WMX最終戦 ストライボスは総合2位獲得でポイントランキング4位奪取。デサールもランキング2位でスズキの強さをアピール!
2013FIMモトクロス世界選権シリーズは9月7~8日、オランダ・ベネルクスのリロップで最終戦となる第17戦が開催された。ロックスターエナジースズキは、ケビン・ストライボスが第1レース、第2レース共に2位となる大健闘で総合2位を獲得、この結果シリーズランキングも4位に浮上して有終の美を飾った。一方のクレメン・デサールは、第1レース12位、第2レース6位で総合9位に終わるも、すでに前大会で2013シリーズランキング2位を決めており、2台のスズキファクトリーマシンRM-Z450WSがランキングトップ4に入る好成績で2013シーズンを締めくくった。デサールとストライボス、2人のポディウム登壇によりチームにもたらされたトロフィーは今季、合わせて19本に上った。
決勝日の朝、南オランダのリロップには激しい雨が降り、会場に詰めかけた1万7000人のファンの足元をヘヴィマディに変えてしまう。その後天候は回復、太陽が照りつけ気温も上昇したものの、コースは依然としてヘヴィマディのまま、ライダーにとってはほんのわずかなミスでさえ勝負の分かれ目となる屈指のテクニカルコースとなった。 決勝前日、ストライボスは予選レース前の公式練習でベストラップを叩き出して好調をアピール。しかしながらストライボスにとって最も重要な課題は、35分プラス2周の決勝2レースで最後までハイスピードのリズムをキープできるかどうかということだった。慎重にパワー温存の作戦をとり決勝レースに挑んだストライボスは、第1レースではトップ走行を披露してこのまま行けば2007年以来となる久々の勝利も期待された。が、第1レースはS・シンプソン(ヤマハ)、第2レースはA・カイローリ(KTM)にトップを譲り、両レース共に2位でフィニッシュ。1位/3位のシンプソンが総合1位となり、2位/2位のストライボスが総合2位、カイローリは4位/1位で総合3位、いずれも1ポイントずつの僅差で3者がポディウムに立った。
クレメン・デサールは、前回までの3大会で勝利を上げ、最終戦を待たずにすでに前大会でシリーズランキング2位を確定していた。しかしながら今大会のデサールはレースウィークの始めから苦戦、決勝日にも本来の実力を発揮できず、第1レースはオープニングラップで転倒、最後尾からの追い上げを強いられ12位まで挽回するも、4大会連続でのポディウム登壇はならなかった。第2レースでは気を取り直しスタート後は2番手につけたが、やがてストライボスを含むトップ5バトルから最後は手堅く6位でフィニッシュ、総合で9位。今季のポディウム獲得合計数はデサールが13回、ストライボスは6回となった。
これにて2013FIMモトクロス世界選手権は終了し、今月末には『第67回 モンスターエナジー FIMモトクロス・オブ・ネイションズ』がドイツのトイッツェンタールで開催される。国別対抗となるこのビッグイベントでは、ベルギー代表のエースライダーとしてデサールの活躍が期待される。
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1 | S・シンプソン |
ヤマハ |
41'15.958 |
2 | ケビン・ストライボス |
スズキ |
0'21.348 |
3 | E・ボブリシェフ |
ホンダ |
0'41.170 |
4 | A・カイローリ |
KTM |
0'58.008 |
5 | K・デダイカー |
KTM |
1'12.295 |
12 | クレメン・デサール |
スズキ |
1Lap |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 |
S・シンプソン |
ヤマハ |
45 |
2 |
ケビン・ストライボス |
スズキ |
44 |
3 |
A・カイローリ |
KTM |
43 |
4 |
E・ボブリシェフ |
ホンダ |
36 |
9 |
クレメン・デサール |
スズキ |
24 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 |
KTM |
788 |
2 |
スズキ |
719 |
3 |
カワサキ |
649 |
4 |
ホンダ |
538 |
5 |
ヤマハ |
367 |
6 |
TM |
254 |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ |
KTM |
41'26.990 |
2 | ケビン・ストライボス |
スズキ |
0'53.200 |
3 | S・シンプソン |
ヤマハ |
1'00.939 |
4 | K・デダイカー |
KTM |
1'12.036 |
5 | E・ボブリシェフ |
ホンダ |
1'13.573 |
6 | クレメン・デサール |
スズキ |
1'18.145 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 |
A・カイローリ |
KTM |
761 |
2 |
クレメン・デサール |
スズキ |
671 |
3 |
K・デダイカー |
KTM |
607 |
4 |
ケビン・ストライボス |
スズキ |
553 |
5 |
G・ポーリン |
カワサキ |
539 |
「シリーズランキング2位獲得はもちろん嬉しいが、今日のレースは全体に悔しい結果だ。レース前の雨でコンディションがひどくトリッキーに変わり、第1レースでは1ラップ目で大転倒してしまった。これはかなりタフな展開になると思い、何とかしてリズムを掴んでそれをキープしたかったが、また転倒してしまい、その時にハンドルバーで胃を強く打ってしまってしばらく呼吸ができないほど痛かった。再スタートはしたが、12位まで上がるのが精一杯だった。第2レースも、今シーズンのサンドコースの中でもベストライドとは言えない走りで終わった。自分の目標はチャンピオンを取ることで、いつでもそれだけを考えて頑張っているし、実際に今シーズンの終盤戦ではその可能性を追い求めた。だからランキング2位は、嬉しくもありまた悔しくもある。」
「総合2位になったが、手放しで満足できる結果ではない。今日の目標は、ランキング4位に上がることとレースで1勝を挙げることだったが、片方しか叶えられなかった。特に第2レースはスタートは良かったのにレース運びが今ひとつで、課題の残る内容になった。ラスト10分あたりからようやく調子が出てきて、6番手から2番手まで追い上げることができたのは満足だったが、1ポイント差の総合2位はとても悔しい。ショーン(シンプソン)がとても調子が良かったので仕方ないが、第2レースは安全策でスピードをセーブしたことが結果的にライン取りのミスにつながってしまい、その隙にショーンとアントニオ(カイローリ)にパスされたが、最後は2位まで追い上げた。」