2022 FIM 世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会
2022年8月5日(金)
予選レポート
雨に翻弄された鈴鹿8耐予選。S-PULSE DREAM RACING・ITECが13番手、ヨシムラ SERT Motulが22番手。
SSTクラスではTERAMOTO@J-TRIP Racingがクラス5番手を獲得。
SSTクラスではTERAMOTO@J-TRIP Racingがクラス5番手を獲得。
3年ぶりの開催となるコカ・コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレースは、2022 FIM世界耐久選手権の第3戦に位置づけられている。43回目を迎えた今大会は8月第一週の開催となり、また、ウィークの火曜日と水曜日にも合同テストが組み込まれ、8月7日決勝に向けて各チームがセットアップを進めた。
そんななか、FIM 世界耐久選手権(EWC)のディフェンディングチャンピオンであり、現在もポイントランキングリーダーであるヨシムラ SERT Motul(以下ヨシムラSERT)には試練が訪れる。まず、第2ライダーとして登録されていたザビエル・シメオンが新型コロナウィルスのPCR検査で陽性となってしまい、日本へ入国することが出来なくなってしまう。それにより、リザーブライダーとなっていたグレッグ・ブラックが参戦することとなった。また、過去数年に渡りヨシムラSERTから参戦し、スズキのMotoGPマシン開発ライダーでもある、シルバン・ギントーリが火曜日のテスト走行で転倒し、左手を負傷。大きな怪我ではなかったものの、ベストなパフォーマンスが出来ない可能性とともに、翌月行われる最終戦ボルドール24時間に照準を定め、参戦を見合わせることとなったため、ヨシムラSERTはライダー2人でレースを戦わなくてはならなくなってしまう。
金曜日は午前8時10分から2時間のフリープラクティスセッションが実施され、午後の公式予選に向けて最終調整が行われた。
公式予選はブルー(第1ライダー)、イエロー(第2ライダー)、レッド(第3ライダー)の順番で各20分のセッションが2回ずつ行われ、各チーム上位2台のベストタイムの平均ラップタイムで予選順位が決定される。ここで確定するのはグリット11番以降で、トップ10に入れば土曜日に開催される「トップ10トライアル」に出場することが可能。ライダー自身のアピールの場となるとともに、クリアラップでさらなるジャンプアップを狙えるステージとなるため、各ライダー気合が入る。
12時10分より開始された1回目の予選では、気温30度、路面温度が38度と、比較的良好なコンディションからのスタートとなった。
S-PULSE DREAM RACING・ITEC(以下エスパルス)の第1ライダー、生形秀之はコースイン直後にエンジンがストップ。そのままタイム計測が出来ないかと思われたが、Tカーで再出走。2分08秒524を記録してセッション16番手。改造範囲が狭いSSTクラスに参戦するTERAMOTO@J-TRIP Racing(以下TERAMOTO)の寺本幸司が2分10秒996を記録してセッション24番手でSSTクラス4位。同じくSSTクラスに参戦するスズキの社内チーム、浜松チームタイタン(以下タイタン)は武田数馬が2分13秒525で36番手、クラス9番手となった。なお、ヨシムラSERTはシルバン・ギントーリが走る予定だったが、走行をキャンセルしてノータイムとなった。
第2ライダーのタイムアタックではヨシムラSERTのグレッグ・ブラックが2分7秒363で総合8番手。エスパルスの渥美心が2分8秒796で13番手。今回が引退レースとなるTERAMOTOのレジェンド青木宣篤は2分12秒451で27番手、SSTクラス5番手。タイタンの屋代原野が2分13秒584で走行33番手、SSTクラス9番手となった。
ブルー、イエローの走行時間、コースコンディションは悪くなかったが、レッドの走行時間になると西コースから雨が振り始める。瞬く間に路面はウェットとなり、多くのライダーがアタックを取りやめ、2本目にその照準を定めた。
15時50分から開始された2回目の予選は多くのライダーが1回目のタイムを超えることなく終了。イエロー、レッドライダーの躍進が期待されたが、イエローの走行時間から雨が振り始め、タイム更新は難しいコンディションに。そのまま雨はレッドライダーの予選時間にも降り続くことに。アタックライダーをレッドに託したヨシムラSERTとエスパルスは雨に翻弄されることとなり、トップ10トライアル出場を逃すこととなった。
総合結果は各チーム上位2名のベストラップタイムの平均タイムが採用されるため、エスパルスが2分8秒660で13番手。ヨシムラSERTが2分9秒898で22番手。SSTクラスのTERAMOTOは2分11秒724で総合26番手、クラス5番手。タイタンは2分13秒555で総合37番手、クラス8番手を獲得した。ここから日曜日に行われる決勝での巻き返しを誓った。
そんななか、FIM 世界耐久選手権(EWC)のディフェンディングチャンピオンであり、現在もポイントランキングリーダーであるヨシムラ SERT Motul(以下ヨシムラSERT)には試練が訪れる。まず、第2ライダーとして登録されていたザビエル・シメオンが新型コロナウィルスのPCR検査で陽性となってしまい、日本へ入国することが出来なくなってしまう。それにより、リザーブライダーとなっていたグレッグ・ブラックが参戦することとなった。また、過去数年に渡りヨシムラSERTから参戦し、スズキのMotoGPマシン開発ライダーでもある、シルバン・ギントーリが火曜日のテスト走行で転倒し、左手を負傷。大きな怪我ではなかったものの、ベストなパフォーマンスが出来ない可能性とともに、翌月行われる最終戦ボルドール24時間に照準を定め、参戦を見合わせることとなったため、ヨシムラSERTはライダー2人でレースを戦わなくてはならなくなってしまう。
金曜日は午前8時10分から2時間のフリープラクティスセッションが実施され、午後の公式予選に向けて最終調整が行われた。
公式予選はブルー(第1ライダー)、イエロー(第2ライダー)、レッド(第3ライダー)の順番で各20分のセッションが2回ずつ行われ、各チーム上位2台のベストタイムの平均ラップタイムで予選順位が決定される。ここで確定するのはグリット11番以降で、トップ10に入れば土曜日に開催される「トップ10トライアル」に出場することが可能。ライダー自身のアピールの場となるとともに、クリアラップでさらなるジャンプアップを狙えるステージとなるため、各ライダー気合が入る。
12時10分より開始された1回目の予選では、気温30度、路面温度が38度と、比較的良好なコンディションからのスタートとなった。
S-PULSE DREAM RACING・ITEC(以下エスパルス)の第1ライダー、生形秀之はコースイン直後にエンジンがストップ。そのままタイム計測が出来ないかと思われたが、Tカーで再出走。2分08秒524を記録してセッション16番手。改造範囲が狭いSSTクラスに参戦するTERAMOTO@J-TRIP Racing(以下TERAMOTO)の寺本幸司が2分10秒996を記録してセッション24番手でSSTクラス4位。同じくSSTクラスに参戦するスズキの社内チーム、浜松チームタイタン(以下タイタン)は武田数馬が2分13秒525で36番手、クラス9番手となった。なお、ヨシムラSERTはシルバン・ギントーリが走る予定だったが、走行をキャンセルしてノータイムとなった。
第2ライダーのタイムアタックではヨシムラSERTのグレッグ・ブラックが2分7秒363で総合8番手。エスパルスの渥美心が2分8秒796で13番手。今回が引退レースとなるTERAMOTOのレジェンド青木宣篤は2分12秒451で27番手、SSTクラス5番手。タイタンの屋代原野が2分13秒584で走行33番手、SSTクラス9番手となった。
ブルー、イエローの走行時間、コースコンディションは悪くなかったが、レッドの走行時間になると西コースから雨が振り始める。瞬く間に路面はウェットとなり、多くのライダーがアタックを取りやめ、2本目にその照準を定めた。
15時50分から開始された2回目の予選は多くのライダーが1回目のタイムを超えることなく終了。イエロー、レッドライダーの躍進が期待されたが、イエローの走行時間から雨が振り始め、タイム更新は難しいコンディションに。そのまま雨はレッドライダーの予選時間にも降り続くことに。アタックライダーをレッドに託したヨシムラSERTとエスパルスは雨に翻弄されることとなり、トップ10トライアル出場を逃すこととなった。
総合結果は各チーム上位2名のベストラップタイムの平均タイムが採用されるため、エスパルスが2分8秒660で13番手。ヨシムラSERTが2分9秒898で22番手。SSTクラスのTERAMOTOは2分11秒724で総合26番手、クラス5番手。タイタンは2分13秒555で総合37番手、クラス8番手を獲得した。ここから日曜日に行われる決勝での巻き返しを誓った。
#1 ヨシムラ SERT Motul 加藤 陽平 チームディレクター
「マシンは決勝に向けて良い状態です。ドライもウェットもどんなコンディションでも準備は出来ています。ただ、ザビエルが来日出来なくなったり、シルバンが怪我をしたりと運がちょっとなかったですね。今日の予選でもアタックライダーを努める予定だった渡辺選手の走行時間は不安定なコンディションで実力を発揮出来ませんでした。とはいえ、これはどうしようもないことです。実力を反映した順位とは思っていませんが、気持ちを切り替えて決勝に向けて持っている力をしっかり出して8時間を戦っていきたいと思います。」
#1 ヨシムラ SERT Motul グレッグ・ブラック 選手
「予選は気持ち的にちょっと難しかったね。2人で戦わなければならないから、何かあったら大変だからね。ちょっとマージンを大きめに取ってしまったよ。それでも2分7秒3というタイムは悪くないよ。マシンはとても良い状態だし、ドライでもウェットでも良く走ってくれる。一樹の走行時間がアンラッキーだったから、トップ10に残れなかったのは残念だけど、チームの力がこんなものでないのは皆分かってくれていると思う。本当の力を決勝で発揮したいね。2人で戦うのは楽ではないけど、どんなコンディションでも問題ないよ。いや、厳しいコンディションのほうがむしろうちのチームにとってはチャンスかも知れない。世界チャンピオンを守るために全力で戦うよ。」
#1 ヨシムラ SERT Motul 渡辺 一樹 選手
「テストから振り返ってみると、ちょっと崩れていたバランスをこのウィークでしっかり修正出来たように感じます。マシンの完成度としては非常にポジティブで、良いタイムが刻める感触がありました。それだけに今日の予選は残念でしたが、逆にグリッドが後ろになったことで落ち着ける面もあるんじゃないかと前向きに捉えています。2人で走るのは厳しい面もあると思いますが、どんな状況でもベストを尽くしてやるしかありません。チームメイトの負傷等もあって流れが悪い面もありましたが、決勝はすべてを良い方向にかえていきたいですね。」
#95 S-PULSE DREAM RACING・ITEC 生形 秀之 選手
「1回目の予選ではコースイン直後にマシンがとまってしまって。その後Tカーで走ったのですが、あれはもったいなかったしいろんなものがちょっと噛み合わなかったですね。トップ10トライアルは狙っていたし、獲得出来るポジションにもいたと思うのですが、大事なのは決勝ということをもう一度思い出して集中していきたいと思います。久々の鈴鹿8耐ですが良い走りを見せたいです。応援宜しくお願いします。」
#95 S-PULSE DREAM RACING・ITEC 渥美 心 選手
「ウィークに入って灼熱の中たくさんテストさせてもらったので、ずいぶんとマシンに慣れることが出来ました。7月のテストでは2分10秒しか出せなかったものが、ロングランでも2分9秒で走れましたし、 決勝に向けてはポジティブです。あまりアタック走行は行っていなかったので予選では少し不安もあったのですが、2分8秒に入れることが出来てホッとしました。体力も含め、どんなコンディションでも良いペースで走れる自信がありますので、決勝が楽しみです。」
#95 S-PULSE DREAM RACING・ITEC 津田 拓也 選手
「なかなか運が味方してくれませんでしたね。テストまではとても順調で、マシンの仕上がりも良かったのですが。自分はタイムアタックを期待されていましたし、その手応えも感じていただけに、予選の2回とも天気に翻弄されてしまったのは残念でしたね。もう少し早くコースに出ていればとか、スリックタイヤで粘っていれば・・・という気持ちもありますが、仕方ありません。この気持ちを決勝に向けて良い走りをしたいと思います。」
#52 TERAMOTO@J-TRIP Racing 寺本 幸司 選手
「予選用にちょっと柔らかいタイヤを使ったのですが、自分なりにうまくまとめることが出来て、ウィーク中のベストを出せたのでそこは満足しています。決勝に向けてのマシンは良いところにきていると思うので、あとはチームで力を合わせて表彰台獲得を狙っていきたいです。」
#52 TERAMOTO@J-TRIP Racing 青木 宣篤 選手
「SSTクラスはタイヤ交換に時間がかかるので、あまり変えなくても良いようにロングランが必要なのですが、少しずつその感触に順応してきています。疲れ難く安定してアベレージタイムで走れるマシンのセットアップ。インフォメーションを感じやすいマシン造りですが、ある程度それは実現出来ています。体力は問題ないので、きっちり決勝を走り切りたいと思います。」
#52 TERAMOTO@J-TRIP Racing 津田 一磨 選手
「暑い中、ロングランも含めて順調でしたし、良いバイクが出来てきているのでそれを試してみたかったですね。予選の2回ともアタックすることすら出来ず、ちょっと不完全燃焼でした。レースをしている以上、こういったことはあるので仕方ないのですが、やっぱり残念です。とはいえ、大切なのは決勝です。気持ちを切り替えて頑張ります。」
#31 浜松チームタイタン 武田 数馬 選手
「個人的には狙っていたタイムが出せなかったのは残念でした。また、アタックをしてもらう予定だった村瀬選手の走行時間が天候に翻弄されてしまったのも不運でした。とはいえ、予選はまだまだ通過点です。決勝に向けて良いマシン造りは出来ていると思うので、しっかり気持ちを切り替えて決勝にのぞみたいと思います。」
#31 浜松チームタイタン 屋代 原野 選手
「このウィークで1000ccの走り方とか、タイヤの使い方をずいぶん学ぶことが出来ました。予選では自己ベストも出すことが出来ただけでなく、疲れにくい走り方もわかってきて、ライダーとしての成長が嬉しいです。決勝も楽しく走れそうです。チームの目標でもあるSSTクラス入賞の力になりたいです。」
#31 浜松チームタイタン 村瀬 健琉 選手
「予選は天候に翻弄されてしまいました。SSTクラスではタイヤ交換にも時間がかかるので、路面コンディションに対応したタイヤチョイスがすぐに出来ません。怪我の影響が思ったよりも長引いてしまったこともあり、無理して悪化させないようにリスクを避けたことで、狙ったような順位となりませんでした。怪我のこともあり決勝を走るかまだわかりませんが、浜松チームタイタンに加入してマシン造りのお手伝いが出来ていたならば嬉しいです。いずれにしても決勝はチームのために力になりたいです。」
RESULT
鈴鹿8時間耐久ロードレース 予選結果
順位 | ゼッケン | クラス | チーム名 | ライダー | マシン | 平均タイム |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | #33 | EWC | Team HRC | 長島 哲太 高橋 巧 イケル・レクオーナ | HONDA | 2'05.718 |
2 | #7 | EWC | YART - YAMAHA Official Team EWC | マービン・フリッツ ニッコロ・カネパ カレル・ハニカ | YAMAHA | 2'06.001 |
3 | #10 | EWC | Kawasaki Racing Team Suzuka 8H | レオン・ハスラム アレックス・ロウズ ジョナサン・レイ | KAWASAKI | 2'06.307 |
4 | #17 | EWC | Astemo Honda Dream SI Racing | 作本 輝介 渡辺 一馬 羽田 太河 | HONDA | 2'06.597 |
5 | #5 | EWC | F.C.C. TSR Honda France | ジョシュ・フック ジーノ・リア マイク・ディメリオ | HONDA | 2'07.033 |
6 | #37 | EWC | BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM | マーカス・レイターバーガー イリア・ミカルキク ジェレミー・グラハニ | BMW | 2'07.077 |
7 | #72 | EWC | Honda Dream RT SAKURAI HONDA | 濱原 颯道 日浦 大治朗 國井 勇輝 | HONDA | 2'07.239 |
8 | #73 | EWC | SDG Honda Racing | 名越 哲平 榎戸 育寛 浦本 修充 | HONDA | 2'07.287 |
9 | #25 | EWC | Honda Sofukai Suzuka Racing Team | 亀井 雄大 田所 隼 杉山 優輝 | HONDA | 2'07.595 |
10 | #2 | EWC | EVA RT 01 Webike TRICKSTAR | 大久保 光 佐野 優人 エルワン・ニゴン | KAWASAKI | 2'07.639 |
13 | #95 | EWC | S-PULSE DREAM RACING・ITEC | 生形 秀之 渥美 心 津田 拓也 | SUZUKI GSX-R1000R | 2'08.660 |
22 | #1 | EWC | ヨシムラ SERT Motul | グレッグ・ブラック 渡辺 一樹 | SUZUKI GSX-R1000R | 2'09.898 |
26 | #52 | SST | TERAMOTO@J-TRIP Racing | 寺本 幸司 青木 宣篤 津田 一磨 | SUZUKI GSX-R1000R | 2'11.724 |
34 | #27 | EWC | TransMapRacing with ACE CAFE | 大石 正彦 平野 ルナ 梶山 知輝 | SUZUKI GSX-R1000 | 2'12.951 |
37 | #31 | SST | 浜松チームタイタン | 武田 数馬 屋代 原野 村瀬 健琉 | SUZUKI GSX-R1000R | 2'13.555 |
40 | #99 | EWC | ADVANCEMC&FOCCLAYMORE EDGE with DOGHOUSE | 眞鍋 将弘 岩谷 圭太 左村 英祐 | SUZUKI GSX-R1000R | 2'13.928 |