レオン・キャミアが両レースで7位を獲得。
イタリアのイモラで開催されたeni FIMスーパーバイク世界選手権第7戦、チーム フィクシィ・クレセント・スズキのレオン・キャミアが第1レース、第2レース共に7位を獲得する健闘を見せた。この日のキャミアは、パワーコントロールとコーナー進入時のチャタリングに苦しみながらも、各レース21ラップに渡り、常に他ライダーとの激しいバトルを繰り広げ、最後まで粘って両レース7位。これらの問題さえ無かったなら表彰台も間違いない走りを見せた。
一方でチームメイトのジュエル・クルーゼルは、14番グリッドスタートから追い上げるレースを組み立て、ヨシムラによってチューンされたスズキGSX-R1000と共に第2レースで11位フィニッシュ。第2レースの序盤はL・ハスラム(ホンダ)、A・バドビーニ(ドゥカティ)の前で9番手争いを展開したが、ハンドリングのトラブルで後半はペースが上がらず、レース終盤で9番手のポジションをハスラムに譲り、さらにラストラップの最終シケインをストレート走行したことで後方からバドビーニにかわされ、11位となった。第1レースでは不運にもクラッシュに見舞われDNFを余儀なくされたクルーゼルだったが、第2レースは気を取り直して完走、ルーキーながら大きな期待を受けてシーズンを懸命に消化している。
この日のイモラは快晴に恵まれ、路面温度は54度まで上昇。スーパーポールから好調だったT・サイクス(カワサキ)が決勝2レースを制し、現時点でのポイントランキングトップとなった。
フィクシィ・クレセント・スズキはもう1日イモラでテストをおこなった後、次戦への準備に入る。第8戦は7月21日、ロシアのモスクワサーキットで開催される。
- ポール・デニング チーム代表
「期待していた結果が出せずに終わりましたが、これは決してチームクルーやライダーのせいではありません。レオンは最後まで一生懸命走り抜きました。しかし特に低速コーナーの出口ではマシンのパフォーマンスと安定性が追いついていなかったために、レオンにさらにタフなレースを強いることになりました。トップ5バトルに加わるべく可能な限り取り組んでいますが、BMWファクトリーとはラップ0.5秒離されています。両ライダーがGSX-Rのポテンシャルを最大限に駆使して気分良く走り、順位を上げることができるよう、頑張らなければなりません。ジュエルにとっても今日は厳しい日になりました。決勝になってもマシンに改良を加えるのはいつものことですが、第1レースはクラッシュ、第2レースはマシントラブルでトップ10フィニッシュにわずかに届かなかったのは残念。改善点は多々あり、明日のテストで改めて取り組みたいと思います。」
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | T・サイクス | カワサキ | 37'52.860 |
2位 | D・ジュリアーノ | アプリリア | 7.198 |
3位 | E・ラバティ | アプリリア | 9.484 |
4位 | M・メランドリ | BMW | 10.323 |
7位 | レオン・キャミア | スズキ | 22.412 |
DNF | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 8Laps |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | T・サイクス | カワサキ | 37'51.947 |
2位 | J・レイ | ホンダ | 5.032 |
3位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 10.201 |
4位 | M・メランドリ | BMW | 13.120 |
7位 | レオン・キャミア | スズキ | 25.420 |
11位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 47.888 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | T・サイクス | カワサキ | 235 |
2位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 229 |
3位 | E・ラバティ | アプリリア | 190 |
4位 | M・メランドリ | BMW | 182 |
5位 | C・デイビス | BMW | 154 |
10位 | レオン・キャミア | スズキ | 80 |
11位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 77 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1位 | アプリリア | 289 |
2位 | カワサキ | 259 |
3位 | BMW | 237 |
4位 | ホンダ | 138 |
5位 | スズキ | 122 |
6位 | ドゥカティ | 96 |
「ホイールのリムとタイヤがずれてバランスが崩れチャタリングが発生する問題があり、自分ではどうすることもできませんでした。あるコーナーではチャタリングが発生せず上手くスピードに乗れて前のライダーに追いつくこともでき、これならポディウムを狙えるのではと思いましたが、他のあるコーナーではチャタリングが発生しスピードを上げることができないのです。ポジティブに考えるならば、今回はとにかく最後までよく頑張ったし、問題が何もなければ勝ちに行けるレースでした。電気系統についても、これまでかなり手掛けてきてはいますが、さらに見直しを図ってよりパワフルなマシンに仕上げて走りたいです。」
「この週末は、スピードも成績も思い通りにいかなかったので残念です。特に第1レースはベストパフォーマンスを発揮できるつもりでしたが、2回もコースアウトがあり、さらに2回目はギア操作ミスでクラッシュしてしまいました。レースペースは決して悪くなく、8位か9位を狙えるスピードでしたが。第2レースは第1レースほど調子が出ない感じのまま、ハスラムとバドビーニとのバトルになりました。最初は2人の前に出たのですが、中盤でフロントに違和感を感じたのでターンに少し慎重になり、ペースを落としました。ラストラップの最終シケインではローギアに入らず、真っ直ぐ行ってしまって順位を下げて、今回は思うような結果が出せずレースを楽しめなかった原因について、明日のテストで色々解決したいです。」