金曜、土曜と雨が降ったり止んだりの難しいコンディションの中でスケジュールが進んできた日本GPだったが、決勝は雨となり、アンドレア・イアンノーネが4位、チームメイトのアレックス・リンスは5位でそれぞれゴールとなった。これは今シーズン、二人にとってのベストリザルトで、それはそのままチームにとっても今季最高位を意味する。このパフォーマンスは、レースの応援のためチームのピットボックスに駆けつけたスズキ株式会社 鈴木俊宏社長へのプレゼントとなった。
Moto3クラスのウォームアップセッションでオイルが出てしまい、約2時間の赤旗中断となったことから、MotoGPクラスのウォームアップセッションは15分に短縮されて行われた。かなり強い雨も落ちてくる中、イアンノーネとリンス二人のライダーはウエットコンディションへのセットアップを着実に進めることができた。その結果、イアンノーネは1'57.554で8番手、リンスは上手くセットアップが進んだことから、1'57.215という好タイムを刻み、3番手に付けることに成功した。リンスのこのタイムはトップから0.5秒という僅差で、決勝への期待が高まるウォームアップセッションとなった。
コース上はかなりの水量となっており、GSX-RRは雨の中で力強い走りを見せ、レース中、安定したペースを刻むことが出来た。
レース序盤、イアンノーネは安定した高いペースを維持し、セカンドグループに加わった。状況を冷静に判断しながら上位を走り、終盤にはオーバーテークを見せて4位チェッカーとなった。
一方のリンスはスタートで上手く飛び出すことが出来たが、直後の1コーナーで他車にアウト側に押し出されてしまい、大きく順位を落としてしまった。15番手までポジションダウンしたにも関わらず、ウエットで良いセットアップが出来ていたことから順調にポジションを回復し、先行するグループに追いつくとそのままの勢いでオーバーテーク。レース終盤まで安定してハイペースを刻み、残り数周になっても諦めずにプッシュし続け、5位でゴールした。