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2015年5月17日
全日本モトクロス選手権 第3戦 世羅グリーンパーク弘楽園(広島県)
3ライダーがトップ争いを演じる。熱田孝高は両ヒート2位、総合も2位。小島は第1ヒート3位で総合4位
IA2竹中純矢はスタートtoフィニッシュで第1ヒートを制すも、第2ヒートは接触転倒で4位となり総合2位 アメリカのレジェンドモトクロスライダー、リッキー・カーマイケルが来場し、ファンサービスを行うと同時に日本のファンと交流を図る 小島庸平は両ヒートとも好スタートから手堅く上位をキープし、総合4位。竹中純矢は第1ヒートをスタートtoフィニッシュで快心の勝利を飾るが、第2ヒートはトップ走行中のラストラップに接触転倒を喫し4位で総合2位に甘んじた。 国内きってのダイナミックコースとして知られる会場の世羅グリーンパーク弘楽園。ハイスピードでのアップダウンやロングジャンプなど見どころの多いコースは、今大会を前に、ロングフープスがコンビネーションジャンプに変更されるなど、コースレイアウトを一部変更している。大会期間中は土曜日の明け方まで雨が降るも、土曜日は曇り。日曜日は五月晴れの快晴となり、初夏を思わせる強い日差しが照りつける中、激しいバトルが繰り広げられた。Team SUZUKIは今年も渡辺 明監督の下で、熱田孝高と小島庸平がIA1クラス。IA 2クラスに竹中純矢という布陣を継承。更なる熟成を図ったRM-Z450WSと大幅に進化した新型RM-Z250WSでダブルタイトルを目指す。開幕から好調のベテランの熱田は、ポイントランキングトップの印となるゴールドゼッケンを付けてこの大会に登場。熱田、小島はシーズン初優勝を、また開幕前の怪我を克服した竹中純矢は、本来の走りを取り戻し、パーフェクトVを狙って今大会に臨んだ。 IA1クラス第1ヒート、好スタートを決めた熱田は、ショートカットで戻るオープニングラップを2番手でクリア。先行する小方 誠(ホンダ)にプレッシャーをかけると小方の転倒を誘うが、あと一歩で逆転はならず、2位のポジションのままフィニッシュ。熱田と共に好スタートを決めた小島は、トップ争いには絡めなかったものの、安定したペースで周回を重ねると、確実に単独3位のポジションをキープし、熱田と共に表彰台登壇を果たした。 IA1クラス第2ヒート、まずまずのスタートを決めた小島は3番手、スタートでやや出遅れた熱田は5番手でオープニングラップをクリア。ハードパックの荒れた路面にやや苦戦を強いられた小島はポジションを落とすが、得意の追い上げを披露した熱田は前半4番手に順位を上げると、後半2番手を走っていた三原拓也(カワサキ)をパスし2番手に浮上。終盤トップに迫る勢いを見せた熱田だったが、逆転には及ばずこのヒートも2位でフィニッシュ。小島は6位でチェッカーを受けた。 IA2クラス第2ヒート、またも好スタートを決めた竹中は、今度は確実にホールショットを決めるとオープニングラップからレースをリード。前半は田中雅己(ホンダ)、後半は富田の追撃を受けながら、後続に付け入る隙を与えることなくトップをキープしていた竹中だったが、終盤、周回遅れのライダーが目の前で転倒するなどリズムを崩された竹中は、迎えた最終ラップ、今度は複数の周回遅れライダーにラインを塞がれ、富田の接近を許すと、直後に富田の強引なアタックを受け、竹中はコースアウトを喫してしまう。すぐにコースに復帰して再逆転を狙った竹中だが、今度は富田のブロックに遭い転倒。パーフェクト勝利目前のアクシデントで順位を落とした竹中は、なんとか再スタートを切ると4位でチェッカーを受けた。 また、今大会には、AMAスーパークロス・モトクロスのチャンピオン獲得など数々の偉業を達成したレジェンドライダー、リッキー・カーマイケル氏が初来日。昼休みには、詰めかけた大勢のファンが注目する中、RM-Z450でデモ走行を披露した他、サイン会を行い日本のファンと交流を図った。デモ走行では、たった1周の下見でこのコース最大の見どころであるビッグジャップを軽々とクリア。ワンハンドや豪快な捻りでコースサイドのファンを魅了し、またサイン会では、一人一人に丁寧にサインを行い、ツーショットの記念撮影に応じるなど、ファン思いな一面を見せた。 熱田孝高(IA1) 第1ヒート2位/第2ヒート2位 総合2位 「ヒート1はスタートから、ヒート2は追い上げてトップ争いに持ち込むことが出来たが、今日はライバルが速かった。もっとコースが荒れてくれたら状況は変わったと思うが、まあ、今回は仕方ない。ランキングで2番手に後退したと言っても差があるわけではないし、次は自分のホームコースのSUGO。開幕から成田、新井、小方とパーフェクト優勝が続いているので、1-1で勝ってランキングトップの座を取り戻します。」 小島庸平(IA1) 第1ヒート3位/第2ヒート6位 総合4位 「正直1番苦手なコースだったので、トップ争いにこそ絡むことが出来なかったが、ヒート1では表彰台に立てたし、何よりポイントロスを最小限に食い止めたことが大きいと思う。ここまでは予定通りというか、最終戦までタイトル争いを演じた一昨年と同じ展開。中盤戦からは攻勢に転じるつもりだし、自信も手応えもある。見ていてください。」 竹中純矢(IA2) 第1ヒート1位/第2ヒート4位 総合2位 「やっと怪我の影響がなくなったと思ったのに、実は風邪がなかなか抜けなくて、ベストの体調ではなかったです。体力的には本当にキツかったけど、それでもずっとトップを走れたし、自分にもライバルにも勝負で勝てたことは自信になりました。その分ヒート2のアクシデントはかなりショックでした。でも課題のスタートで前に出れたし、ここからは乗り込んで更に調子を上げることが出来ると思うので、次はパーフェクトVを決めます。」 渡辺 明 監督 「竹中は、両ヒート確実にスタートを決めて、ずっとトップ争いが出来ていた。後続のプレッシャーを受けても冷静に自分本来の走りが出来ていたし、常にトップ争いを演じることが重要。ヒート2も同じ展開だったが、最後のアタック、あれはクリーンなバトルとは言えない。あのような危険な行為が許されるなら、スポーツにならない。一方で、マージンを取ってちぎる事が出来なかった。そう言う意味で今回は経験を積んだと思う。もっとレベルを上げていく段階なので、この先の展開が楽しみです。熱田はいい走りが出来ていた。ハードなコンディションで結果を揃えられるのは素晴らしいし、タイトル争いもトップ争いも出来ているのだから、本当に頑張っていると思う。小島はヒート1で表彰台に立ったのだから、ヒート2ではハイペースのトップ争いにチャレンジして欲しかった。ワークスライダーであることの意味は、本人が1番分かっているはず。そこで順位を下げてしまっては話にならない。」
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