2021 MotoGP
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MotoGP レースレポート
2021年6月27日
MotoGP 第9戦 オランダGP(ダッチTT) 決勝 場所:オランダ TTサーキット・アッセン
ダッチTT決勝でミルが3位表彰台、リンスは健闘の11位
新型コロナウイルス感染拡大の影響により昨年は開催されることのなかった伝統のダッチTTが2年ぶりにTTサーキット・アッセンに戻り決勝日を迎えた。
MotoGPクラスの決勝が開始する午後2時には上空に青空が広がり、11,500人の熱狂的ファンに囲まれたサーキットは久しぶりに活気に溢れる。チ―ムスズキエクスターのアレックス・リンス、ジョアン・ミルはそれぞれ7番手、10番手グリッドから26周の決勝をスタートした。シグナルオフと同時にリンスは絶好のスタートを切って1コーナーに4番手で飛び込み、またミルもチームメイトの数台後ろ8番手に順位を上げる。オープニングラップを5番手で終えたリンスだが、その後レース2周目に他車と接触してコースアウトし、最後尾まで順位を下げてしまう。 リンスはすぐにコースに復帰し、そこから孤高の追い上げを続ける。リンスがポイント獲得圏内の15番手にポジションを上げた15周目には、6番手を走行していたミルが4番手に上がり表彰台獲得まであと一歩に迫る。 残り7周のストルーベンコーナーでミルが前を走行するヨハン・ザルコ(ドゥカティ)をオーバーテイクして3番手に上がる。トップ2台のヤマハはそのまま逃げ切り体制となり、残り1つの表彰台を賭けてミルの後続ライダー達も最後までミルを捕らえようと試みる。しかしミルはオーバーテイクのチャンスを与えることなく3位表彰台を自らのものにし、チャンピオンシップランキングでもポジションをひとつ上げ4位となった。一時は最後尾までポジションを落としたリンスも最後まで猛追撃して11位でチェッカーをうけ、貴重なポイントを獲得した。 5月末のイタリアGPから5週の間に4戦が開催されたMotoGP世界選手権はこのダッチTTが前半戦最後のレースとなり、これから5週間のサマーブレイクに入る。次戦は8月8日オーストリア・レッドブルリンクで開催されるスティリアGPとなる。 佐原伸一 プロジェクトリーダー&チームディレクター
「今日は3列目、4列目グリッドからのスタートだったのですが、ふたり共うまくスタートを決めてレース序盤からトップ争いの集団に加わることができました。アレックスは残念ながら途中で他のライダーに押し出されてコースアウトしてしまい、一旦最後尾まで落ちてしまいましたが、トップと同じようなタイムを刻みながら速いタイムペースを保ち、最終的には11位でゴールしてポイントを獲得することができました。ジョアンはとても良い仕事をしてくれ、少しずつ順位を上げながら最終的には表彰台獲得という素晴らしい結果を残してくれました。前半戦の最後を表彰台という形で締め括ることはできましたが、我々にはまだまだ改善する余地が残されていると思っているので、後半戦さらに強くなるように頑張っていきたいと思います。」河内 健 テクニカルマネージャー
「非常に厳しいレースでした。ジョアンは後方10番手グリッドからのスタートながら素晴らしいレースをしてくれ、3位表彰台を獲得してくれました。非常に良いレースをしてくれたと思います。一方アレックスですが、ジョアンと同様に表彰台を戦うだけのポテンシャルがありながら、残念ながらアクシデントで後方に下がってしまいました。しかしその後、最大限のリカバーをしてくれてしっかりレースをフィニッシュしてくれたのはよかったと思います。ここからMotoGPは1ヶ月のサマーブレイクに入りますが、ファクトリーに戻って後半戦の準備をしっかり行い、進化した強い状態でレッドブルリンクに戻りたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします。」ジョアン・ミル
「チームにとっても自分自身にとってもサマーブレイクを気持ち良く迎えるために今日のレースを良い結果で終えることがとても大切だったし、そのために本当に全てを出し切って頑張ったから、今日の表彰台は格別だよ。スタートがうまくいったお陰でトップグループを逃すことなく順位を上げていくことができたけど、ドゥカティ勢のオーバーテイクには手こずったし、3位まで順位を上げるのは容易ではなかった。レース中、自分自身も限界ぎりぎりに攻めた時が1、2回あったから、もしその時に他のライダーに接近しすぎてしまったとしたらそれは申し訳ないと思う。予想以上に前半で苦戦してしまったから、とにかくトップグループとの差が広がらないようについていくために必死だったんだ。決して楽なレースではなかったから3位で終えることができて本当に嬉しいよ。シーズンはまだまだ長いし、サマーブレイク後には新しいパーツも投入されると思うから、さらに強くなって勝負できると思っている。前半戦までの流れや結果には満足しているし、これで気持ちよく休みに入れるよ。」アレックス・リンス
「今日はスタートがかなり良くてすぐにトップグループに加わることができたし、無理なく3、4番手争いができていたから、他車と接触してコースアウトしたことによって順位を落としてしまったことが本当に残念だよ。接触したのは10コーナーで、自分はいつも通りのラインを走っていたんだけど、相手が猛スピードでイン側に侵入してきてウイングレットが自分の腕に当たり、そのままでは転倒すると思ったからマシンを起こして自らコースアウトしたんだ。もし自分がアウト側にいなかったら相手は間違いなくコースアウトしたと思うけど、たまたま自分がそこにいたから自分のことを押し出して相手はコースに残ることができた。でもレースアクシデントだから仕方ないし、とにかくそこからは全力で追い上げるしかなかったよ。ペースが良かったから最下位からなんとか11位まで順位を上げてゴールすることができたけど、今回もまたツキがなくてがっかりとしか言いようがない。今シーズン前半戦は多くのレースが速く走れているのに転倒やアクシデントに見舞われて結果を残すことができず精神的にも苦しかった。このサマーブレイクでこの悪い流れを止め、気持ちを入れ替えてしっかり準備を整えて後半戦に臨むよ。」MotoGP 第9戦 オランダGP 決勝結果
MotoGP ライダーチャンピオンシップランキング(第9戦 オランダGP 終了時)
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