#12 ヨシムラスズキMOTULレーシング 序盤の転倒から追い上げ7位でゴール
#1 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMはシリーズランキング2位を獲得
いよいよ決勝日を迎えた。快晴を期待したかったが、朝からどんよりとした雲が空を覆い、朝8時半からのウォームアップ走行は雨雲の行方を見守りながらスタートとなった。気温は26度、路面温度は28度とこの時期としては低め。
1周目を先頭でクリアしたのは#12。決勝での積極的な走りを期待させる。天気も心配されるが、開始して22分ほど経過した8時51分にピットロード入り口で転倒車両が出たことから赤旗中断となり、決勝での波乱を予感させる。鈴鹿サーキットには今回、世界の二輪レースを統括するFIMのスタッフが来ており、安全面への今まで以上の配慮がされていることが、レースウイークを通してこうした赤旗の多さからうかがい知れる。
8時58分にセッションが再開されたが直後に雨が強くなり、多くのライダーが走行を止めた。そんな中#1はレインタイヤを用意し、マシンをピットインさせてタイヤ交換。あらゆるレース状況へ対応できるよう準備を重ねている。結局、フルウエットになった状態でこのセッションは終了となった。#12は2番手に付け、#95が6番手、#71は11番手、#1は20番手でこのセッションを終えた。ウイークを通じて今一つタイムが上げられない印象の#1だが、全体的にスローペースなこのセッションでは自分たちで記録した予選並みの2分11秒台にタイムを入れており、高いアベレージで決勝が戦える状態になってきていることをうかがわせる。
その後雨は止み、路面はドライに。午前11時時点で気温28度、路面温度29度と、今一つ温度が上がらない。空はどんよりとした曇り。
そうしたコンディションの下でレースはスタート。#71ハフィスがうまく飛び出し、1周目を4番手でクリアする。期待の#12津田はスタートで出遅れてしまい、1周目を11番手で通過する。ポジションを大きく上げたい津田だったが、2周目のヘアピンで転倒を喫してしまい、すぐに再スタートしたものの、マシン修復のためピットに戻ってくる。結局、3周ほどロスして復帰。順位は60番手となったが時間はほぼ8時間あり、上位進出はまだ十分可能だ。
10周ほどしたあたりから西コースで小雨が降り出してしまい、ペースが全体的に落ちていく。東コースはドライだが、西コースが雨という難しいコンディションは、鈴鹿を走り慣れている日本人ライダーと対照的に、初の鈴鹿、初の8耐という#71ハフィスにとっては過酷なコンディションだ。しかし冷静に状況を判断しながら、上位陣と遜色のない2分11秒台から2分13秒台でラップし、上位に食らい付いていく。雨は本格的に降ることなく止み、再び路面はドライコンディションに。#71ハフィスは24周してピットイン。マシンを加賀山に託す。
ちょうどスタートから1時間経過した12時半にシケインでクラッシュが発生し、その対応のためにセーフティカーが入り、レースは中立状態に。たまたまルーティンでピットインしていた#1は、ピットアウト後のピット出口がクローズされ大きなタイムロスを負う事となった。この時点で#71が5番手、#03が6番手、#1は36番手、#95は53番手、#12は60番手。セーフティカーは10分間入り、12時40分にリスタートとなった。
スタートから2時間27分経過した13時57分、20番手まで挽回していた#1濱原がスプーンで転倒。すぐに再スタートし、ピットに戻ってくる。マシンを受けとったチームは僅か4分で修復し、ヴァンサンに交代してコースに送り出す。そのピット作業の速さに、観客席から拍手が送られた。
#71加賀山は27周してピットイン。マシンを再びハフィスに託す。また#12シルバンが28周してピットインした際にマイナートラブル対策をしたようで、やや長めのピット作業を強いられてしまったが、マシンを受けとった津田はその後安定して2分8秒から9秒台でラップし、順位を順調に上げていく。
3時間経過時の順位は#71が6番手、#03が12番手、#12が28番手、#1が30番手、#95が50番手。
4時間経過時は、#71が6番手、#03は10番手、#12が19番手まで順位を戻し、#1も26番手とアップ。#95も42番手と上げてきている。
16時34分に#72ハフィスが予定通り27周してピットイン。ところがピットにマシンを入れ、チームはカウルを外しだした。ペース的には安定していたのだがライトが点かず、その対応を強いられてしまったのだ。結局、5分ほどのピットストップでタイムロスしてしまい、加賀山がコースに戻ったときには18番手となっていた。
また5時間経過し、周囲が2分12秒から15秒台でラップするのに対し、#12津田やシルバンが2分9秒台で走り、順位を15番手まで上げてきた。
さらに#12ジョシュもハイペースでラップし、151周目には11番手までポジションを上げる。前後のライダーが2分14秒や15秒台に対し、ジョシュは2分9秒台のため、その差は一気に詰まり、161周目には10番手にアップする。
ラスト38分となる午後6時52分にセーフティカーが入り、全車スロー走行に入る。
200周目に#12ジョシュは7番手にポジションアップ。ラスト10分を切った207周目に2'09.950、208周目2'09.878と連続2分9秒台でラップし、最後まで全力走行を続ける。
結局、#12 ヨシムラスズキMOTULレーシングは7位とスズキ最上位でゴール。#03 MotoMapSUPPLY FutureAccessが9位、#71 Team KAGAYAMAは17位、#1 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMは18位でゴール。シリーズランキングを争っていたライバルチームが11位でゴールしたため、ランキング2位で2016-2017シーズンを終了した。#95 S-PULSE DREAM RACING・IAIは終盤に追い上げ、23位でフィニッシュした。