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2017年6月11日
全日本ロードレース選手権 第4戦 ツインリンクもてぎ スーパーバイクレース 場所:栃木県・ツインリンクもてぎ
津田拓也、我慢の走りで3位表彰台獲得
1週間前に行われた事前テストでは津田が1分58秒台へタイムを入れ、レースへの期待が高まった。JSB1000クラスはここまでの2レースがセミ耐久で、今回からスプリントレースとなる。とは言え、レース周回数は23周に設定され、ここツインリンクもてぎで毎年10月に行われているMotoGPクラスと1周しか差がない。スプリントながら長めの周回数設定であることから、タイヤマネージメントのできる車体セットアップが大きなポイントとなってくる。気になるのが津田で発熱してしまい、点滴を打ちながらのレースウイークとなってしまった。また、事前テストとは打って変わって気温も上がり、レース的には厳しい戦いとなることが予想された。 金曜日のART走行1回目は津田が1'49.971で4番手、浦本が1'51.407で8番手、加賀山1'51.738で9番手、濱原は1'52.222で12番手からのスタートとなった。2本目は津田が1'50.017で5番手、濱原1'50.585で9番手、浦本1'51.648で12番手、事前テストでもトラブルが出てしまった加賀山はまたしてもマイナートラブルが発生してしまい、1'51.808のタイムで14番手となってしまった。 今回の予選はノックダウン方式が採られ、最初のQ1は全車が走行。トップ3はそのままQ3へ進出し、4位から10位までのライダーがQ2へ進出し、そこでの上位3名がQ3に残る。しかし浦本は1'51.763のタイムで13番手、トラブルを直しきれていない加賀山はまともにタイムアタックできるような状態ではなく、1'52.454で18番手となり、それぞれの位置から決勝はスタートすることになった。Q2へ進出した濱原は 1'51.030でQ3への進出はならず。津田はQ3まで進み、5番手となった。 いよいよ23周の決勝がスタート。津田4番手、濱原11番手、浦本13番手、加賀山14番手で1周目をクリアする。トップを走る中須賀克行選手が2周目に1'49.918と49秒台へタイムを入れるのに対し、津田は1'50.812とタイムを上げられない。その後も50秒台でラップし、2周目に5番手にポジションを下げ、苦しいラップを強いられる。序盤にタイヤがフレッシュな状態で前に出てきたライダーも周回を重ねる毎にタイヤが厳しくなり、徐々にペースダウンしていく中、津田はタイムを大きく落とすことなくラップしていることから、11周目に4番手に上がり、さらに最終ラップにはトップを走っていた中須賀選手の転倒もあり、3位でチェッカー。浦本10位、濱原11位、決勝でまたしてもトラブルが再発してしまった加賀山は13位でゴールとなった。 またJ-GP2クラスはエスパルスドリームレーシングからGSX-R MFD6でエントリーしている生形秀之が予選2番手で決勝をスタート。ライバルを圧倒するペースでトップを独走し、今季初優勝となった。 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.12 津田 拓也(JSB1000クラス 予選5番手・決勝3位) 「事前テストでは良いフィーリングで走れていて、何をしても良い方向に行っていたのですが、レースウイークに入って気温が上がったら逆に何をしても良くならず、非常に苦しい戦いとなってしまいました。決勝はサイティングラップで今まで試したことのないようなセットアップに振り、トライしてみたのですが、状況を変えるまでには至りませんでした。マシンのセットアップがまだ十分ではなく、タイヤに頼る部分が大きいため、コンディションの変化に対応しきれないのだと思います。その部分が現状での大きな問題だと感じています。」 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.50 濱原 颯道(JSB1000クラス 予選10番手・決勝11位) 「自分の中で行けそうなイメージはあったのですが、その半面その思惑が外れてうまくいかないかも、と半信半疑な部分がありました。残念ながら結果的には悪い方の予感があたってしまい、最後までコース攻略ができませんでした。自分としてはコース全体の流れを大事にしてタイムを上げていくのが理想なのですが、このコースは1、2コーナー、3、4コーナー、5コーナーというように、それぞれのパートを頑張らないとタイムが出ず、また他のライダーのラインを参考にしようとしても人それぞれで、どれがベストラインなのか見えずに終わってしまいました。とは言え、最終的な順位は決して良いものではありませんが、ここまでの2戦から比べると大きな収穫のあったレースでした。これを以降のレースに繋げていきたいと思います。」 ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤 陽平 監督 「津田選手は前回のSUGOから良い流れで事前テストも行うことができ、期待を持って今回のレースウイークに臨んだのですが、体調不良ということもあり、苦しい戦いとなってしまいました。問題に対する対応も遅れてしまい、思った以上にテストの良い状態を再現することができなかったですね。条件が揃えば速さは見せられるのですが、根本的な部分のレベルアップをしないと、この状況は打破できない感じです。次のオートポリスでは開発パーツを投入できると思うので、それでブレークスルーしたいところです。濱原選手はほぼ初のもてぎという状況で、コース攻略に手間取りました。良い経験になったと思うので、これを次戦以降に繋げてくれればと期待しています。」 Team KAGAYAMA No.71 加賀山 就臣(JSB1000クラス 予選18番手・決勝13位) 「金曜の午後から出てしまったトラブルが、結果的には最後まで足を引っ張る形になってしまいました。日曜朝のウォームアップ走行で解決できたと思ったのですが、決勝でまた再発してしまい、根本的解決はできませんでした。チームのベースに戻り、まずはしっかりと原因解明し、良い状態でオートポリスの事前テストに臨みたいと思います。」 Team KAGAYAMA No.94 浦本 修充(JSB1000クラス 予選13番手・決勝10位) 「事前テストは良いフィーリングで走れたので、レースウイークではさらなるタイムアップを狙ったのですが、結果的にはテストを超えることはできませんでした。さらに上を目指してセットアップを進めていたのですがうまくいかず、最終的には元に戻すような状態で、うまくいきませんでした。とは言え、積み重ねていくしか方法はないので、チームに戻って様々な角度から状態を分析し、オートポリスの事前テストに臨みたいと思います。」 Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督 「基本的には同じものを使っているのですが、加賀山の本番マシンのみトラブルが出てしまい、最後まで解決できませんでした。浦本もいろいろトライしているのですが、現状を打破するところにまでは至りませんでした。二人とも、セットアップ的に限界を感じるところにいるので、少し別のアプローチで進めようと考えています。チーム的には電子制御の部分はだいぶ見えてきたので、今度は車体のセットアップに集中できると思うので、しっかりと仕上げていきたいですね。」 エスパルスドリームレーシング No.4 生形 秀之(J-GP2クラス 予選2番手・決勝1位) 「気温が上がってきたら良いレースができるパッケージングであることは開幕戦から感じていたので、今回のレースはとても手応えを感じていました。ライバルの状態もある程度予想できていたので、決勝はしっかりとコントールできた印象です。今後もこのような展開にもっていきたいですね。」
JSB1000クラス 決勝結果
J-GP2クラス 決勝結果
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