予選のアクシデントで肩を負傷。小島庸平のタイトル獲得はならず。
小島はランキング4位、熱田孝高は5位でシーズンを終える。
IA2岡野は総合7位。LMXの邵洋子は見事な逆転で連破達成!!
MFJ全日本モトクロス選手権シリーズ第9戦「山田建設杯 第51回 MFJ-GPモトクロス大会 2013全日本モトクロス選手権シリーズ最終戦」が、宮城県柴田郡村田町のスポーツランドSUGOインターナショナルモトクロスコースで開催された。IA1クラスでタイトルに王手をかけて挑んだTeam SUZUKIの小島庸平は、土曜日の予選で転倒し肩を負傷。全力を尽くしてレースに挑むもタイトル獲得はならなかった。予選、決勝とアグレッシブな走りを見せトップ争いを演じた熱田孝高は総合5位。小島は総合11位でポイントランキングは小島が4位、熱田は5位と結果となった。
IA2クラスの岡野 聖はヒート5-11、総合7位。またLMXクラスではSRFスポーツ&SHOレーシング美杉の邵洋子が見事な逆転勝利を飾り2年連続チャンピオンに輝いた。
低気圧の通過でまたしても雨に見舞われた最終戦。土曜日の予選はベストコンディションで行われたものの、未明に降り始めた雨が時折雨足を強くして終日降り続き、決勝は路面コンディションがどんどん悪くなるマディレースとなった。ポイントランキングトップで最終戦に臨んだ小島にアクシデントが起きたのは予選のスタート直後。得意のスタートを決めた小島は、このコース最大の特徴でもある急斜面の「大坂」を上位集団の中で走り抜けようとしたが、その先のステップアップジャンプで他車と接触し転倒。後続に轢かれ、その際右肩を脱臼してしまう。なんとか自力でピットに戻り、肩を整復し再びレースに復帰した小島だったが、本来の走りは困難な状況に陥ってしまう。
IA1クラス第1ヒート、オープニングラップを制したのは熱田。小島は1周目8番手でコントロールラインを通過。地元で気合の入った走りを見せた熱田は序盤、スポット参戦したグランプリライダーを抑える健闘を見せるが、4周目にミスで後退。一方の小島も懸命の走りで序盤6番手まで順位を上げるが、中盤以降はペースを維持することが出来ず順位を落としてしまう。結果、熱田は6位、小島は12位でチェッカー。この時点で小島はトップと2ポイント差のランキング2番手に後退。最終ヒートに一縷の望みを託すことになる。
IA1クラス第2ヒート、渾身のスタートを決め1コーナーを真先に駆け抜けた小島だったが、更に滑りやすくなったコースでマシンを抑えることが出来ずにオープニングラップは8番手で通過。熱田は5番手のポジションから追い上げを開始する。力強い走りを見せた熱田は上位のライダーを確実にパスし、9周目には2番手まで順位を上げるが、直後に転倒。エンジン再始動に手間取り6番手で戻ってきた熱田は、終盤ひとつ順位を挽回し5位でチェッカー。苦しいレースを強いられた小島はこのヒートも12位。総合結果では熱田が5位、小島は11位。最終ランキングは小島が4位、熱田が5位でシーズンを締めくくった。
IA2クラス第1ヒート、岡野は4番手で1周目のコントロールラインを通過。前半トップ争いを演じた岡野だったが、中盤以降は単独5番手の走行となり、このポジションをキープしてフィニッシュ。第2ヒート、オープニングラップ15番手と出遅れた岡野は中盤9番手に順位を上げ更に上位進出を狙うが、後半ミスで15番手まで順位を下げ、再び追い上げを試みるも時間切れとなり11位でチェッカーを受けた。
6戦の有効ポイント制で争われるLMXクラスでは、邵が1周目13番手のポジションから激しい追い上げを見せ、先着した者がチャンピオンとなる僅差のランキング争いで、タイトルを争う竹内優菜(ホンダ)を2周目にパスすると、最終ラップに安原さや(ヤマハ)をパスし3位でチェッカー。安原は6位、竹内は9位に終わったため、邵が逆転で2年連続チャンピオンに輝いた。
順位 | ライダー | チーム名 | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 |
M・ナグル |
Honda World Motocross Team |
33:41.668 |
2位 |
E・ボブリシェフ |
Honda World Motocross Team |
+9.428 |
3位 |
成田 亮 |
TEAM HRC |
+53.844 |
4位 |
平田 優 |
YAMAHA YSP Racing Team |
+59.185 |
6位 |
熱田 孝高 |
Team SUZUKI |
+1:50.669 |
12位 |
小島 庸平 |
Team SUZUKI |
+1Laps |
順位 | ライダー | チーム名 | ポイント |
---|---|---|---|
1位 |
成田 亮 |
TEAM HRC |
350 |
2位 |
小方 誠 |
TEAM HRC |
349 |
3位 |
平田 優 |
YAMAHA YSP Racing Team |
340 |
4位 |
小島 庸平 |
Team SUZUKI |
338 |
5位 |
熱田 孝高 |
Team SUZUKI |
313 |
6位 |
星野 優位 |
SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS |
241 |
順位 | ライダー | チーム名 | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 |
M・ナグル |
Honda World Motocross Team |
37:08.796 |
2位 |
成田 亮 |
TEAM HRC |
+1:28.579 |
3位 |
新井 宏彰 |
K.R.T |
+1:33.043 |
4位 |
小方 誠 |
TEAM HRC |
+1:54.747 |
5位 |
熱田 孝高 |
Team SUZUKI |
+2:17.760 |
12位 |
小島 庸平 |
Team SUZUKI |
+2Laps |
- 岡野 聖 第1レース 5位 第2レース 11位 総合 7位
「ヒート1はスタートもそこそこいい感じで出れて序盤3番手まで上がることが出来た。しかしそこからミスを重ねてリズムを乱してしまい、ペースが掴めないまま5番手という結果になった。ヒート2もスタートは悪くなくなかったが、直後に泥を被って視界を奪われてしまった。そこからは転倒しないよう冷静に走ったつもりだが、周回遅れのライダーをパスしようとしてスタックしてしまった。予選からトップ争いは見えていたし、来年に繋がる結果を残したかったが、それが出来ず残念です。」
順位 | ライダー | チーム名 | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 |
山本 鯨 |
TEAM YOUSPORT |
32:25.559 |
2位 |
富田 俊樹 |
T.E.SPORT |
+3.246 |
3位 |
竹中 純矢 |
グリーンクラブピュアテックレーシング |
+6.540 |
4位 |
田中 雅己 |
TEAM HRC |
+16.764 |
5位 |
岡野 聖 |
TEAM SUZUKI |
+36.336 |
6位 |
小川 孝平 |
TEAM ITOMO |
+42.697 |
順位 | ライダー | チーム名 | ポイント |
---|---|---|---|
1位 |
富田 俊樹 |
T.E.SPORT |
372 |
2位 |
山本 鯨 |
TEAM YOUSPORT |
361 |
3位 |
竹中 純矢 |
グリーンクラブピュアテックレーシング |
339 |
4位 |
佐藤 亮 |
N.R.T |
225 |
5位 |
安原 志 |
名阪レーシング |
214 |
13位 |
岡野 聖 |
TeamSUZUKI |
150 |
順位 | ライダー | チーム名 | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 |
山本 鯨 |
TEAM YOUSPORT |
33:45.863 |
2位 |
須田 純 |
グリーンクラブJUDGEMENT |
+1.987 |
3位 |
富田 俊樹 |
T.E.SPORT |
+33.962 |
4位 |
安原 志 |
名阪レーシング |
+1:49.843 |
5位 |
渡辺 祐介 |
チームピットイン |
+2:09.309 |
11位 |
岡野 聖 |
TEAM SUZUKI |
+1Laps |
- 渡辺 明 監督
「小島にとって普段の走りができれば問題ないと思って臨んだ最終戦。悪天候も予測出来ていたが、予選の転倒で全てがダメになってしまった。レースには必ずこういうことがある。藤沢でリードを広げたものの、続く名阪、前回の関東に続き、小島は今回で3度目の転倒を喫したことになる。これでは勝利の女神も逃げていくし、チャンピオンは取れない。本人が1番悔しいだろうが、関わった多くの人が残念に思っている。熱田は内容のあるレースをしてくれたが、シーズン全体では見れば、前半の取りこぼしが大きかった。岡野は苦手としていたマディコンディションで良く走ったと思う。ただ彼も開幕前から怪我をし、シーズン中にも再び転倒で怪我をするなど、レースにならなかった。チャンスはあったのにミスでタイトルを逃したこと。この悔しさを来年に繋げて行かなければならない。」
「予選のクラッシュは完全なレースアクシデントだと思っています。ただ、それを回避するのもライダーの技量だし、力が足りませんでした。決勝は、走行中に5回も肩が外れるという状態でしたが、最後まで諦めず走りきりました。結果、タイトル獲得はなりませんでしたが、確かな手応えを掴んだシーズンだったし、先ずは怪我をしっかりと治してからになりますが、一から出直して来年こそチャンピオンを獲るつもりです。」
「ヒート1はトップ争いに絡めたものの体が固くなって攻め切れず情けないレースになってしまった。ヒート2は転倒しないように冷静に様子を見たら前のライダーが転んで2番手に上がることが出来た。ところがほんの少しのミスで自分もクラッシュしてしまい、再スタートに手間取って順位を落としてしまった。土日海外のライダーと走って、スピードでは負けてなかったし、自信にもなった。来年は取りこぼさないようにして、タイトルを狙います。」