クレメン・デサールが第1レースで快勝!
6月15日~16日、イタリアのマジョーラで開催された2013FIMモトクロス世界選権シリーズ第9戦、ロックスターエナジースズキのクレメン・デサールが第1レースで圧倒的な速さを見せ1位を獲得した。厳しい暑さの中の決勝レースとなったが、会場には3万8000人の観客が詰めかけた。デサールは第2レースも好調な走りでポディウム確実と思われたが、ラスト4ラップのところで電気系トラブルに見舞われてリタイヤを余儀なくされ、残念ながら総合ポディウムでのシャンパンファイトはならなかった。
全17戦中の第9戦会場としてマジョーラは、かつての名コースとして知られ、今回は全面リニューアルと共にWMX会場として復活。固い土質のコースはダイナミックなターンが連続し、わだちも多くスリッピーでもあり、激しい急斜面はレースの見せ場でもあり、また格好の観戦ポイントにもなる。
前日の予選レースでは、初めて走るマジョーラの土に少々苦戦したデサールだったが、決勝第1レースは鮮やかなスタートから、ランキングトップのA・カイローリ(KTM)とのトップバトルを披露。その後カイローリの転倒によってトップに出たデサールは、そのまま独走状態で35分プラス2周を快勝、25ポイントを獲得した。続く第2レースはスタートこそ中盤で出たものの、その後7番手から着実に順位を上げ、4番手争いに加わった。しかしながら残り4ラップのところで、2010年終盤のブラジル大会以来のマシントラブルでリタイアを余儀なくされた。
一方でチームメイトのケビン・ストライボスは、第1レースでは順調なスタートで5番手につけたが、やはり初めて経験するマジョーラのコース攻略に苦しむ形で結果は7位。第2レースは第1レースより自信に満ちて安定した走りを見せるも、再び7位で終了、総合では6位を獲得した。
ポイントランキングでデサールは現在3位、ポイントリーダーのカイローリに83ポイント差、今回総合優勝のG・ポーリン(カワサキ)との32ポイント差を追う。ストライボスはT・サール(カワサキ)を押さえ現在5位につけている。
この1ヶ月にわたり南米、北米遠征から今大会のイタリアと長旅が続いたロックスターエナジースズキは、7月のスウェーデン、ラトビア、フィンランド大会に備え、来週にかけてつかの間の休養を取り、鋭気を養う。
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1 | クレメン・デサール |
スズキ |
39'15.768 |
2 | K・デダイカー |
KTM |
0'07.677 |
3 | G・ポーリン | カワサキ |
0'12.885 |
4 | A・カイローリ |
KTM |
0'18.838 |
5 | J・バンホービーク |
カワサキ |
0'24.491 |
7 | ケビン・ストライボス |
スズキ |
0'54.258 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 |
G・ポーリン | カワサキ |
45 |
2 |
K・デダイカー |
KTM |
42 |
3 |
A・カイローリ |
KTM |
40 |
6 |
ケビン・ストライボス |
スズキ |
28 |
10 |
クレメン・デサール |
スズキ |
25 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 |
KTM |
426 |
2 |
カワサキ |
368 |
3 |
スズキ |
360 |
4 |
ホンダ |
282 |
5 |
ヤマハ |
151 |
6 |
TM |
130 |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1 | G・ポーリン | カワサキ |
40'06.399 |
2 | A・カイローリ |
KTM |
0'10.337 |
3 | K・デダイカー |
KTM |
0'30.330 |
4 | J・バンホービーク |
カワサキ |
0'38.201 |
7 | ケビン・ストライボス |
スズキ |
0'57.269 |
23 | クレメン・デサール |
スズキ |
4Laps |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 |
A・カイローリ |
KTM |
417 |
2 |
G・ポーリン |
カワサキ |
366 |
3 |
クレメン・デサール |
スズキ |
334 |
4 |
K・デダイカー |
KTM |
319 |
5 |
ケビン・ストライボス |
スズキ |
271 |
「第1レースはスタートから最後まですべてが順調にいった。カイローリの転倒でトップに出て、リズムに乗れた走りができてラップタイムも良く、ギャップ走行も上手くコントロールできた。第2レースもこの調子で行こうと、無理せず積極的な走りを心がけた。このコースはスタートが重要になるが、第2レースのスタートはトップ5で出れなかったのが悔やまれた。必死に追い上げて4番手争いまで行ったが、突然マシンがストップしてしまった。とても残念だが、レースは常に何が起こるかわからない。次の週末はオフなので、ライディング練習よりはじっくり自分なりのトレーニングをおこないたいと思う。」
「第1レースはスタートも良く、この調子で行けるのではと思ったが、今ひとつスピードに乗りきれず、どうしてよいかわからないままに終わってしまった。第2レースはその状態も改善でき、結構良い感じで走れた。走っていて楽しかったし、ジャンプも調子良く飛べた。2レースとも7位というのは決して満足な結果とは言えないが、トップ10に入るのは当然の成績。特に第2レース前、マシンのセッティング変更に頑張ってくれたチームに心から感謝したい。もっと走りやすく、勝つためのマシンセッティングを常に追及している。今日は思うような結果が出せなかったが、ブラジルGPからAMAナショナルとずっと遠征続きで忙しかったので、久しぶりのオフで休養してまた頑張りたい。」