キャミアが第1レースで4位獲得、クルーゼルも両レースでトップ10入りの活躍。
ポルトガルのポルティマオで開催されたeni FIMスーパーバイク世界選手権第6戦、チーム フィクシィ・クレセント・スズキのレオン・キャミアが第1レース、自身にもチームにも今季最高位となる4位を獲得し、本来の実力をアピールした。
この日12番グリッドスタートのキャミアは、スタート後に他のライダーからのアタックを受けたことでラインを外し、オープニングラップを終えた時点で15番手に順位を落としてしまう。しかしながらキャミアは猛然と追い上げを開始、次々と他のライダーをパスする鮮やかな走りで、5ラップ目にはトップ10へと浮上した。その後もJ・レイ(ホンダ)、E・ラバティ(アプリリア)がマシントラブルでリタイヤする中、キャミアは着実にラップを刻み、11ラップ目には4番手となると、そのまま安定したペースを保ち、トップのM・メランドリ(BMW)に9秒差で4位のチェッカーを受けた。キャミア自身にとっても、またチームにとっても4位は今シーズン最良の結果となり、ヨシムラによってチューンされたスズキGSX-R1000の高性能を如何なくアピールした。続く第2レースでもキャミアは好調なスタートから6番手につけたが、12ラップに入ったところでわずかなマシントラブルが発生したため、無念のリタイアとなった。
一方、チームメイトのジュエル・クルーゼルは、第1レース、第2レースともに安定感のある積極的な走りでトップ10フィニッシュを決めた。3列目センターのスタートから、第1レースのクルーゼルはオープニングラップを終えた時点で9番手、その後本来の走りのリズムをつかめず12番手へ後退するも、11ラップ目には再び9番手に浮上、さらにC・チェカ(ドゥカティ)を20ラップ目にパスし、8位でチェッカーを受けた。続く第2レースでは、レース前にセッティングを変更したことで、クルーゼルもマシンもさらに優れたパフォーマンスを発揮、好ラップタイムに結びついた。第1レース1位のメランドリとの激しいバトルの末、14ラップ目でメランドリの前に出たクルーゼルは7番手に、さらにD・ギグリアーノ(アプリリア)からの激しい追撃にあうも見事にこれを押さえ、7位フィニッシュを遂げた。
この日のポルティマオは曇り空ながら第1レースの気温は27度まで上昇した。第1レースはM・メランドリが、S・ギュントーリにわずか0.007秒差というスーパーバイク史上最少僅差で勝利、第2レースはE・ラバティが制した。
第7戦は6月30日、イタリアのイモラで開催。フィクシィ・クレセント・スズキはこのあと本拠地イギリスへと戻り、次戦に備える。
- ポール・デニング チーム代表
「第1レースでのレオンが、オープニングラップを終えた時点の15番手から最後は4位まで追い上げたこと、さらに後半の12ラップはトップと同等の安定した走りをキープできたことは、チームとしても大きな収穫でした。第2レースではギアリンケージにトラブルが発生し、第1レースで好結果を出しただけにおおいに悔やまれるところでした。ジュエルにとって、ポルティマオでGSX-Rのレースは初めての挑戦でしたが、第2レース前のセッティング変更も上手くいき、2レースとも堅実な走りで結果を出してくれて、これは次戦にも結びつきます。イモラはレオンも昨年活躍したコースなので、2人とも今回よりさらに良い結果が出せるよう、チームで全力を尽くして取り組んでいきます。」
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | M・メランドリ | BMW | 38'12.447 |
2位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 0.007 |
3位 | T・サイクス | カワサキ | 4.224 |
4位 | レオン・キャミア | スズキ | 9.479 |
5位 | L・バズ | カワサキ | 12.057 |
8位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 22.337 |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | E・ラバティ | アプリリア | 38'02.051 |
2位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 4.107 |
3位 | J・レイ | ホンダ | 5.853 |
4位 | L・バズ | カワサキ | 15.306 |
7位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 29.392 |
DNF | レオン・キャミア | スズキ | 11Laps |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 213 |
2位 | T・サイクス | カワサキ | 185 |
3位 | E・ラバティ | アプリリア | 174 |
4位 | M・メランドリ | BMW | 156 |
5位 | C・デイビス | BMW | 133 |
10位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 72 |
11位 | レオン・キャミア | スズキ | 62 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1位 | アプリリア | 253 |
2位 | BMW | 211 |
3位 | カワサキ | 209 |
4位 | ホンダ | 112 |
5位 | スズキ | 104 |
6位 | ドゥカティ | 82 |
「第1レースはスタートから良い感じで出ていき、ハスラムをイン側から上手くパスしましたが、ハスラムがターンのブレーキングで私に当たってきました。それでタイムをロスして順位も落ちてしまい、その後はとにかく遅れを取り戻すための走りに徹した。15番手から4位まで追い上げることができたのは良かったと思います。マシンの感触も非常に良く、思い通りの走りで追い上げることができました。フィクシィ・クレセント・スズキのマシンスピードは確実にアップしています。特にストレートでは、最終コーナーから出てストレートの終わりまでにライバルを確実にパスできるだけのポテンシャルがありました。これまではなかなか難しかったことですが今日はそれができて、満足のいく走りができました。第2レースは途中からトラブルが発生し、それでもなんとか頑張って順位を上げていきましたが、第1レースのようにはいきませんでした。走りのリズムも自分なりに掴んで、トップグループも見えていてこの調子で行けば4位か5位は狙えると思いましたが、残念です。」
「今日は両レースでトップ10に入ることができて嬉しいです。特に第1レースはとても厳しい展開で、スタート後にリアタイヤのフィーリングに違和感があり最初の2ラップは何度かハイサイド気味になりました。落ち着いて確実に行こうと自分に言い聞かせ、その後は自分なりのペースを保って8位でした。第2レースはもっと良い結果を出すためにマシンセッティングを変えた結果、レースペースが上がり、前半の10ラップはレオンのすぐ後ろについていくことができました。全ラップでタイムも上がり、結果にも結びつきました。あとはリアのフィーリングを最後までキープできるようさらに改善できればと思います。マシンセッティングが上手くいき成績も出て、良い週末になりました。次のイタリアでもさらに良い結果を出したいです。」