クルーゼルが力強い走りで7位/6位と健闘!
アメリカのラグナ・セカで開催されたeni FIMスーパーバイク世界選手権第12戦、チーム フィクシィ・クレセント・スズキのジュエル・クルーゼルが、第1レース7位、さらに第2レースでは6位に入る健闘を見せた。決勝を第8グリッドからスタートしたクルーゼルは第2レース、初盤から積極的な追い上げを見せ、3ラップ終了時点には6番手に浮上すると、トップグループの激しいバトルに離されまいと懸命にラップを重ねた。さらに4ラップ目にはポイント間でのベストラップを叩き出すなど、ポディウムも決して不可能ではない力強い走りを披露した。クルーゼルにとってラグナ・セカは初めてのコースにもかかわらず、確実に調子を上げてきており、次戦の地元フランスでも活躍が期待される。
また今大会では、怪我で欠場中のレオン・キャミアに代わってブレイク・ヤングが、ヨシムラによってチューンされたスズキGSX-R1000で終始安定した走りで、第1レース、第2レース共に12位でフィニッシュした。第2レースでのヤングはワンラップを終えた時点では17番手だったが、鮮やかな追い上げで順位を上げ、20ラップ目で12番手に浮上するとそのままフィニッシュまで12位をキープした。特にレース後半のヤングは、7位のライダーと互角のラップタイムを出す走りで、チームにとっても今後が楽しみな結果となった。
ラグナ・セカは、第1レ-スがおこなわれた土曜に引き続き日曜も温暖な好天に恵まれ、路面温度は42度まで上昇した。第2レースはE・ラバティ(アプリリア)が優勝、土曜の第1レースを制したT・サイクスは第2レースでは4位となったが、ランキングでは依然としてトップをキープしている。フィクシィ・クレセント・スズキは、この日の結果により今季WSBチームランキングの4位に浮上した。
シーズンも残すところ2戦、次戦の第13戦は直ちにヨーロッパへと戻り10月6日、フランスのマニクールで開催される。
- ポール・デニング チーム代表
「ジュエルの6位とブレイクの12位は、チームとしてはシーズンベストではありませんが、今日は両ライダーとチーム全員が最高に努力したことに大変満足しています。また昨日の第1レースからの改善点についても評価します。ジュエルにとっては初めてのラグナ・セカでありながら、シルバーストン以来の自己ベスト6位を獲得しました。ここは体力的消耗の激しい難コースとして名高く、さらにマシンとの相性も決して良いとはいえないコースであるにもかかわらず、です。昨日の12ラップ目でのトップとのタイム差が、今日はちょうど26ラップ目で同じになりましたし、毎ラップのアベレージでもトップとの差は0.3秒と、ジュエルとクルー達がいかに頑張ったかがわかります。ブレイクについては、充分な走り込みができていない状態だったにもかかわらず、体調管理にも非常に気をつけながら、走り出せば常にレベルアップに専念して、チームにもよく溶け込んでいました。2レース共に12位の結果は実際に我々の予想を上回るもので、今日のレース後半では7番手を狙えるラップタイムを出していました。彼を起用したことは正解であり、本当によく頑張ってくれたことに感謝します。」
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | T・サイクス | カワサキ | 16'55.703 |
2位 | C・デイビス | BMW | 1.253 |
3位 | E・ラバティ | アプリリア | 2.454 |
4位 | M・メランドリ | BMW | 2.650 |
7位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 9.134 |
12位 | ブレイク・ヤング | スズキ | 21.767 |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | E・ラバティ | アプリリア | 36'44.555 |
2位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 0.112 |
3位 | M・メランドリ | BMW | 2.051 |
4位 | T・サイクス | カワサキ | 2.304 |
6位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 10.187 |
12位 | ブレイク・ヤング | スズキ | 29.563 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | T・サイクス | カワサキ | 361 |
2位 | E・ラバティ | アプリリア | 338 |
3位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 337 |
4位 | M・メランドリ | BMW | 319 |
10位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 160 |
11位 | レオン・キャミア | スズキ | 114 |
26位 | ブレイク・ヤング | スズキ | 8 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1位 | アプリリア | 460 |
2位 | カワサキ | 415 |
3位 | BMW | 390 |
4位 | ホンダ | 225 |
5位 | スズキ | 212 |
6位 | ドゥカティ | 152 |
7位 | ヤマハ | 4 |
「今日はスタートが上手くいき、オープニングラップで順位を上げることができて、トップグループから離される事なくついていけたことにとても満足しています。レース初盤は自分が最速ライダーのうちの1台となって楽しく走りました。どうしても上手くいかなかったのがスタート・フィニッシュラインを過ぎた最初のコーナーの出口で、これでは実際ポディウムを狙うのは無理と思いながらも、レース内容には満足しています。フィクシィ・クレセント・スズキのライダーとして、これまでで最高の成績を出せたことはとても嬉しいです。ラグナ・セカのコースはなかなか難しいですが、割とスムーズに攻略することができ、楽しく走れました。自己ベストの結果を出せたのはチームの皆のおかげです、とても感謝しています。」
「最高の週末になりました。ただ、1分24秒台を出せなかったのが少し残念です。チームスタッフ全員が本当に一生懸命頑張ってくれたので、彼らの期待にもっと応えたかったからです。フィクシィ・クレセント・スズキは最高のチームで、最後は皆が笑顔で終わることができました。自分としても昨日からラップタイムを短縮して、昨日も今日も12位フィニッシュは悪くない結果だと思います。もちろん、タイムも順位ももう少し上がればさらに良かったけれど、確実に完走することもまた大切でした。WSBで走るチャンスをくれたポール代表始めチーム全員に感謝します。素晴らしい経験をさせていただき、ありがとうございます。」