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2015年4月19日
全日本ロードレース選手権 第1戦 鈴鹿2&4 場所:三重県・鈴鹿サーキット
ヨシムラスズキシェルアドバンスの津田拓也、独走で開幕戦を制す!
![]() 四輪と併催で行われる2&4レースの場合、ウイーク序盤は比較的良好な路面コンディションが、四輪の走行によって路面にゴムが擦り込まれ、二輪はグリップが得られにくい状態へとスケジュールが進むに連れて移行していく。初日、津田は2'07.636で3番手、加賀山は2'08.427で9番手、今野は2'11,053で17番手となった。本来の速さから見れば今野のタイムはもう少し伸ばしたいところだが、ケガをしていることを考えると、まずまずの走り出しと言える。 土曜日の予選は35分のセッション1回のみ。ミスが許されない、高い集中力が要求される。2グループに分けて行われた予選のうち、A組には津田、加賀山、今野が参加。津田が2'06.103のコースレコードを8周目にマークし、トップに出る。結局、このタイムを上回るライダーはB組でも出なかったことから、開幕戦決勝を津田はポールポジションからスタートすることになった。加賀山もタイムアップをねらったが、ペースを上げたところで転倒。それでも2'07.984を出していたので、スターティンググリッドは9番手となった。今野も2'09.855までタイムを詰め、16番手に付けた。 決勝日は早朝から雨が降り出してしまい、朝のウォームアップ走行はウエットコンデイションでの走行となってしまった。その後、雨は止む方向の予報が出ていたが、上空を厚い雲が覆っていることから、チームスタッフは空を見上げながら過ごすことになった。ウエットのウォームアップセッションでは、加賀山が3番手のタイムをマーク。津田5番手、今野22番手となった。 ウォームアップ終了後に雨は止み、風が吹いていたこともあり、路面は瞬く間に乾き、決勝レースはドライコンディションでスタートを切ることとなった。ホールショットを奪ったのは津田。しかし序盤からトップでレースを引っ張るよりは後ろで様子を見たい津田はあえて先頭の座を譲り、その後ろに付ける作戦に出た。加賀山、今野ともにまずまずのスタートを切ったが、3周目のデグナー1個目立ち上がりで加賀山が転倒。ここで加賀山はリタイヤとなってしまった。序盤2番手を走り、トップのマシンのペースが安定しなくなってきた6周目のダンロップコーナーで津田は前に出る。レースも折り返しとなる10周目でも津田は2'07前半のペースをキープする。バトルになった2位争いグループのペースは2'07中盤。このため、津田と後続との差が0.7秒前後だったものが1秒を超え、さらにラスト4周となった時点では1秒5まで広がった。手綱を緩めない津田は、ラストラップも2'07.813で回り、2位に2秒3の差を付けての独走優勝を飾った。今野もライバルとのバトル、さらに自分の抱えている痛みと闘いながら12位でチェッカーとなった。
ヨシムラスズキシェルアドバンス 津田 拓也 1位 「素直に嬉しいです。去年のこのレースの優勝タイムを分析し、それを上回るペース配分で決勝を走ることを意識しました。2'07前半のあのペースは自分をコントロールしながらのもので、もし後続が追い上げてきたらあと0.2秒から0.3秒は上げられる余力を残していたので、2'06後半には入れられたと思います。でも結果的に、2'07前半のアベレージ維持が後続との差を作ったので、理想的な展開に持ち込めました。去年の自分は常にギリギリの走りをしていて、何かあったときの余力がない戦いをしていました。今回は限界まで行かず、その手前のできるだけ高いレベルを維持しつつ、最後の勝負所になればギリギリまで行く、というアプローチにしたのが結果につながったのだと思います。アドバイザーとしてサポートしてくれることになった辻本聡さんの存在も大きいです。」 ヨシムラスズキシェルアドバンス 加藤 陽平 監督 「津田選手の成長を強く感じることができたレースになりました。パッケージング的には昨年と同じですが、このシーズンオフに軽量化や重心位置の変更、エンジンの見直しなどほぼ全面的に見直し、結果として昨年とはまったく異なるセッティングになりました。ぜひこの勢いを維持してタイトル獲得につなげたいですね。」 MotoMap SUPPLY 今野 由寛 12位 「今年はタイヤメーカーが変わり、17インチタイヤの開発をしながら実戦参加することになりました。ただ自分自身、まだタイヤが変わったことへの対応に途惑うところがあり、それがテストでの転倒という形で出てしまいました。本当は周回をたくさん重ねてテストしなければならないのに、2回のテストをキャンセルしなければいけなくなってしまって、その部分ではチームに大きな迷惑をかけてしまいました。決勝は前を塞がれたり、自分の痛みと戦ったりと大変でしたが、なんとかフィニッシュできてホッとしています。」 MotoMap SUPPLY 愛知 靖史 監督 「テストで転倒してしまい、その後の2回のテストに参加できなかったのはチームとして厳しかったです。タイヤメーカーが変わり、特性の違いにライダーが徐々に慣れてきている状態なので、まずはそこをしっかりと合わせ切れるようにマシン面でバックアップできればと考えています。そうした意味では、今日の20周のレースを無事に走り切ってくれたのはチームとして大きな収穫です。止まってしまった進化を少し進めることができたので、さらにオートポリスで進めたいと思います。」 Team KAGAYAMA 加賀山 就臣 リタイヤ 「昨日の予選でもこれからというタイミングで転倒してしまい、決勝も同じような形で終えることになってしまいました。チームも色々とセットアップを考えてくれて、タイヤの開発をしっかりと行いながら実戦を戦っていかなければならないのに、ちょっとしたミスでこうした形になってしまってとても残念です。ケガは明日の精密検査を待たなければ分かりませんが、テストでは良い感触だったのでオートポリスはなんとか出場したいと思います。」 Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督 「今年はチームとしてアジア選手権のSS600クラスも戦うことになり、非常に忙しいシーズンオフとなりました。そんな中、チームとしてメインの仕事であるタイヤ開発をしながらこの開幕戦に向けて準備してきたのですが、この鈴鹿ではうまくマシンをまとめきることができなかった印象です。ただ次のオートポリスはテストで良い感触を得ているので、そこにつなげることができればと期待しています。」 ![]()
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