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2015年10月18日
全日本ロードレース選手権 第8戦 スーパーバイクレース in 岡山 場所:岡山県・岡山国際サーキット
追い上げ態勢に入った津田拓也、痛恨の転倒で見えかけた表彰台を逃す
![]() このコースは国内のサーキットの中でも路面のμが低め。連続した低速コーナーがアップダウンの中に組み込まれているため、マシンのセットアップも他のサーキットと大きく異なり、独特のものが要求される傾向にある。走りのリズムが取りにくく、良いタイムが出てもライダーのフィーリングとしてはうまく攻略できた感触が得にくいという難しいコースだ。今年はレースウイークを通して晴天が続き、マシンのセットアップを進める上で、チームにとってありがたいコンディションとなった。 今回のレースにもスズキ勢からは、ヨシムラスズキシェルアドバンスの津田拓也、Team KAGAYAMAの加賀山就臣、MotoMap SUPPLYの今野由寛らが参加した。 金曜日のART合同テストでは、1回目の走行で津田が3番手、加賀山5番手、今野15番手でスタート。しかし2回目の走行では津田4番手、加賀山7番手、今野16番手と順位を下げてしまった。 土曜日の予選はノックダウン方式が採用され、40分間の計時予選後、上位10名のみがQ2へ進出。15分間の走行でトップ10のスターティンググリットが決定される。Q1のセッションで津田は1'29.203で4番手、加賀山は1'30.053をマークし、10番手でQ2へ駒を進めることに成功した。マシンのセットアップに苦しむ今野は1'31.290のタイムで16番となった。続くQ2では津田がうまくタイムアップに成功し、このウイーク初の28秒台へタイムを入れ、1'28.543でセカンドグリッドをゲット。加賀山もベテランらしい集中力を発揮し、1'29.490で7番手となった。 日曜の決勝日はこのレースウイーク中、もっとも日差しが強く差し、気温も上昇。タイヤ選択が難しいコンディションとなった。 レースがスタート。津田にとって課題となっていた序盤のペースアップがやはり今回もうまくいかず、フロントローという好位置からスタートしたにも関わらず、1周目を終えてメインスタンドに戻ってきた順位は7番手となっていた。昨年も同じ課題を抱えつつ、トップ争いに加わろうと無理をして転倒した反省から、我慢の走りを津田は敢えて選択していた。2周目、3周目は1'30秒台でラップ。状態を確認し、4周目1'29.366と29秒台へ入れ、順位も8周目に5位へアップ、さらに前との差を詰めに入る。トップは視界に入らないものの、2位の背中が徐々に近付く走りを見せて表彰台圏内に手が掛かりそうになっていた18周目、ヘアピンを立ち上がり、その先の下りながら左90度にターンする低速コーナーで縁石にエンジンカバーをヒット。マシンが一瞬浮いてしまい、転倒してしまった。 加賀山はうまいスタートを見せ、1周目を4番手でクリアしたが、そこからなかなかペースを上げることができず、4周目に8位になると、そのままの位置でゴール。今野もマシンセットアップの解決策が見付からず、我慢の走行を続けて14位チェッカーとなった。 また、シリーズランキングトップに付けているJ-GP2クラス生形秀之(エスパルスドリームレーシング)は予選2番手に付け、決勝でも安定して2位をキープ。そのままゴールした。この結果、ランキング上で逆転され、8点差の2位となったが、タイトル獲得の可能性を維持したまま、最終戦を迎えることとなった。
ヨシムラスズキシェルアドバンス 津田 拓也 予選2番手/決勝DNF 「事前テストからペース自体は去年よりも高いところに上げることはできていましたが、今回優勝した中須賀克行選手、2位の高橋巧選手と比較すると差ができてしまっていました。なんとかそれを詰めようとトライし、予選ではそこに割って入ったのですが、決勝では序盤のペースアップがしにくいという課題を克服できず、そこで上位から遅れてしまいました。中盤以降は良いリズムで走り出せていたのですが、縁石にエンジンカバーをヒットさせてしまうという、それまで経験したことのない状況となって転倒してしまいました。マシンのセットアップがしっかりできていなかったので、決勝でのあの走りに対応できていなかったのだと思います。ラスト7周になったところで2位を走っている高橋選手の背中が少しずつ近付いていたので、手が届きそうな感触があっただけに残念です。」 ヨシムラスズキシェルアドバンス 加藤 陽平 監督 「路面のμが低く、グリップを出しにくいコースということで、事前テストからそこへの対策を施し、バイクのセットアップを進めていきました。ライダーの訴える事柄に対して症状を改善していくのですが、なかなかタイムに反映させるところにまで至らず、苦しい状況となってしまいました。トップ2台に割って入るレースをしたいとそこを目指していましたが、ここ数戦の課題となっている序盤のペースアップが今回もできず、それが最後まで大きく影響してしまいました。」 Team KAGAYAMA 加賀山 就臣 予選7番手/決勝8位 「このコースでチームとしてタイヤテストも重ねているので期待してレースウイーク入りしたのですが、決勝に向けてのバイク作りのところでミスしてしまい、思うような結果を出すことができませんでした。リアタイヤのパフォーマンスをうまく発揮させようとセットアップしたのですが、それが裏目に出てしまったようで、武器にしようとしていたその部分が逆に悪さしてしまい、足を引っ張ってしまいました。ただ、最終戦の鈴鹿ではその方向では思うようにいかないということが分かったので、チームのデータとしては貴重なものを得ることができました。今回の反省を踏まえ、しっかりと修正して最終戦に臨みたいと思います。ファンの皆さんやスポンサーの方々に喜んでもらえる結果を、最終戦では出したいと思います。」 Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督 「事前テストから予選までいい流れで進めることができていたのですが、決勝で選択したマシンセットがねらいとは別の方向に行ってしまいました。とは言え、そこがうまく行ったとしても現状でのレベルは厳しいところにあるので、全体的に大きくアップさせたいところです。そういう意味で最終戦鈴鹿は8耐のデータもあり、二つもレースがあるので、そこでうまく結果を出していきたいと思います。」 MotoMap SUPPLY 今野 由寛 予選16番手/決勝14位 「なかなかレースウイークを通してうまくバイクを仕上げ切れず、苦しい戦いとなってしまいました。1コーナー、アトウッドコーナー、最終コーナーの三箇所が特に苦しく、それ以外の場所ではそこそこの走りができるのですが、苦戦を強いられる場所でタイムを上げられず、ラップタイムを上げることができませんでした。今年から使用しているタイヤの組み合わせでこのコースを走るのは事前テストが初めてで、何を選択するのが良いのかという手探り状態からスタートしたので、時間が足りなかったという印象です。でもデータはしっかりと採れたので、そういう点では大きな価値のあるレースとなりました。」 MotoMap SUPPLY 愛知 靖史 監督 「事前テストは気温が低く、路面温度も上がらない状況の中で走行したのですが、レースウイークに入ったら一転して気温が上がり、コンディションが大きく変わってしまいました。なんとかそれに対応しようとトライしたのですが、旋回スピードが上げられず、本来の順位よりも後ろでレースをしなければならなくなってしまいました。」 エスパルスドリームレーシング 生形 秀之(J-GP2クラス) 予選2番手/決勝2位 「レースウイークに入って、トップタイムをマークする高橋裕紀選手との差は歴然としたモノがあり、とにかく最大ポイントをここで獲得することに専念しました。そういう意味で2位はまずまずの結果だと感じています。最終戦に向けた準備はもう既にできているので、最後に優勝してタイトル獲得に繋げたいと思います。」 ![]()
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