クレメン・デサールが怪我にも負けず総合3位獲得。
5月4日~5日、快晴のポルトガル・アゲダで開催された2013FIMモトクロス世界選手権シリーズ第6戦、ロックスターエナジースズキのクレメン・デサールが第1レ-スで2位となり、この日の総合3位を獲得した。
詰め掛けた1万5千人の観衆を前に、RM-Z450ファクトリーマシンを駆るデサールは、決勝の2レースともG・ポーリン(カワサキ)、A・カイローリ(KTM)とのトップ3バトルを展開した。第2レースのラスト2ラップで、3番手を走っていたデサールは前のポーリンをパスしようと仕掛けるが転倒、結果は5位となったものの、総合3位となり今シーズン4度目のシャンパンファイトを披露した。
アゲダのコースは、ハイスピードな中にギャップやわだちがミックスされたテクニカルなレイアウトで、ライダーは35分プラス2周のレースの間じゅう、一瞬たりとも気を抜くことはできず、肉体的にも精神的にも過酷なWMX屈指のタフなコースとして知られる。このアゲダでデサールは、過去3回のレースで常に好成績を出し、自身が最も得意なコースの1つとしていた。そして今回も土曜の予選を今シーズン初のトップで通過し、優勝の期待が高まったが、土曜の夜にたっぷり散水されたことで決勝日の路面コンディションは一変、荒れて深いわだちの1本ラインが出来上がった。
決勝2レースともに、デサールは好スタートを決めると、ポーリン、カイローリとの3台でトップバトルに入った。第1レースでは今ひとつ攻めきれないまま3番手をキープしていたが、最終ラップでカイローリの転倒により2番手に浮上、そのままフィニッシュした。続く第2レースはカイローリ、ポーリンの後ろについてチャンスを狙い、ラスト2ラップで勝負に出たデサールだったが、テーブルトップ着地のギャップで転倒、身体がマシンから離れてしまった。この転倒で首と背中を負傷したものの、デサールは再スタートして5位でフィニッシュした。
チームメイトで同じくRM-Z450ファクトリーマシンを駆るケビン・ストライボスは、本来の実力を発揮できず10位/9位で総合9位となった。固い路面の攻略に苦戦し、スタートでトップグループに入れず、さらに第1レースは腕上がりにさいなまれたためトップ5入りには届かなかった。それでも第2レースはリアショックの変更により調子を上げ、かろうじてポイントランキングをキープした。デサールは現在ポイントランキング3位で、2位のポーリンに15ポイント差。ストライボスはT・サール(カワサキ)に3ポイントのアドバンテージでランキング5位につけている。
第7戦は5月19日、ブラジルのベトカヘロで開催。ロックスターエナジースズキはRM-Z450ファクトリーマシンをブラジルへと送り、レース準備をおこなう。
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1 | G・ポーリン | カワサキ |
39'41.179 |
2 | クレメン・デサール |
スズキ |
0'20.053 |
3 | A・カイローリ |
KTM |
0'36.700 |
4 | M・ナグル |
ホンダ |
0'41.427 |
5 | J・バンホービーク |
カワサキ |
0'44.140 |
10 | ケビン・ストライボス |
スズキ |
1'30.680 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 |
G・ポーリン | カワサキ |
47 |
2 |
A・カイローリ | KTM |
45 |
3 |
クレメン・デサール |
スズキ |
38 |
4 |
K・デダイカー |
KTM |
34 |
9 |
ケビン・ストライボス |
スズキ |
23 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 |
KTM |
285 |
2 |
カワサキ |
242 |
3 |
スズキ |
237 |
4 |
ホンダ |
188 |
5 |
ヤマハ |
101 |
6 |
TM |
93 |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ |
KTM |
39'56.650 |
2 | G・ポーリン | カワサキ |
0'03.804 |
3 | K・デダイカー |
KTM |
0'08.306 |
4 | T・サール |
カワサキ |
0'08.912 |
5 | クレメン・デサール |
スズキ |
0'21.757 |
9 | ケビン・ストライボス |
スズキ |
0'39.969 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 |
A・カイローリ |
KTM |
280 |
2 |
G・ポーリン |
カワサキ |
242 |
3 |
クレメン・デサール |
スズキ |
227 |
4 |
K・デダイカー |
KTM |
217 |
5 |
ケビン・ストライボス |
スズキ |
183 |
「まったくもって、第1レースはスピードには乗れていたが、とても暑く、リラックスしてリズムをつかんだ走りができなかった。3位では満足できないが、悪い結果ということもない。第2レースはスタートを4番手で出て行って3番手に上がり、ポーリンの後ろについたがなかなかパスのチャンスがなく、その間にトップのカイローリに大きく離された。ラスト2周になって、ラップタイムも出ていたしかなりポーリンに接近していたので、仕掛けるなら今しかないと自分に言い聞かせてパスを試みたが、ブレーキングポイントのギャップでクラッシュしてしまった。今も身体じゅうが痛い。なんとかマシンを起こしてフィニッシュはしたが、首と背中を痛めてしまった。メディカルで診てもらうとおそらく大丈夫ということだったが、もしも明日になって悪化するようなら、火曜に検査に行く予定だ。確かにクラッシュした時は、それまでのラップよりも飛び出しのタイミングが少し早かった。マシンと身体がからんだかどうかは覚えていない。ハードな路面だが、ここは好きなコースなので今日は勝てると思っていたが、ポーリンとカイローリの前に出れずに残念だ。けれどとにかくベストは尽くした。次のレースであと少しの運をつかみたい。」
「コースを攻略できず、成績が出ないまま終わってしまった。土曜から腕上がりに悩まされ、決勝でも第1レースの1周目からその症状が出ていた。いつもなら他のライダーをパスできるようなコーナーでも今日はそれができずに、最後までただ周回していたという感じで、レースが終わってからもまったく不機嫌だった。第2レースはリアショックを換えてみた。腕上がりが少し軽減されて走りやすくはなったが、やはり攻める走りをするまでには至らなかった。なぜなのか原因がわからない、残念なレースだった。このコースは割と相性も良く、路面が荒れれば自分の実力が発揮できるはずと楽しみにしていたのだが、今日は本当にうまくいかなかった。」