レースレポート
<<前のレポートへ | 次のレポートへ>> |
ヨシムラスズキの2チームとTeam KAGAYAMA&Verityがトップテントライアルに
進出!
レジェンドたちと若手がしのぎをけずる新しい時代
レースウィークに入ると同時に東海地区の梅雨があけ、第36回鈴鹿8時間耐久ロードレースは猛暑の予選初日を迎えた。昨年度の大会で電撃復帰して、表彰台まで駆け上ったケビン・シュワンツをはじめ、今大会はかつての名ライダーたちがこぞってエントリー。別名レジェンド大会と言われるほど、懐かしい名前がならんだ。中でも注目されているのは#12をつけるLegend of ヨシムラスズキシェルアドバンスレーシングチームのケビンシュワンツ・辻本聡・青木宣篤組。実力派も名前を連ねる。元GPライダーのランディ・ド・プニエとジョシュ・ウォーターズは#34のヨシムラスズキシェルアドバンスで津田拓也とともに優勝を狙う。日本勢も黙ってはいない。昨年度表彰台を獲得したTeam KAGAYAMA&Verityは加賀山と芳賀のペアにドミニク・エガーターを加え頂点を狙う。さらに#21の浜松チームタイタンも日本人トリオで上位完走を目指している。
赤旗続出のフリー走行の中、各チームともに健闘
快晴となった金曜日の朝、フリー走行が始まる午前10時には30度を軽く超え、路面温度も55度と厳しいコンディションとなった。その影響からか、走行開始序盤から転倒やアクシデントが相次ぎ、走行はたびたび赤旗中断となる。フリー走行で3番手タイムをマークしたのはヨシムラスズキシェルアドバンス(以下#34)で、タイムは2分9秒334。Legend of ヨシムラスズキシェルアドバンスレーシングチーム(以下#12)は2分10秒198で9番手につけ、Team KAGAYAMA&Verity(#17)が13番手、前年度世界耐久チャンピオンのゼッケン1をつけるSUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(以下♯1)は15番手、スズキ社内チームの浜松チームタイタン(以下#21)は2分16秒台をマークした。
溶けるような酷暑の中で行われた計時予選
午後からの計時予選は第1~第3までの登録ライダーごとに30分ずつ行われた。この日の総合結果(3名のライダーの最速タイム)で10位以内に入ったチームは土曜日のトップ10トライアルに出場し、最終的なグリッドが決まる。一方、11位以下のチームはこの日の計時予選のリザルトが、そのまま決勝グリッドとなる。
第1ライダーの予選で津田(#34)が2位につける。タイムは2分8秒752。デラール(#1)は2分9秒917で9位、17位と19位に芳賀(#17)、シュワンツ(#34)が続き、清水は2分15秒台で40位となった。
第2ライダーの予選も気温は下がらず気温は37度。路面温度も65度のまま、過酷な状況でのタイムアタックとなった。ウォーターズ(#34)が2分9秒076で3番手につけるとエガーター(#17)は最終アタックのラップでタイムを縮め2分9秒610の5番手。世界耐久チームのニゴン(#1)は2分10秒139で8位、辻本(#12)は少し遅れて2分15秒台の30番手となった。このセッションで犬木がオープニングラップのS字コーナーで激しく転倒。マシンが激しく損傷し走行不能となった。
大逆転の加賀山、大躍進の青木で3チームがトップテントライアルに進出
第3ライダーの計時予選は予定より15分ほど遅れの午後3時半過ぎにスタートした。日差しは傾いたものの、状況は大きく変化しないまま厳しい暑さの中での予選となった。ここで見せたのは加賀山(#17)だった。♯94のチームが5周目に出したタイムが2分9秒610で第2ライダーのエガーターが出したタイムと同じ。しかもトップテントライアル進出のボーダーラインとなる同タイム10位という状況が起こったのである。
レギュレーションでは『同タイムの場合、チームで2番目に速いタイムの上位者が優先する』とされており、このままではトップ10トライアルに進出できない状況に追い込まれたのである。窮地を救ったのは渾身の走りを見せた加賀山(#17)だ。チェッカー直前の周回で加賀山は2分8秒947をマーク。総合でも5番手のタイムでトップテントライアルへの出場権を獲得した。青木(#12)も2分9秒338で総合8位に大躍進。ド・プニエは2分8秒800で第3ライダー予選枠の2位に入った。また第2ライダーの犬木が転倒したチーム浜松タイタンは修復作業を終え、第3ライダーの大城がライディング。2分17秒501の35番手でチェッカーを受けた。
結果、ヨシムラスズキシェルアドバンス(#34)、Team KAGAYAMA&Verity(#17)、Legend of ヨシムラスズキシェルアドバンスレーシングチーム(#12)がトップテントライアルにコマを進めた。
ライダーコメント
トップテントライアルのことはあまり意識せずにアタックしました。上位10台に入るかどうかの瀬戸際だというのは知っていたけどね。大事なのは決勝だから。とはいえ、何とかしないといけないなと頑張ってタイヤをかえて3周目で8秒台をマーク。きちんと仕事することができました。
|
去年と今年の僕の立場はずいぶん違っている。このチーム体制やペアライダー、そしてマシンの仕上がりを見てもらえば、誰だって本気になるよね。レースを楽しみに来たのではなく、レーサーとして勝ちに来たというところを見せたいと思う。
|
|
2分9秒4を出せば何とかなると思ってコースイン。頑張ってそのあたりのタイムが出せそうだと確信して気合いで最後まで走り切りました。1コーナーでコースアウトしちゃったのは、思わずヘルメットの中で叫んじゃったせいですかね。いずれにしてもトップテントライアルでもう一度走れるので、応援よろしくお願いします。
|
7/25(FRI)スズキエントラントチーム予選リザルト
順位 | No. | チーム | ライダー | タイム |
---|---|---|---|---|
4 | 34 | ヨシムラスズキシェルアドバンス レーシングチーム | 津田 拓也 / ジョシュ・ウォーターズ / ランディ・ド・プニエ | 2'08.752 |
5 | 17 | Team KAGAYAMA & Verity | 加賀山 就臣 / 芳賀 紀行 / ドミニク・エガーター | 2'08.947 |
9 | 12 | Legend of ヨシムラスズキシェルアドバンス | ケビン・シュワンツ / 辻本 聡 / 青木 宣篤 | 2'09.338 |
13 | 1 | SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM (SERT) | アンソニー・デラール/エルワン・ニゴン / ダミアン・カドリン | 2'09.917 |
24 | 2 | TEAM R2CL | Gareth JONES / Gwen GIABBANI / Lagrive MATTHIE | 2'12.653 |
30 | 4 | Team・橋本組・アケノスピード | 金山 和弘 / 稲垣 誠 / 田中 歩 | 2'13.543 |
35 | 10 | TOPS LIFE & Garage KENZ f / SBS KIDANI | 今村 和典 / 久米田 研志郎 / 行方 知基 | 2'14.500 |
36 | 83 | テイクアップ&TEAM JP | 田村 武士 / 長野 博 / 木村 泰善 | 2'14.628 |
38 | 50 | TEAM MOTORS EVENTS APRIL MOTO | Gregory FASTRE / Michael SAVARY / Jimmy STORRAR | 2'14.658 |
41 | 321 | Team Favorite Factory | 佐合 弘幸 / 木佐森 大介 / 福山 京太 | 2'14.956 |
43 | 21 | 浜松チームタイタン | 清水 祐生 / 犬木 翼 / 大城 光 | 2'15.176 |
52 | 29 | Y's distraction DOG HOUSE | 岩谷 圭太 / 山内 基晴 | 2'16.444 |
54 | 65 | MOTOBOX KREMER RACING by SHELL ADVANCE | Mardin DMSB / Timo PAAVILAINEN | 2'16.774 |
55 | 20 | WINNER Z-TECH & NCXX Group | 國松 俊樹 / 吉田 忠幸 / 宮崎 祥司 | 2'16.813 |
64 | 76 | 日野精機・岩城&T2 with fenice | 山内 猛寿 / 高間 弘泰 / 久野 光博 | 2'18.512 |
<<前のレポートへ | 次のレポートへ>> |