之率いるS-PULSE DREAM RACING SUZUKI(以下、エスパルス)が、昨年に続いて参戦する。

2024年、スズキは初の試みとして「エクスペリメンタルクラス」で鈴鹿8耐に参戦した。エティエンヌ・マッソン選手、濱原颯道選手、生形秀之選手を起用し、40%バイオ由来のサステナブル燃料や環境配慮型アイテムを組み込んだGSX-R1000Rで予選16番手を獲得。決勝ではトップから4周遅れの216周を走破し、8位でフィニッシュした。

2年目の2025年は、100%サステナブル燃料を採用するなど技術的挑戦をさらに推進。マッソン選手に加え、新たにアルベルト・アレナス選手、津田拓也選手を起用し、予選12番手。決勝では表彰台を狙える位置を走行していたものの、転倒などもあり33位。悔しい結果に終わったが、大きな進化を感じさせるレースとなった。

そして3年目を迎える今年は、3年連続参戦となるマッソン選手を中心に、2年目の津田拓也選手、新たに全日本ロードレースで好成績を残す水野涼選手を起用し、2日間のテストに臨んだ。結果は、どのセッションでもトップ5前後を走行。3選手ともに2分6秒台をマークし、さらなるレベルアップを印象づける2日間となった。

エクスペリメンタルクラス参戦初年度からプロジェクトリーダーを務める佐原伸一氏は、「純粋に速さを求めるのであれば、CNプロジェクトはハンディとまでは言わないけれど、決して有利になることはない。しかし、このプロジェクトの目的は、環境に配慮したものを使いながら性能を追求することにあり、実用化に向けても意外と近いところまで来ていると感じている。今年はこれまで積み重ねてきた成果を結果につなげたい」とコメント。その“結果”とは表彰台獲得であり、「不可能ではないところまで来ている」と自信を見せた。

スズキの「CNチャレンジ」は、燃料やタイヤだけではなく、ブレーキやカウルなど、バイクを構成するあらゆるパーツに及ぶ。そうしたパーツを製造するサプライヤーとの共同開発という波及効果にもつながっている。当初はスズキ1チームのみの参戦だったが、今年は「エクスペリメンタルクラス」に3チームが参加するなど、スズキのCNチャレンジはレースファンだけでなく、関係者からも大きな注目を集めている。

2021年にEWCへのフル参戦を開始し、これまで2度のシリーズチャンピオンを獲得しているヨシムラは、今季3度目のシリーズタイトル獲得を狙う。それだけに鈴鹿8耐は重要な一戦であり、今季はグレッグ・ブラック選手、ダン・リンフット選手のレギュラー陣に加え、鈴鹿8耐ではCNチャレンジから参戦するマッソン選手に代わり、渥美心選手が加わる。

12〜13日のテストでは、渥美選手が2分4秒台の好ラップを記録。トップタイム争いに加わり、大きな注目を集めた。「今回は自信を持って走れた。チームメイトも遜色ないタイムだった」と語り、優勝候補に浮上した。

今年は新型GSX-R1000Rで参戦する。加藤陽平チームディレクターは「今回のテストでは、良かった点も課題も両方あったが、例年に比べると優勝に近づいているという感触はある」と手応えを語り、新型GSX-R1000Rのデビューウインへの期待も高まる。

長年スズキのプライベーターとして活躍し、昨年に現役引退した生形秀之率いるエスパルスも、今年の鈴鹿8耐に挑戦する。今年は全日本ロードレースを戦う西村硝選手を起用。チームメイトは現在調整中だが、順調にセットアップを進めている。

今年は監督業に専念する生形チームマネージャーは、「今回は西村選手が2分5秒台に入れ、順調にセットアップを進めることができた。ここまで準備できたのはスズキのおかげ。今年は期待に応えたい」と語った。昨年は予選15位、決勝は残念ながらリタイアに終わったが、今年はCNチャレンジ、ヨシムラとともに優勝、表彰台を目指す。
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チームスズキCNチャレンジ 田村 耕二 チームマネージャーのコメント
「今年はバイクが新型となり、車体をはじめ、1年を通して開発を続けてきました。ここまでは大きなトラブルもなく順調に進んでいますが、正直なところ、まだ我々が狙っている領域には届いていません。今回の2日間で得たデータをしっかり分析し、本番へ向けて改善を進めていきたいと思っています。CNチャレンジは1年目から大きな注目を集めてきましたが、2年目、3年目となると、やはり結果が求められる立場になっています。1年目は完走して8位、2年目は表彰台が見える位置まで行きましたが、転倒もあり33位という結果でした。今年は表彰台獲得を目指しています。今年は3人とも実力あるライダーが揃い、我々にとって申し分ない布陣です。ライダーがしっかり実力を発揮できるバイクを作ることが我々の役割なので、エンジンパワーや操縦安定性など、まだ足りていない部分をさらに引き上げていきたいです。また、今年は新しいウイングを投入するなど、新たな試みにも取り組んでいます。全体のパッケージとしてレベルアップしていくことが現在の課題であり、その技術を量産車へフィードバックできればと思っています。このプロジェクトは社内の公募メンバーによって成り立っていますが、今年も半数が新しいメンバーです。さらに、バックグラウンドで支えてくれるスタッフも増えており、チーム全体の戦力は確実に上がっています。今年は一般のお客様やファンの皆さまに、我々の取り組みの成果をレース結果としてお見せしたいですね。」
チームスズキCNチャレンジ 津田 拓也選手のコメント
「カーボンニュートラルのタイヤや燃料を使用して走るという難しさはありますが、その中で通常レギュレーションのマシンに近いパフォーマンスを実現していくことが、我々のチャレンジです。普通のレースとは少し違いますが、だからこそやりがいがあります。ライダーとしては、やはり差を感じる部分もありますし、その中でレベルアップしていくことが重要だと思っています。今回のテストでは2分6秒台前半を記録することができました。2日間という短い時間だったので十分とは言えませんが、マシンとしても、自分自身の走りとしても、しっかりデータを蓄積できたと思います。僕自身、CNチャレンジは2年目ですが、昨年の予選タイムをすでに更新していますし、マシンも昨年以上に進化しています。本番では自分たちの強みをしっかり出したいですね。目標は表彰台、そして優勝です。もちろん簡単ではありませんが、昨年以上の手応えを感じています。」
チームスズキCNチャレンジ エティエンヌ・マッソン選手のコメント
「CNチャレンジは今年で3年目になりますが、2日間のテストを終えてまず感じたのは、これまで以上にパワーが出ているということです。今年は新型エンジンになり、非常にアグレッシブなバイクになったという印象を受けました。その分、乗り方には工夫が必要ですし、タイヤのパフォーマンスを引き出すためのスムーズなライディングや、タイヤマネジメントにより集中しなければなりません。ただ、全体的に大きく改善されていることを実感しています。普段乗っているヨシムラのマシンとは違い、サステナブル仕様のマシンということでフィーリングが異なる部分もありますが、毎年確実に進化していますし、十分に戦えるレベルまで来ていると感じています。今年はしっかり結果につなげたいですね。チーム全員が一丸となって取り組んでいますし、細かい部分までサポートしてくれているので、自分もベストを尽くしたいです。この2日間でマシンの進化をしっかり感じ取ることができました。あとは本番で結果を出すだけです。」
チームスズキCNチャレンジ 水野 涼選手のコメント
「まずは2日間のテストを無事に終えられて、ホッとしています。今回初めてスズキのバイクに乗りましたが、走り始めは普段レースで乗っているマシンとの違いにかなり戸惑いました。想像以上に違いが大きく、まるで別のバイクのように感じて、自分のライディングもうまくできませんでした。ただ、徐々に乗り方が分かってきて、一気にタイムを上げることができました。最終的にはチームメイトと近いタイムまで持っていくことができたと思います。走り始めは2分10秒台でしたし、今回は7秒台に入れられればいいかなと思っていましたが、最終的には6秒台までタイムを上げることができました。初日から比べれば順調に進められたと思います。今回は初めてサステナブルパーツを使用する経験でもあり、まだその良さを十分に引き出せていない部分もあります。今年はもともと鈴鹿8耐に出場する予定ではなかったので、こうして声をかけていただけたことは本当にうれしいです。チームの足を引っ張らないように、少しでも貢献できればと思っています。」