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2015年7月26日(日)
鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝 場所:三重県・鈴鹿サーキット
セーフティカーが6回も出る波乱のレース展開
波乱を予感させるフリー走行Team KAGAYAMA3年連続3位表彰台獲得。4位SERT、5位ヨシムラ・スズキ・シェル・アドバンスと上位をスズキ勢が占める 決勝は#12アレックスが序盤のレースを引っ張る 朝から綺麗に晴れ上がり、雲がまったくない青空となった決勝日。 朝、8時半から40分間のウォームアップ走行がスタート。開始早々、転倒者が出て赤旗となり、波乱の予感を漂わせる決勝日の朝となった。 このセッションは、#12ヨシムラ・スズキ・シェル・アドバンスが3位、#17Team KAGAYAMAが7位、#30SERT11位、#32MotoMap SUPPLY21位、#31浜松チームタイタン52位で終わった。 午前11時30分。定時に、今年の鈴鹿8耐がスタートされた。 ホールショットを奪ったのは、#17Team KAGAYAMAのスタートライダーを務める清成龍一。裏ストレートでは#12ヨシムラ・スズキ・シェル・アドバンスのアレックスがトップに立ち、序盤のレースを引っ張ることになる。 4周目にトップの座を譲るが、8周目に再び#12アレックスは先頭に立つ。アレックスはそのまま25周を走り切り、トップのままピットインしてマシンを津田に渡す。#12津田は直ぐに#634ストーナーに抜かれてしまうが、その後徐々に追いつきストーナーの真後ろにまで付けた、しかし31周目の130Rで減速のタイミングの違いからストーナーに接触しそうになり、それを避けるために130Rでコースアウト。転倒は辛うじて免れたが、4位まで順位を落としてしまう。 その直後、トップを走っていた#634ストーナーがヘアピン手前の110Rで転倒。マシンがヘアピンのコース上に残ってしまったため、この日1回目のペースカーが入った。 レース再開後、45周目に4位を走っていた#17加賀山がシケインで転倒。すぐにマシンを起こし、ピットに戻らずに走り続けることができたが、順位は7位まで落としてしまう。 さらに午後1時14分、トップが47周目に入っているタイミングで転倒者が出て、マシンがコース上に残ってしまったことからこの日2回目のセーフティカーが入った。 12分後にレースが再開。徐々にペースをつかんだ#12津田が50周目に2位に浮上する。津田は54周目にピットインし、ローズに交代する。序盤はペースアップに苦労していた#30も少しずつポジションを上げ、この頃には8位前後を走行し、本来の力を発揮し始めていた。 津田、痛恨の転倒 走行を続けるも、ルーティンピットでマシン修復し順位を落とす #12ローズは28周走行し、81周目にピット。再びマシンを津田に渡す。その直後、裏ストレートにオイルが出てしまったことから、この日3回目のセーフティカーが入った。 セーフティカーは20分ほど入り、この間にトップを走るマシンがルーティンのピットインのタイミングとなったことから、#12津田にとってトップに迫ることができた。 しかし、93周目のシケインで#12津田は転倒してしまう。すぐにマシンを起こして再スタートするが、タイムは35秒ほどロスしてしまい、1秒3まで迫ったトップとの差が35秒まで広がってしまった。 走行が可能であることを確認した#12津田は、ピットに戻らずそのまま走行を続ける。 さらに午後3時23分に、110Rと、スプーンでの転倒車両撤去のため、この日4回目のセーフティカーが入る。このことで、#12津田は3位とのマシンの差を詰められることになってしまう。 しかし#12津田はここで踏ん張り、2位の座をキープ。さらに午後3時50分に、5回目のセーフティカーが入った。セーフティカーが出た直後に#12津田がルーティンのピットイン。ここでチームはマシンの修復を行い、5分ほど費やしてしまう。 これで3位に浮上したのが#17清成。安定してラップを刻んできたのが、この順位につながっている。 また#30ヴァンサンも着実に順位を上げ、5時間経過の午後4時30分時点で5位まで順位を上げてきている。#12ローズは7位を走行。#32今野も10位まで上がってきた。 残り2時間を切る午後5時半過ぎ、#12津田が#30デラールをパスし、5位へ浮上。ライダーの消耗が激しいこの時間帯でも2分10秒台でラップし、前を追走する。さらに#12津田は4位のマシンをパスし、158周目に4位となる。 残り22分で6回目のセーフティカー いよいよ8時間のチェッカー その後、ピットインのタイミングなどもあり、4位#30、5位#12でラップする。 レースもいよいよ大詰めとなる残り22分となる午後7時7分に、6回目のセーフティカーが出て、リスタートは午後7時21分。 結局、Team KAGAYAMAが3位、4位SERT、5位ヨシムラ・スズキ・シェル・アドバンス、10位MotoMap SUPPLY、浜松チームタイタンは2度の転倒を経ながら140周し、チェッカーを受けた。 Team KAGAYAMA 加賀山就臣 「また表彰台に上ることができたのは、チームにとっても自分自身としても良かったと感じています。自分たちのレース活動は、たくさんのスポンサーさんの応援によって成り立っていて、今回の8耐もそうしたサポートがあってできているので、心から感謝します。ありがとうございます。紀行と清成には、勝てるバイクを用意するから一緒に8耐に出てほしいと誘ったのに、我々の力不足でそれが達成できず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。さらに自分は転んでしまって二人に迷惑をかけてしまって、余分な負担をかけてしまいました。チーム戦略をスタッフが色々立ててくれて、セーフティカーが入らなければ、また違ったレースを見せることができたはずなので、その点はとても残念です。本当にすばらしいチーム力を発揮してくれて、彼らを誇りに思っています。」 Team KAGAYAMA 芳賀紀行 「3位という結果が出せて、良かったです。特に清成は、10歳以上年上の先輩ライダーにあれこれ言われ、今日も一人で3スティントこなしてくれて、チームの力になってくれたのは本当に感謝しています。ありがとう! プライベートチームとして3位表彰台獲得は、上出来だと思います。またチャンスがあれば、優勝目指して頑張りたいと思います。」 Team KAGAYAMA 清成龍一 「3位になれて嬉しいです。最後の自分のスティントでは、1周1周、しっかりとピットサインを確認し、ミスをしないように細心の注意を払って走りました。豊富な経験を持つ先輩ライダー二人なので、自分がミスせずにバイクを渡せれば、きっと良い結果が出せると信じていました。木曜、金曜と自分のミスで転倒してしまい、セッションの多くの時間をロスしてしまったのが、最終的にリザルトに影響を及ぼしてしまったと感じているので、本当に申し訳なく思っています。ホールショットを奪えたので、予選でのミスなどがなく、思い通りに走れていてば、また違うレースになったと思います。」 SERT ヴァンサン・フィリップ 「とてもたくさんの問題を抱えながら戦う、ハードなレースでした。レース前、フロントに問題を抱えてしまい、その調整をしたのですが、なかなか良いセッティングが見付からず、さらにリアのスライドも誘発してしまうような状況でした。それでも我々はプッシュし、より上位を目指しました。4位というリザルトが証明しているように、我々は強いチームです。状況を考えれば、良い結果を出すことができました。」 SERT アンソニー・デラール 「最終的にはとてもハッピーなレースとなりました。でも、レースは本当に厳しい戦いを強いられました。我々は4位を得てその結果、18ポイントという貴重なものを手に入れました。チャンピオンシップにおいて、とても大きなものです。ライディングしている間ずっと、ミスを冒さないように細心の注意を払い続けなければなりませんでした。 耐久レースでは、速さはもちろん重要な要素ですが、レースをマネージメントすることも非常に重要です。それを我々は今日のレースで、証明できたと考えています。 」 SERT エティエンヌ・マッソン 「我々にとってとても良いレースでした。まずまずのスタートを切ることができましたし、もちろんいくつかの大きな問題はあったのですが、チャンピオンシップにおいても貴重なポイントを獲得することができました。スズキ、ダンロップ、そして我々のチームスタッフに感謝します。」 ヨシムラスズキシェルアドバンス 津田拓也 「ケーシー・ストーナー選手とのバトルは最初、少し離されてしまったのですが、付いていくことができました。その後、接触しそうになってコースアウトして離されてしまったのですが、それは自分として自信になりました。自分の2回目の走行では、完全に抜ききったライダーにシケインで後ろから追突されてしまい、転倒してしまいました。慎重に走っていたし、完全に抜ききっていただけに、自分ではどうしようもできないアクシデントでした。チームに迷惑をかけてしまい、申し訳なく思います。」 ヨシムラスズキシェルアドバンス ジョシュ・ウォーターズ 「本当に鈴鹿のレースはタフです。不運なことに、我々はレース中、問題を抱えてしまいました。でもこれもレースです。」 ヨシムラスズキシェルアドバンス アレックス・ローズ 「今日のレースはたくさん楽しめました。良いスタートを切り、トップを走ることもできました。途中、問題を抱えたりもしましたが、リザルトは良いものだと感じています。とても難しいレースでしたが、初めての鈴鹿8耐をとても楽しめました。」 MotoMap SUPPLY 今野由寛 「今回、元GPライダーと、全日本J-GP2トップライダーと一緒にレースを戦うことができて、チームとして上に一歩、成長できたレースとなりました。二人にとても感謝しています。レースは気温が高く、厳しい戦いを強いられたのですが、持っているハード、おかれた状況の中でベストは尽くしたと思います。表面的なリザルトの数字ではなく、レースを戦う中で得られたもの、チームとして発揮できたことなどに対して誇りが持てる内容でした。これを全日本後半戦につなげ、さらにチームとして成長したいと思います。」 MotoMap SUPPLY 青木宣篤 「本当に厳しいレースになりました。予想はしていましたが、気温が上がってしまうとどうしてもハード的に無理ができない状況となってしまうので、ラップタイムで3秒遅いライダーでも、予測できない動きをするので、じっと我慢して1周走りを見て抜いたりと、本当に我慢を強いられるレースでした。ただ、そうしたレースを通じて得られたデータは、今後のチームの活動にプラスになるものだと思うので、そうした点では良い仕事ができたのかなと思います。」 MotoMap SUPPLY 生形秀之 「もう少しペース的には速く走りたかったのですが、現実は難しかったです。気温の上がった日中はとにかく我慢の走りを続け、涼しくなってきた夕方は、やっと楽しく走ることができました。与えられ、期待された仕事は自分なりにこなせたという充実感はあります。8耐参戦できるようにバックアップしてくれた方々に感謝します。ありがとうございました。」
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