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全日本ロードレース選手権
2015年6月28日
全日本ロードレース選手権 第4戦 SUGOスーパーバイク 120マイル耐久レース
場所:宮城県・スポーツランドSUGO

加賀山就臣、転倒しながら再スタートして6位入賞!
J-GP2クラスでは生形秀行が3戦連続2位表彰台を獲得!
ROUND4
全日本第4戦が宮城県スポーツランドSUGOで6月28日に行われた。鈴鹿8耐前のこのSUGOのレースは、より面白い戦いを見せようと、2年前からセミ耐久として開催されている。今回も120マイル、52周という長丁場のレース設定がされた。このためにチームは、ピット作業のためにガソリンの給油装置やタイヤ交換システムをサーキットに持ち込んだ。二人で戦うことも可能なのだが、スズキの三チームはいずれも、レギュラーライダー一人での戦いを選択。そのために今回のレースへスズキ勢としては、ヨシムラスズキシェルアドバンスの津田拓也、MotoMap SUPPLYの今野由寛、Team KAGAYAMAの加賀山就臣というレギュラーライダー三名での参戦となった。

1週間前に行われた事前テストはドライで行うことができ、路面温度も太陽が出ると40度から50度と高温となり、鈴鹿8耐並の対応が要求されていた。この中で津田が2番手のタイムをマークし、好調さをアピール。レースウイークでの期待が高まった。

東北地方は6月末のこの時期になってもまだ梅雨入りしていなかったのだが、残念ながらこのレースウイーク中に梅雨入り。その影響で、金曜日のART合同テストはドライで走行することができたが、土曜の予選はフルウエットとなってしまった。今回は60分間の計時予選で行われ、加賀山がベテランらしい経験をうまく生かして4番手、津田は8番手、今野は前日の転倒の影響もあり、14番手と少しで遅れてしまった。

土曜の夜には月も顔を出し、天候の回復を期待させた。実際に朝のウォームアップ走行はドライコンディションとなり、津田が2番手、加賀山6番手、今野13番手と、決勝へ向けて順調な仕上がりを見せた。

ところが、この日の最初のレースとなるJ-GP3クラスのスタート前に雨がポツポツと落ちてきてしまいそれ以降、降ったり止んだりで、路面はドライが基本ながら、そこから多少濡れながらレースが進行するという非常に読みにくいコンディションとなってしまった。

JSB1000クラスのスタート前は雨が止んでおり、路面はドライ。このために全車、スリックタイヤを装着し、耐久ならではのル・マン式でレースはスタートとなった。うまい飛び出しを見せたのは加賀山で、先頭で1コーナーへ飛び込むことに成功する。津田もまずまずのスタートを切り、4番手で1コーナーに進入した。オープニングラップをトップで通過した加賀山だが、そこからなかなかタイムを上げることができず、2周目終わりで4位、3周目6位と順位を落としてしまう。津田はスタート後、6位まで順位を落としてしまうが、そこから着実にポジションを上げ、3周目5位、さらに5周目あたりから霧雨となる中、3位まで順位を上げる。さらに前の2台を追いかけたいところだが、2位を走っていた高橋巧選手が8周目に転倒。その直前にはトップを走る中須賀克行選手もマシンを大きくスライドさせ、あわや転倒かというシーンを演じており、コース上は非常に滑りやすい状況となっていた。後ろから2台のマシンに迫られていた津田は、この難しいコンディションの中、ペース維持を試みていたが、3コーナー立ち上がりでリアをスライドさせ、これを立て直せずにハイサイドで転倒、リタイヤとなってしまった。直後の2台も津田の転倒に巻き込まれる形で転倒してしまい、上位3台がいなくなってしまった。これで加賀山が2位に浮上。雨の影響もあり、その後は3位のポジションで再び上位進出をねらっていたが、18周目の2コーナーで雨に足下をすくわれて転倒。幸いなことにすぐマシンを起こし、再スタートに成功。損傷もそれほどなく、そのまま周回を重ねる。中盤以降は雨も止み、再びハイペースでのレースとなり、加賀山は無事にピット作業もこなし、6位でチェッカー。今野もコンスタントに走り切り、9位でゴールした。

J-GP2クラスでは、雨の予選で残り10分ということで赤旗中断。結果的にそこで予選は終了となってしまった。このため、スズキGSX-R MFD6を駆る生形秀之は最後のタイムアタックができず、スターティンググリッドが7番手となってしまった。時折雨が降る難しいコンディションとなった決勝では着実にポジションアップ。レース中盤以降は単独の2位走行となり、3戦連続2位表彰台獲得となった。

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ヨシムラスズキシェルアドバンス 津田 拓也 予選8番手/決勝リタイヤ

「事前テストでは路面温度が40度、50度というところまで上がっていたこともあり、高温でのレースへの対応で準備を進めていました。ところがレースウイークに入ると気温が上がらず、結果的にそこの部分での対応が遅れてしまいました。決勝は雨が降ってくる中、前を追いつつ、後ろに2台付かれていたのでなかなか難しい状況で、自分では行きたい気持ちを抑えながら走っていたつもりだったのですが、結果的に見ればもっとペースを落としてあそこは乗り切るべきだったと反省しています。次のレースに、この経験は活かしたいと思います。」

ヨシムラスズキシェルアドバンス 加藤 陽平 監督

「ドライベースの中で、雨が降ったり止んだりという微妙なコンディションに対してうまくまとめられなかった、というのが今回の最大の原因だと感じています。ドライでは比較的まとまっていて、事前テストでも2番手のタイムを出すことができていましたし、乾いた路面での朝のウォームアップ走行でも2番手タイムでした。高温になるだろうと、特にフロントタイヤはハード方向をチョイスしていたので、レース序盤は慎重にと話をしていて、その部分はしっかりこなしてくれたのですが、雨が振り出してきて、そこで難しくなってしまいました。我々の持っているハードの能力を、まだ十分に引き出せていない印象です。鈴鹿8耐では十分な走行時間が持てるので、さらにそこでしっかりと走らせ、積み重ねていきたいと思います。」

Team KAGAYAMA 加賀山 就臣 予選4番手/決勝6位

「事前テストで熱を出してしまって、帰ってから病院へ行ったら肺炎と言われて、レースウイークは熱こそなかったのですが、咳をしながらちょっと厳しいコンディションでした。予選は雨で、そこはうまく経験を活かして4番手に付けることができました。決勝も、難しいコンディションになったのでそこはしっかりと上位へ上がることができましたが、欲を出していたわけではないのですが、濡れているところを走ってしまい、足下をすくわれてしまいました。ラッキーだったのはマシンもそれほど壊れていなくて、すぐに走り出せたことで、6位でポイント獲得が果たせたのは良かったです。とは言え、アベレージタイムを見てみると、転倒がなくても表彰台は難しかったと分析しているので、次戦に向けてそこはしっかりと修正していきたいと思います。鈴鹿8耐ではペアライダーも来るし、しっかりとバイクを作ってこの借りを返したいと思います。」

Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督

「体調が優れないということもあり、厳しいレースウイークとなりました。チームサイドとしても、ピット作業があるので給油装置やタイヤ交換システムなど、慌ただしく準備してきたのですが、その部分のテストも出来ましたし、ピット作業で順位も二つくらいあげることができたと考えているので、チームサイドとしてはやるべきことをやった、というレースでした。鈴鹿8耐へ向けて、良いシミュレーションもできたので、これをしっかりとフィードバックし、改良して一ヶ月後に向かいたいと思います。」

MotoMap SUPPLY 今野 由寛 予選14番手/決勝9位

「3年ぶりのSUGOのレースとなり、自分の感覚と走行イメージを摺り合わせるところから事前テストではスタートしました。転倒もあり、なかなか走りのリズムを出すことができず、不完全燃焼のレースとなってしまいました。でも鈴鹿8耐へ向けていいシミュレーションにはなったので、気持ちを切り替え、8耐に向けて良い準備ができるよう頑張ります。」

MotoMap SUPPLY 愛知 靖史 監督

「ライダーが3年ぶりのSUGOでのレースということで、出来るだけ他のコースでのレースと同じように走れるようにバックアップしたのですが、転倒もあり、なかなか思うようにセットアップを進めることができませんでした。事前テストで60周のロングランをしてもタイムが1秒くらいしか落ちないので、タイヤ交換はせずにガス給油だけ行う作戦を立て、実際に予定通り、レースは戦いました。ですが、アベレージが今一つ上げきれなかったので、上位が転倒して順位が上がっただけで、チームとしての戦いをしてこの結果を得られたわけではないので、ちょっとフラストレーションの溜まるレースとなってしまいました。」

エスパルスドリームレーシング 生形 秀之(J-GP2クラス) 予選7番手/決勝2位

「予選が7番手と厳しいポジションからのスタートとなってしまったので、どうやって抜け出すかに集中しました。イメージ通りに抜け出すことができたのですが、既にトップとの差は大きくなってしまっており、路面状況も刻々と変化するので、とても難しいレースでした。置かれた状況の中で精一杯のトライはしたのですが、追いつけませんでした。もっとレベルアップし、この差を逆転できるように頑張ります。」

MotoGP
1中須賀 克行YAMAHA FACTORY RACING TEAM1h19'33.113
2浦本 修充MuSASHi RTハルク・プロ+45.243
3野左根 航汰/藤田 拓哉YAMALUBE RACING TEAM+57.047
6加賀山 就臣Team KAGAYAMA+1 Lap
9今野 由寛Moto Map SUPPLY+1 Lap

MotoGP
1中須賀 克行YAMAHA FACTORY RACING TEAM97pt
2高橋 巧MuSASHi RTハルク・プロ67pt
5津田 拓也ヨシムラスズキシェルアドバンス57pt
12今野 由寛MotoMap SUPPLY32pt
14加賀山 就臣Team KAGAYAMA28pt