2021 全日本ロードレース選手権
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全日本ロードレース選手権 レースレポート
2021年9月18・19日
全日本ロードレース選手権 第7戦 スーパーバイクレース in 九州 場所:大分県 オートポリス
加賀山就臣、JSB1000クラスのレース1で4位獲得
9月18日(土)、19日(日)に大分県・オートポリスで、全日本ロードレース選手権シリーズ 第7戦 スーパーバイクレース in 九州が開催された。このレースにスズキ勢からは、JSB1000クラスにTeam KAGAYAMAの加賀山就臣、BabyFace Powered by YOSHIMURAの津田一磨が、ST1000クラスにはTeam KAGAYAMA powered by YOSHIMURAの長谷川 聖、Team TKRの村瀬健琉らが参戦した。WestPower SUZUKIの津田拓也は、MotoGPテストでの負傷から完全に回復できていないため、前戦岡山大会に続き欠場となった。
レースウイーク前に台風14号が発生。九州に近付いていることから、その影響が懸念される中でのレースウイーク入りとなった。金曜日の朝は雨が降っていたが奇跡的に止み、JSB1000クラス1本目のフリー走行はほぼドライ路面となった。津田一磨は1'50.537のタイムで6番手、加賀山が8番手に付けた。午後になって台風が接近し、風雨が強くなったことからJSB1000クラスとST1000クラスは走行がキャンセルされた。 土曜早朝に雨は止み、予選は路面が乾いていく中で行われた。JSB1000クラスは今回も2レース制のため、ベストタイムがレース1の、セカンドベストがレース2のスターティンググリッドとなる。JSB1000クラスの予選開始直前に雨がパラつき、ウエット宣言が出される中でスタートとなった。途中、雨量が増えるタイミングもあり、全車ピットに戻る状況もあったが、20分経過後あたりから空は明るくなり、各車コースイン。加賀山は7周目に出した1'49.873がベストタイムでレース1は5番手、レース2は9周目に出した1'50.125のタイムで4番手となった。津田一磨はレース1が9番手、レース2は8番手となった。 午後は台風一過で綺麗に晴れ上がり、JSB1000クラスのレース1はドライコンディションでスタートした。加賀山はまずまずのスタートを見せ、1周目を4番手でクリア。トップの中須賀克行選手(ヤマハ)は抜け出したが、その後ろの2位集団に加賀山は加わり、前に出るチャンスをうかがう。このグループのペースは1'49秒後半から50秒台。しかし徐々に加賀山は単独走行となり、4位でチェッカーとなった。津田一磨は途中10番手まで順位を上げたが、12位でゴールした。 日曜日も朝から晴れて、25℃あたりまで気温が上がる中でレース2が行われた。加賀山はスタートでうまく飛び出し、オープニングラップを3番手で戻ってくる。中須賀選手が抜け出し、加賀山はその後ろの2位グループに加わる。3番手の座を守りたいところだったが、3周目に2台にパスされ5番手に。そこから単独走行となり、5位でフィニッシュした。津田一磨は朝のウォームアップ走行で他車に追突され、マシンを修復して臨んだが、その影響もあって苦しいレースとなり14位となった。この結果、加賀山はランキング4位、津田は14位で2021シーズンを終えた。 ST1000クラスの予選では村瀬が1'52.385で7番手、長谷川は1'52.976で12番グリッドからそれぞれ決勝をスタートすることとなった。このオートポリスでJ-GP3クラス時代に優勝経験を持つ村瀬は金曜日のフリー走行から上位に名を連ね、相性の良さを見せる。日曜日朝のウォームアップ走行では5番手に付け、決勝への期待が高まる。その村瀬は1周目を8番手、2周目7番手と上位に付けたが4周目に転倒・リタイヤとなってしまった。長谷川は序盤11番手を走行。4周目9番手、7周目8番手と着実にポジションアップ。ラスト2周で7位まで上がり、そのままゴールした。この結果、長谷川はランキング11位、村瀬はランキング15位となった。 Team KAGAYAMA No.10 加賀山 就臣
「悔しいの一言ですね。1年ぶりのオートポリスだったので、できるだけラップを重ねたかったのですが、台風の影響から金曜日は天候が安定せず、ドライで走れる時間が少なくてセットアップを煮詰めきれませんでした。今年の自分のバイクのセッティングは去年と方向性が変わっていることもあり、このレースウイークは去年のデータで走り始めたわけですが、それをアジャストするのに時間がかかってしまいました。充分な確認ができないまま予選を迎え、攻めの状況に持って行くことができずにセッションは終了となってしまいました。レース1ではタイヤのグリップ力を発生させるための車体のセッティングが出せず、今シーズンはいくつか問題が起きてしまっているのですが、それがこのサーキットでも発生してしまい、非常に苦しい走りを強いられることになってしまいました。日曜日のレース2はそれを修正しようと挑んだのですが、自分のレベルアップに対してライバルも同じようにレベルアップしており、なんとか表彰台獲得を果たそうとトライしましたが、途中で少しオーバーワークになってヘアピンで飛び出して差が広がり、単独の5位で終わってしまいました。本当に悔しいです。これまでの30年というレース経験の引き出しをうまく活かせれば、もう少しセッティングなり、チームの総合力でもう少し上に行けたと思います。今年は転倒ゼロという目標を立て、それは達成できました。転倒せず、確実にステップアップをしようという目的は果たせましたが、ランキング的には3位以内に入りたかったので、その点でも悔しいですね。表彰台も実力で取りたかったですし、重ね重ね悔しいです。とは言え、無事に最終戦まで戦えたのは皆さんの応援のおかげですし、感謝しています。コロナ渦の中、レースができたことに感謝していますし、レースを運営してくださった方々にも感謝しかありません。スポンサーの方々にも感謝しています。今年1年、ありがとうございました。」(JSB1000クラス レース1 予選5番手・決勝4位 / レース2 予選4番手・決勝5位) BabyFace POWERED by YOSHIMURA No.15 津田 一磨
「事前テストは鈴鹿でのレースのケガのために参加せず、1年ぶりのオートポリスでの走行となりました。久々の割には初日の感触は良く、6番手でスタートできたのは良かったです。でも予選で雨が降ってしまい、タイムアタックのタイミングを逃し、レース1はギア抜けでコースアウトもあり、うまく順位を上げることができませんでした。日曜日朝のウォームアップ走行ではトラブルを起こしたマシンに追突され、満身創痍でのレース2となってしまいました。今シーズンは予選でポールポジションも獲れましたし、上位陣に付いていくこともできたので、大きな自信を得た年になりました。早くしっかりと結果を残したいと思います。」(JSB1000クラス レース1 予選9番手・決勝12位 / レース2 予選8番手・決勝14位) Team KAGAYAMA powered by YOSHIMURA No.12 長谷川 聖
「事前テストでは、鈴鹿で起きた問題の解決のためにフレーム、フロントフォークを全部一新し、イチからバイクを作り直して臨みました。タイムは出てなかったのですが、フィーリング的には良い状態で終わりました。そのマシンをレースウイークに持ち込み、金曜日のドライのフリー走行を走りました。ベストタイムを更新し、良いフィーリングで予選に臨むことができました。チームと相談しながらさらにセッティングを変更したところ、すごく感触が良く、スターティンググリッド自体は13番手で良くはなかったですが、今までで一番気持ちよく走れ、ポジティブでした。朝フリーも順調にセッティングを進めて11番手となり、決勝は何の不安もなく攻められる車体に仕上がりました。スタートから1台ずつ抜いていって最終的には5位争いの2台に付いていったのですが、ラスト1周で先輩ライダー二人に少し力及ばず、並べるところまではいけたのですが、前に出るまでには至りませんでした。途中のペース自体はトップと遜色ないタイムで走れていて、ベストタイム的には3番手ぐらいだったので、そこは自信を持っても良いかなと思っています。リザルト的には7位で入賞はできなかったのですが、今年1年の集大成という走りはできたかなと自分では思っています。」(ST1000クラス 予選13番手・決勝7位) Team TKR No.43 村瀬 健琉
「去年、一昨年と、このコースではJ-GP3時代に結果を残していて、ST1000クラスになっても相性が良いようで、テストから段々にタイムアップできていました。予選ではベストグリッドの7番手を獲得でき、決勝も上位のグループの中で走れていたのでもっと前に行きたかったのですが、集団から少し離されてしまい、早く追い付こうとプッシュしすぎてしまいました。フリー走行や予選のセッションでは早いタイミングでペースを上げていこうとトライしていて、セッション開始直後から上位に付けることができつつあるとは思いますが、そこからもうワンランクタイムを上げていくことがまだできていないので、そこが今後の課題です。セッションの流れの作り方は徐々にできていると感じているので、そこは少し自信になりました。」(ST1000クラス 予選7番手・決勝リタイヤ) 第7戦 スーパーバイクレース in 九州 JSB1000 レース1決勝結果(15Laps)
第7戦 スーパーバイクレース in 九州 JSB1000 レース2決勝結果(18Laps)
第7戦 スーパーバイクレース in 九州 ST1000 決勝結果(14Laps)
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