二輪車トップ > 2015 SUZUKA 8 Hours > 公式練習/公式予選 レポート
2015 SUZUKA 8 Hours
トップ エントラント イベント情報 レースレポート
2015 鈴鹿8時間耐久ロードレース
第2回公開合同テスト
公式練習/公式予選
ライダートークショー
TOP10トライアル(公式予選)
決勝
2015 鈴鹿8時間耐久ロードレース
Racing Report
2015年7月25日(土)
鈴鹿8時間耐久ロードレース ライダートークショー
場所:三重県・鈴鹿サーキット

事前テストから観客がパドック裏に人垣を作るほど、さまざまな話題に溢れる今年の鈴鹿8時間耐久ロードレース。レースウイーク初日は昼過ぎまで雨が降ってしまったが、それ以降は回復。本格的にスズキブースでのイベントが始まる土曜日には、チームを悩ます灼熱の鈴鹿が戻ってきていた。

そんな中、恒例のライダートークショーが今年も、土曜日の朝9時45分から、多くのお客様が集まるスズキブースで行われた。

浜松チームタイタン

最初に登壇したのは、前日の計時予選の最後の最後のセッションで2分15秒538のタイムで組33番手となり、予選通過を果たした犬木 翼/大城 光/伊賀並洋平の三人。

話題はもちろん、最後の最後でタイムを出した伊賀並選手のセッションに集中。「いつもは600のバイクに乗っているので、GSX-R1000に早く慣れるよう、1台のバイクを自分に預けてもらい、走り込みをさせてもらえました。そうした積み重ねが、最後の最後のタイム出しに繋がったのだと思います」と伊賀並選手。一時は転勤などの社内事情からチーム員が不在となり、活動自体を休止していたが、2年前に復活。

「今年は20位を目指し、GSX-R30周年を祝いたい」と、ライダーであるチーム監督でもある大城選手は力強く抱負を語った。

Moto MAP SUPPLY

ブリヂストンの17インチタイヤ開発をしながらの実戦参戦をしているMoto MAP SUPPLY。登壇してくれたのは、今野由寛/青木宣篤/生形秀之選手の三人。話題は当然、タイヤの話になる。

「MotoGP、JSB1000やこの鈴鹿8耐でトップチームが使っているのは16.5インチタイヤ。それに対して17インチは、2017年から耐久選手権、全日本JSB1000クラスでルール化されるので、そこへ向けた開発になっています。メインターゲットは当然、この鈴鹿8耐なので、テストからレースウイークと、全力でセットアップをしています」と今野選手。

「16.5インチと17インチって、寸法にしたら1.3センチくらいのものですが、タイヤの接地面積の比率で考えると、やはり大きなものとなります。17インチで、16.5インチと同じ特性にしていく。これが大きなテーマです。ゴムの量がかなり違ってくるので、そのあたりがポイントになります」と、16.5インチタイヤを熟知する青木宣篤選手。

そして17インチタイヤを履き、最後の最後にトップ10トライアル進出タイムをマークした生形選手は「レースウイークの途中までは決勝へ向けてと、チーム全員が考えていたのですが、途中から『トップ10トライアル』という言葉も出てくるようになり、最終セッション前にはそこに出るために、という雰囲気になり正直、『ちょっとちょっと』、って思いました(苦笑)。タイムを出したラップはミスが多かったし、手元のタイムを見たら2分9秒2と出ていて本当かどうか分からなかったのですが、トップ5に入ることができて良かったです」と生形選手。

「決勝では、チームの最高位が4位なので、ぜひ表彰台にのぼりたい」と今野選手が決勝へ向けた抱負を語ってくれた。

Team KAGAYAMA

登壇したのは、加賀山就臣/芳賀紀行/清成龍一の三人のライダー。

今年のこのチームの話題は、イギリス選手権を他メーカーのバイクで走っている清成龍一選手を鈴鹿8耐のライダーに起用したことだ。

「今年はだれを起用しようか考えたとき、できれば日本人ライダーで、鈴鹿8耐の優勝経験があるライダーにしたかった。そう考えたらもう、キヨしかいないでしょう。もちろん、クリアすべきハードルはそれなりに高かったけど、向こうのチームオーナーに何度も話をして、いいと言ってくれて、今回の実現に繋がった」と加賀山選手。

そのオファーを受けたときを清成選手は振り返り、「最初に話をもらったときは鎖骨を折っていて、ちょっと気分的にブルーだったので、正直言って嬉しかったです。ただ、最初はチームオーナーが首を縦に振ってくれなかったので、難しいかな、って思ったのですが、加賀山さんが粘り強く交渉してくれて、最終的にチームは気持ち良く送り出してくれました」と言う。

また、Team KAGAYAMAで鈴鹿8耐参戦3年目を迎える芳賀選手は「3位、3位と来ているし、次はもう2位、できれば優勝したい」と力強いコメントをした。

「鈴鹿8耐は三人で6勝、ワールドスーパーバイクは三人合わせて60勝。こんな高いレベルの日本人ライダーの組み合わせは他にない。優勝目指して頑張ります」と加賀山選手が締めくくってくれた。

ヨシムラ・スズキ・シェル・アドバンス

ライダー津田拓也/ジョシュ・ウォーターズ/アレックス・ローズの三名に加え、ヨシムラジャパン社長・吉村不二雄さんも登壇。

昨年の鈴鹿8耐でもポールシッター獲得、今年の全日本開幕戦鈴鹿2&4で優勝と、鈴鹿を得意としている津田拓也選手。自身は「たしかにタイムも出やすいですし、自分は高速コースが好きなので、そういう意味で鈴鹿は中・高速コースなので合っていると思います」と分析。いちばん鈴鹿のコースでチャレンジングなのは、アクセル全開から一気にフルブレーキングで飛び込む1コーナーを挙げ、ブレーキング開始は100m看板とのこと。このあたりは観客の皆さんにとっても、注目すべきポイントと言えるだろう。

ヨシムラのマシンで4年連続鈴鹿8耐参戦となるジョシュ・ウォーターズ選手は「素晴らしいチームで歴史ある鈴鹿8耐に参戦できるチャンスをもらえるのは、本当に光栄なこと。自分のベストを尽くし、チームに貢献したい」とコメント。

また事前テストから好タイムをマークし、鈴鹿サーキット初走行から高い順応性を見せてきているアレックス・ローズ選手は「高速コーナーが好きで、この鈴鹿サーキットは世界でもトップレベルの素晴らしいコースだと感じている。自分のライディングにも合っているし、走りを楽しむことができている。良い走りをして、チームに貢献したい」と言う。

吉村社長は「テストから非常に順調に進んでいます。鈴鹿8耐は、どこかに必ず落とし穴があり、苦しめられるのだけれど、今年はここまで本当に順調に来ています。気を緩めることなく、最後までしっかりと戦い抜きます」と豊富を語ってくれた。

さらに吉村社長は今年、GSX-R30周年ということで、これまでの戦いを振り返り「デビュー時から本当に高いレースポテンシャルを持つバイクで、それは今もまったく色あせていません。その高いパフォーマンスを、明日の決勝でもフルに発揮し、表彰台の真ん中に上がります」と力強いコメントをしてくれた。

SERT

ヴァンサン・フィリップ/アンソニー・デラール/エディエンヌ・マッソンの三人のライダーに加え、監督のドミニクさんも登壇してくれた。

まずドミニク監督は「昨年は残念ながら耐久チャンピオンの座を失い、今年はチャレンジャーとなった。でも今年の開幕戦となったルマン24時間レースでは勝利することができ、良いスタートを切ることができています」とコメント。

昨年はケガのためにこの鈴鹿に登場することのなかったヴァンサン選手は、「テストは雨が多く、ドライコンディションでの走行が足りないのですが、我々は長く鈴鹿8耐を戦ってきていますし、焦らず、決勝でベストリザルトを残せるよう、自分たちのペースでさらに積み上げてきます」とチャンピオン経験豊富なライダーらしく語ってくれた。

アンソニー選手は5年連続での鈴鹿8耐参戦となり、「このレースは本当にすばらしいレース。地元日本人ライダーは速く、レベル的に高い難しいレースだけど、我々は耐久のスペシャリストなので、しっかりと走り切り、ベストリザルトを持って帰りたい」と抱負を聞かせてくれた。

またエディエンヌ選手は、昨年の世界耐久選手権スーパーストッククラスのチャンピオンだが「今年はこの名門チームに入ることができて、本当に光栄に思っている。スタッフは常に素晴らしい仕事をしてバックアップしてくれるし、とても心強い。いい走りを、この鈴鹿でもしたい」とコメントしてくれた。