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2015年4月5日
全日本モトクロス選手権 第1戦 HSR九州(熊本県)
雨の開幕戦で竹中純矢(IA2)が鮮やかな逆転優勝を飾る。
IA1熱田孝高、小島庸平は共にトップ争いを繰り広げ2位表彰台を獲得。 昨年大幅な改修を受けてレイアウトが一新された会場のHSR九州。今年も上層に山砂を入れるなどして開幕戦を迎えたが、大会期間中は生憎の雨で完全なマディコンディションとなり、競技時間の短縮やコースを大幅にショートカットするなどして決勝レースが行われた。Team SUZUKIは今年も渡辺 明監督の下で熱田孝高と小島庸平がIA1クラス、IA2クラスに竹中純矢という布陣を継承。更なる熟成を図ったRM-Z450WSと大幅に進化した新型RM-Z250WSでダブルタイトルを目指す。昨シーズン怪我に苦しんだ小島、ベテランの熱田が万全の調整を行って開幕戦を迎えた一方、オフシーズンにヨーロッパ合宿を敢行するなど、更なるレベルアップを目指した竹中は、開幕3週間前に手の甲を骨折するアクシデントに見舞われ、なんとか出場は果たしたものの苦戦が予想された。 IA1クラス第1ヒート、好スタートを決めた小島庸平は3番手、熱田は4番手でオープニングラップをクリア。予選をトップで通過し、練習走行でもベストタイムをマークするなど好調の熱田は、3周目に小島と順位を入れ換えて3番手に浮上。トップ争いをマークしチャンスを伺っていた熱田は、後半勝負に出ると小方 誠(ホンダ)をパスし2番手に浮上。一気にトップ成田に迫った熱田だったが、ここで痛恨のコースアウトを喫し、3番手に順位を落としてしまう。終盤再び小方を捉え2番手に順位を上げた熱田だったが、その転倒でトップを逃がす結果となり2位でフィニッシュ。小島は手堅く4番手のポジションをキープしてチェッカーを受けた。 IA1クラス第2ヒート、鮮やかなホールショットを決めた小島は3番手、やや出遅れた熱田は5番手で1周目のコントロールラインを通過。2周目に小方 誠(ホンダ)をパスした小島は、3周目に先行する田中教世(ヤマハ)の転倒でトップに浮上。中盤ひとつ順位を落とすも、大荒れのコンディションの中後半確実に2番手のポジションをキープした小島は、ヒート1の熱田に続き2位表彰台を獲得。後半ペースを維持できない状況に陥った熱田だったが、持ち前の粘り強さを発揮して5位でフィニッシュした。 IA2クラス第2ヒート、確実にスタートを決めてオープニングラップ3番手でコントロールラインを通過した竹中は、非常に滑りやすく荒れた路面に苦戦しながらも、手の痛みを堪え、確実に周回を重ねて行く。トップ争いを逃しはしたものの、後続の接近を許すことなく単独走行を続けた竹中は、そのまま3位でチェッカーを受け表彰台に登壇。総合では2位に甘んじたもののポイントランキングはトップと同ポイントに付けており、苦戦が予想されたレースを竹中は力強く乗り切って見せた。 小島庸平(IA1) 第1ヒート4位/第2ヒート2位、総合2位 「正直、慎重になり過ぎたかなという反省はあります。しかし、目標はあくまでシリーズチャンピオンの獲得にあり、絶対に1レースも落とさないことが重要。昨シーズンは怪我に苦しんだが、今年はタイトル争いを繰り広げた2013年の開幕にようやく戻すことが出来た。雨で大荒れとなった開幕戦を大きく取りこぼすことなく乗り切ることが出来たことに、まずは満足している。次の関東もあまり得意なコースではないが、確実に走り切って最後に笑えるようにしたい。」 熱田孝高(IA1) 第1ヒート2位/第2ヒート5位 総合4位 「オフシーズンは例年アメリカで乗り込みの合宿を行って来たが、今年は国内でしっかりと調整し、チーム一丸となってマシンを作り上げて来た。結果、とてもいい状態に仕上げることが出来たし、サスも決まっている。この判断は間違っていないと確信している。ヒート1は土曜日からタイム差でアドバンテージがあったが、上を狙って転倒してしまい2位。ヒート2は後半マシンに問題が出て追い上げられない状態になったが、大きく落としたわけではないし、シーズンはまだ始まったばかりで、次の関東もいい展開が見えている。」 竹中純矢(IA2) 第1ヒート1位/第2ヒート3位、総合2位 「シーズンオフは小島さんに手伝ってもらって、ヨーロッパでトレーニングして来ました。手応えを感じて帰って来たのに直前に怪我をしてしまって…。マディコンディション自体は苦手ではないが、怪我をした手がとにかく痛くて、マシンの押さえ込みやコントロールも難しかった。そんな状況で結果をまとめられたことは良かったと思う。次も厳しいレースになることは分かっているが、今回のコンディションを乗り切れたとこが自信になった。乗り込んでない分体力不足でもあったが、しっかりカバーして行く。」 渡辺 明 監督 「竹中は3週間前のテストで手の甲を骨折。右足も痛めていて出場すら危ぶまれる状態だった。確実にポイントを取ろうと決めて出場したが、開幕緒戦でいきなり優勝してしまったのだから、素晴らしい結果だったと思う。小島、熱田共にトップ争いを繰り広げることが出来て、チームとしてそこを目指して来ただけに、勢いがついた。熱田は開幕前から非常に調子がいいし、小島も一昨年の走り、気力が完全に戻った。次ももちろん上位を狙って行く。チームはより高いレベルを目指しているので、まずは3人でチャンピオン争いを繰り広げていく。」
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