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Racing Report
2016年7月31日(日)
鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝
場所:三重県・鈴鹿サーキット

YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCEが3位表彰台獲得
ホールショットを#17清成が奪い、その後ろを#12津田が走る

決勝日は朝8時30分から45分間のフリー走行が設けられ、11時30分スタートの決勝に向けた最後のセットアップが行われる。朝から気持ち良く晴れ上がり、気温28℃、路面温度37℃と快適なコンディションの中でフリー走行がスタートした。

このセッションの最終的タイムは#12が2'09.341で5番手、#17が2'09.668で6番手、#1が2'10.943で15番手、#32が2'12.471で20番手だった。 

レースが定刻通り11時30分にスタート。絶妙の飛び出しを見せたのは#17清成だった。先頭で1コーナーに飛び込むと、そのまま後続を引き離し、2番手にコンマ5秒の差を付けてメインスタンド前に戻ってくる。また#12津田も2番手に上がり、スズキ勢がオープニングラップを1、2番手で通過する。清成はハイペースでラップし、そのままトップをキープするが、津田のペースが今一つ上がらず、3番手、さらに4番手と順位を下げていく。

スズキ勢に次々とアクシデント発生

18周目に2番手に付けていた#21中須賀が#17清成をパス。しかし清成はそのまま2番手をキープし、26周を終えたところでピットイン。加賀山にマシンを渡すが、スタンドのトラブルが出てしまってタイヤ交換に手間取り、1分30秒ほどロスしてしまい、順位を6番手まで下げてしまう。#12津田も26周してピットイン。ライダーはブルックスに変わり、3番手を走行する。

12時43分、#1アンソニーにストップ&ゴーペナルティが出される。ジャンプスタートをしてしまいイレギュラーのピットストップをし、30秒ロスしてしまう。

52周目に#17加賀山のペースが大きく遅れ、2分22秒台まで落ちる。ホイールのトラブルによってフロントタイヤの空気が抜け、緊急ピットインしてくる。これで順位を大きく落とし、さらに追い上げの展開を強いられる。

13時39分、#1ヴァンサン走行中にデグナー1個目立ち上がりで転倒。再スタートするが、リアタイヤはパンクしている。ゆっくりとピット戻ってきた直後、チームは驚異的スピードでマシンを修復。13時56分、転倒から約20分で#1はマシン修復を終え、コースにマシンを送り出す。その素早いピット作業に観客席から拍手が起きる。

徐々に順位を挽回するスズキ勢

76周目、スタートして2時間45分経過の14時15分に、2番手を走行していた#634のマシンがストップ。3番手を走っていた#12芳賀は自動的に2番手に、また5番手まで上がってきていた#32が4番手に、それぞれ浮上する。

ピットインのタイミングもあり、#12は3番手にポジションダウン。#12芳賀からマシンを受けとった津田が2分9秒台で前を追いかける。一時、その差を広げられるタイミングもあったが、徐々に津田はペースを戻すと102周目のヘアピンでパス。2番手にポジションを戻す。

また4番手まで順位を上げた#32だが、背後から#7ヤマハ、#01カワサキに追い上げられ、順位を入れ替えながら走行。

第5スティントから第6スティントとなり、前回のスティントでも接近戦を演じた#12芳賀と#87カワサキがまたしてもテールtoノーズになる。130Rでカワサキが前に出ると#12芳賀がシケインで抜き返し、次の周はシケインでカワサキが前に出ると、1コーナーで#12芳賀がインに飛び込んで前に。このバトルの中でカワサキのマシンは2分8秒台を出すが、#12芳賀も2分9秒0と驚異的ペースでラップ。緊迫したラップが続く。またその後ろでは、#01カワサキと#32青木が接近戦を展開。し烈な5番手争いが繰り広げられる。こちらのペースは2分12秒から13秒台。4時間を経過し、路面温度も下がっていく中で、上位陣のペースは上がり、ハイペースバトルとなっていく。

先に#87カワサキがピットインしたこともあり、#12芳賀は164周して2番手でピットイン。ここで順位は再び3番手となる。

終盤に激しい追い上げを見せる#17加賀山

着実に走り続けてきた#17が一桁台に順位を上げ、186周目には7番手に上がり、190周してピットイン。マシンを加賀山に託す。5番手争いは#17今野が安定したペースでラップしたことで#01カワサキを突き放し、単独でこのポジションを走行する。

残り30分。#12ブルックスが3番手、#32ウォーターズ5番手、#17加賀山7番手、#1ヴァンサンが26番手をそれぞれ走行し、ゴールを目指す。

ラスト5分となったところで、#17加賀山が2分11秒台でラップ。このため、前を走る#01カワサキとの差を詰めて212周目にパスし、6番手に上がる。5番手#32ウォーターズはその25秒ほど前を走る。

19時30分40秒にトップがチェッカー。#12ブルックス3位、#32ウォーターズ5位、#17加賀山6位、#1ヴァンサン23位でゴールした。


YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE 津田 拓也

「チーム一丸となって戦った結果が3位だったので、満足はできませんが納得しています。全日本の戦いの中で、もっとしっかり自分がバイクを作らなければいけないと痛感しました。来年どうなるか分かりませんができることならば、自分がしっかりといいバイクを造り、この二人に乗ってもらって優勝を目指したいです。」

YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE 芳賀 紀行

「自分のスティントでカワサキに離されてしまい、それが2位になれなかった原因だと感じています。そのロスを津田選手とジョシュ選手がカバーしてくれて、二人には本当に感謝しています。チャンスがあればまたこのチームでチャレンジしたいと思っています。」

YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE ジョシュ・ブルックス

「テストではソフトとハードのタイヤ選択があり、自分は二人とは違ってソフトを好んで使っていました。決勝でも最初のスティントはソフトを選択したのですが、路面温度がテスト、レースウイークよりも上がり、思うような性能を発揮させられませんでした。そのため、3回ほど転倒しそうになり、ペースを上げられませんでした。次のスティントではハードタイヤを装着し、最後はまたソフトにしたのですが、全体的にはチームに貢献できるような走りができず、申し訳ない気持ちです。」

MotoMap SUPPLY 今野 由寛

「この鈴鹿8耐をターゲットにして、全日本の鈴鹿2&4、SUGOとジョシュと参戦して準備してきたことが、うまく結果に繋げることができました。序盤は気温が想定以上に上がってしまい、我慢しなければいけない状況だったのですが、とにかく我慢するところは我慢しようと決めていたので、うまくこなせました。路面温度が下がってきたあたりでは作ってきたバイクとタイヤがうまく性能を発揮してくれて、そこでペースを上げることができたのが結果に繋がったのだと思います。たくさんの方に協力していただき、本当に感謝しています。」

MotoMap SUPPLY 青木 宣篤

「去年の8耐が終わったところからいろいろ準備をして、それがうまく結果に繋がったのかな、って感じています。決勝は苦しい時間帯もあったのですが、我慢してそれをクリアできたのも、バイクとタイヤをしっかりと作ってきたからだと思います。」

MotoMap SUPPLY ジョシュ・ウォーターズ

「最高のチームで、本当に楽しいレースをすることができました。今野さんと青木さんがいろいろサポートしてくれて、自分が走ることに専念できて、とても感謝しています。チームも最高の雰囲気で、本当に楽しいレースウイークでした。ありがとう!」

Team KAGAYAMA 加賀山 就臣

「表彰台に上れなかったのは本当に残念です。メカニック、チームスタッフ、ライダーの能力を考えれば、2位表彰台には上れたと思います。トラブルが続いて心が折れそうになりましたが、ライダーで話し合い、最後まで望みを捨てずに全力でチャレンジしようと決めて、最後まで走り抜きました。結果的に6位になれたのは、途中で諦めなかったからで、それを支えてくれたのは応援してくれている方々、スポンサーの皆さんの存在でした。ありがとうございました。」

Team KAGAYAMA 清成 龍一

「このチームで戦うと決めてから、常に全力で走ることを考えてきました。スタートライダーと言われてからは、とにかくホールショットを奪い、序盤はトップグループに加わることに集中しました。実際にそれを実行することができたのですが、トラブルが出てしまっては厳しい戦いになってしまいますよね。去年このチームで戦って、持っているポテンシャルはこんなものではないと痛感し、それを今年のレースで証明することはできたと思います。でもトラブルでしっかりと結果を出すことができなかったので、チャンスがもらえるなら来年こそは絶対に勝ちたいです。」

Team KAGAYAMA 浦本 修充

「もう少し高いアベレージを刻み、チームに貢献できる走りをしたかったのですが、それができずじまいで、不完全燃焼です。何もできませんでした。ただその中でもチームの足を引っ張るようなことだけはしなかったので、最低限の仕事だけはできたかなって感じています。テスト、レースウイークと先輩二人の走りを間近で見て、たくさん学んだことがあるので、今後のレースにそれを活かし、恩返しにしたいと思います。」

SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM ヴァンサン・フィリップ

「ペナルティを受けたり、目の前をゆっくり横切るようなライダーを避けようとしたら転倒してしまったりと、何も良いことのないレースでした。それでもとにかくポイントを取ろうと頑張ったのですが、思うような結果が得られず、本当に残念です。でもシリーズは未だ残っていますので、気持ちを切り替えて次のレースに向けて準備します。」

SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM アンソニー・デラール

「テスト、レースウイーク通じて経験したことのない暑さ、路面温度になり、本当に大変なレースでした。不運なアクシデントにも見舞われてしまいましたが、とにかくその中で1ポイントでも獲得しようと最後までトライしました。本当に難しいレースでした。」

SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM エティエンヌ・マッソン

「とても厳しいレースでした。レースはヴァンサンに負担をかけるレースになってしまいました。自分はまだまだ経験不足であることを痛感しましたし、もっと成長して二人を助けられるようにしたいと思います。」

決勝結果
順位ゼッケンチーム名ライダー周回数タイム
312YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE津田拓也
ジョシュ・ブルックス
芳賀紀行
2178:00'42.696
532MotoMap SUPPLY今野由寛
ジョシュ・ウォーターズ
青木宣篤
2148:02'36.027
617チームカガヤマ加賀山就臣
清成龍一
浦本修充
2138:00'43.266
122TEAM R2CLAaron MORRIS
Sebastien SUCHET
2108:02'01.628
1950TEAM APRIL
MOTO MOTORS EVENTS
Gregg BLACK
Gregory FASTRE
Alexander CUDLIN
2088:01'53.715
231SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMヴァンサン・フィリップ
アンソニー・デラール
エティエンヌ・マッソン
2058:01'11.093
3320KMII Z-TECH和田憲史郎
川瀬和希
福山京太
1998:01'46.425
3729DOG HOUSE & ADVANCE MC
with ガレージ新美
岩谷圭太
尾崎和久
池田貴彦
1948:02'02.962
3927TransMapレーシング with
ロジスティックカンパニーズ
大石正彦
木佐森大介
小田茂昇
1918:02'22.751
4010TOPS LIFE &
Garage KENZ f/ SBS KIDANI
行方知基
今村和典
久米田研志郎
1918:02'40.119
4831浜松チームタイタン伊賀並洋平
武田数馬
1798:01'58.271