WMX第11戦 デサールが総合3位獲得でランキング争いも白熱。
7月6日~7日、ラトビアのケグムで開催された2013FIMモトクロス世界選権シリーズ第11戦、首都リガの東方にあるケグムサーキットには、過酷なコースでの激戦をこの目で見ようと2万2000人を越える観客が詰めかけた。ロックスターエナジースズキのクレメン・デサールは第1レース3位、第2レース3位で前大会に続き再び総合3位を獲得、今シーズン通算8度目のポディウム登壇を果たした。チームメイトのケビン・ストライボスも第1レース6位、第2レース7位で総合7位となり、3週連続の北ヨーロッパラウンドは次週のフィンランド大会へと続く。
ケグムは固い路面と細かいギャップ、さらにソフトなサンドセクションとがミックスした土質が特徴のテクニカルコース。来年2014年のモトクロス・オブ・ネイションズ開催会場に決定しており、注目度も高い。今大会もまた、マシンにもライダーにも大変タフなコースレイアウトで、気温が上がったためライダーの持久力も大いに問われるレースとなった。
スズキファクトリーマシンRM-Z450WSと共に、土曜の予選をデサールが5位、ストライボスが6位で通過し、両ライダーは日曜の決勝第1レースに臨んだ。デサールは前日よりも遥かにパフォーマンスに優れたハイレベルな走りを披露、スタート後からすぐに3番手につけると、前を行くA・カイローリ(KTM)を追う。カイローリに接近する場面はあったものの、バックマーカーが間に入ったこともあり、最終的にカイローリを捉えることはできなかった。しかしながら後方のJ・バンホービーク(カワサキ)からの追い上げを確実に押さえ、デサールは第1レース3位フィニッシュ。第2レースでも、デサールは2番手のK・デダイカー(KTM)を追い、4番手T・サール(カワサキ)からの追撃をかわす形となり、そのまま第1レースとほぼ同じ展開で3位、この日の総合3位を獲得した。シリーズ第5戦以降の7大会中で見ると、デサールは第9戦を除くすべての大会でポディウム登壇を果たす、安定した成績を続けている。また今回の総合ポイントでデサールが40ポイント、総合4位のG・ポーリン(カワサキ)が34ポイント獲得したことで、ポイントランキングにおいても2位ポーリンと3位デサールのポイント差は18ポイントに狭まった。ランキングトップは依然としてカイローリで、ポーリンに82ポイントリードする。
一方のストライボスは、決勝では鮮やかなスタートを見せるなど、デサールと共にダブルポディウムの期待も高まったが、腕上がり症状に悩まされ思うようにペースが上がらず、第1レースは6位。第2レースは華麗なスタートダッシュを見せながら最後は7位フィニッシュで、この日の総合7位となった。ポイントランキングでは5位をキープ、4位のデダイカーに79ポイント差、6位のサールには9ポイントリードする。
次戦は7月13日~14日、FIMモトクロス世界選手権では初の会場となるフィンランドのヒュビンカーで開催される。
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1 | K・デダイカー |
KTM |
39'15.569 |
2 | A・カイローリ |
KTM |
0'07.750 |
3 | クレメン・デサール |
スズキ |
0'12.832 |
4 | J・バンホービーク |
カワサキ |
0'25.821 |
5 | G・ポーリン |
カワサキ |
0'32.184 |
6 | ケビン・ストライボス |
スズキ |
0'34.058 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 |
A・カイローリ |
KTM |
47 |
2 |
K・デダイカー |
KTM |
47 |
3 |
クレメン・デサール |
スズキ |
40 |
4 |
G・ポーリン |
カワサキ |
34 |
7 |
ケビン・ストライボス |
スズキ |
29 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 |
KTM |
526 |
2 |
スズキ |
440 |
3 |
カワサキ |
438 |
4 |
ホンダ |
337 |
5 |
ヤマハ |
194 |
6 |
TM |
157 |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ |
KTM |
39'33.938 |
2 | K・デダイカー |
KTM |
0'05.408 |
3 | クレメン・デサール |
スズキ |
0'09.753 |
4 | G・ポーリン |
カワサキ |
0'12.063 |
5 | J・バンホービーク |
カワサキ |
0'14.796 |
7 | ケビン・ストライボス |
スズキ |
0'28.675 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 |
A・カイローリ |
KTM |
514 |
2 |
G・ポーリン |
カワサキ |
432 |
3 |
クレメン・デサール |
スズキ |
414 |
4 |
K・デダイカー |
KTM |
406 |
5 |
ケビン・ストライボス |
スズキ |
327 |
「土曜に調子が出なかったので、今日はマシンのセッティングを変えて走って、実際に第1レースからその成果が出た。土曜の走りはまったく不甲斐なかったが、今日のセッティングでとても乗りやすくなり、ポジティブに集中することができ、3位を獲得できた。第2レースの方がさらにスタートがうまく決まり、3位を狙って頑張った。カイローリもデダイカーも2人とも速く、実際彼らとのギャップを縮めるのは難しかった。ラスト10分では後ろの何台かが猛烈に追い上げてきたのがわかったが、自分もスピードに乗れていたし、ラインを外さず最後まで集中して走った。総合3位になることができて嬉しいが、やはりもっと頑張って一番高いところに立ちたい。」
「ある意味では、それほど悪くない結果だと思う。第1レースも第2レースも同じような展開で、スタートもまずまず良かったが、両レースとも前半に余計な時間を費やしてしまった。あれがなければもっと良い結果だったろう。第1レースは4番手で出て、バンホービークにパスされたあといくつかミスをして腕上がりしてしまい、その後の数ラップは辛かったが、またペースを取り戻し、6位になることができて良かった。第2レースは、第1コーナーで少しだけアウトに膨らんだが、前半のうちにペースを取り戻そうと思いかなり攻めていった。けれどもラップタイムは上がらず前のライダーに追いつくこともできず、バトルのない平凡な走りのまま、ラスト2ラップのところで前のサールに仕掛けようとしたがそれも失敗、そのままフィニッシュになった。全体的には第2レースの方が上手く走れたが、スタート後の最初の10分間のレース内容に課題が残る。来週のレースは得意なサンドコースなので、頑張って良い結果を出したい。」