|
2017年4月23日
全日本ロードレース選手権 第2戦 鈴鹿2&4レース 場所:三重県・鈴鹿サーキット
津田拓也、トラブルを抱えながら2位表彰台獲得
このクラスの開幕戦ということで、レースウイークは通常よりも一日早い木曜日からスタート。ニューマシンのセットアップを進めながら、さらに35周セミ耐久に向けたマシンを造り上げていかなければならない。津田はこの日、2'08.001のタイムで5番手に付け、加賀山が2'08.783で9番手、濱原2'09.231で11番手、浦本2'10.699で16番手、生形 2'11.575で19番手となった。 雨の予報が出ていた金曜だったが予報は外れ、午前、午後の2本のセッションはともにドライで走行できた。午前中の走行で津田は2'07.103をマークし、午後のセッションにさらなるタイムアップが期待されたが転倒。タイムを伸ばせず、それでも総合3番手となった。濱原が2'09.372で13番手、生形2'09.575で14番手、加賀山2'09.920で17番手、浦本2'10.354で19番手となった。 土曜日の予選は二組に分かれ、35分間の計時予選形式で行われた。A組の浦本は2'12.432で18番手、B組は津田が2'06.936で2番手、濱原が2'08.105で4番手、加賀山2'08.702で6番手、生形2'08.829で7番手となった。この結果、津田5番手、濱原8番手、加賀山11番手、生形12番手、浦本33番手からそれぞれスタートすることとなった。 決勝日も朝から綺麗に晴れ上がり、ドライでのレースとなった。今回はセミ耐久ということでスタート手順も通常と異なり、午前9時40分にサイティングラップ開始。9時45分にはピット出口閉鎖となり、サイティングラップに参加しないとストップ&ゴーペナルティが課せられることになる。朝のウォームアップ走行後、マシンのセッティング変更などを行なっていて作業が長引いてしまい、ピット出口閉鎖時間にTeam KAGAYAMAの2台のマシンが間に合わず、いきなりペナルティを受けることになってしまった。 レースがスタート。津田は6番手で1周目をクリア。新人濱原が好スタートを切り、津田の前の5番手を走行する。直後、転倒者が出たことからセーフティカーが入り、レースは小休止。4周ほどセーフティカーが入り、6周目に再開。ここで津田が濱原を抜いて5番手に上がり、濱原はさらに1台にパスされて7番手に。さらに津田は7周目3番手まで上がるが、9周目には4番手に落ちてしまう。津田はスタートしてすぐステップの異常を感じ、リアブレーキを操作できない状態でのライディングを強いられていたのだった。それでも14周目には2'07.81をマークしながら前を追いかける。23周目、上位陣に転倒者が出たこともあり、津田は2番手にポジションアップ。そのまま2位でチェッカーとなった。濱原も6位をキープしてゴール。生形10位で8耐出場権を獲得に成功。加賀山はストップ&ゴーペナルティの影響から17位、浦本もペナルティを受け、19位を走っていた33周目にマシンがストップ。リタイヤとなってしまった。 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.12 津田 拓也(2位) 「このレースウイークはずっと悩み、出口の見えない状況が続いてしまいました。新型マシンになり、さらにはタイヤも17インチになったりという中でテストする時間も少なく、それが結果に大きく影響を及ぼしています。決勝はスタートしてすぐステップに異常を感じ、足を載せないように工夫して序盤は走らなければならなくなってしまいました。そのためにタイムも上げられなかったのですが、うまく足を載せる場所も見付け、そこからは少し自分のペースで走ることができました。」 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.50 濱原 颯道(6位) 「自分はバイクを構造的に理解しないと攻めに行けないタイプなので、今はバイクの理解に時間を費やしている最中です。まだそうした段階なので、決勝は厳しい戦いになることは覚悟していました。自分の中で最低限のリザルトが6位入賞で、それができたので一安心です。レースではブリヂストン17インチタイヤの使い方が理解できたので、次は足回りを理解したいと考えています。」 ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤 陽平 監督 「開発自体は早いタイミングで始めることができたのですが、17インチタイヤの全日本仕様でサーキットを走る時間がほとんど取れず、それが全体に大きく影響を及ぼしてしまっています。先週の三日間のテストで津田選手は2回転倒してしまい、そこまでは良い感じで走ることができていたのですが、いくつか問題がそこで明確になりました。さらにレースウイークに入っても金曜日に転倒してしまい、いい流れにもっていくことができませんでした。レース中に起きてしまったトラブルはチームの問題で、申し訳ないことをしてしまったと感じています。精度など、もう一度見直して再発しないよう対策したいと思います。今年からチームに加入した濱原選手は、ほぼ全日本初参戦という状況ながら6位入賞が果たせたのは、チームとして大きな収穫でした。ライバルとの競争、チーム内での競争というものがあって、それぞれ成長出来ると思い、以前から準備していたことでした。やっと2台体制でシーズンを戦えるようになり、今年のこうした形になりました。月曜日に居残りテストができるので、先ずは今回のレースの復習からスタートし、さらにマシンを仕上げていきたいと思います。」 Team KAGAYAMA No.71 加賀山 就臣(17位) 「悔しいの一言です。今年は浦本をJSBに上げて、二人で頑張っている最中ですが、マシンが新型になり、とにかく時間が足りませんでした。さらに決勝日には、サイティングラップに出て行く時間が変更になり、チームがそれに対応できず、ピットロード出口が閉鎖されてしまい、決勝でペナルティを受けることになってしまいました。応援していただいている皆さんには本当に申し訳ないことをしてしまいました。チーム代表としてお詫びしたいと思います。レースではとにかく現状ベストを尽くそうと走りましたが、ストップ&ゴーペナルティで約1分ほどの時間をロスしてしまうと、リザルト的にはどうしても厳しいものとなってしまいます。さらにテストを重ね、マシンの持っているポテンシャルを早く引き出し、応援していただいている皆さんに喜んでもらえる結果を出したいと思います。今回は本当に申し訳ありませんでした。」 Team KAGAYAMA No.94 浦本 修充(DNF) 「テストからなかなか良い方向に進まず、レースウイーク中に何度もセットアップの方向を大きく振ったのですが、そのいずれもが良い方向に行かず、予選では大きく後退してしまい、決勝は集団の中で走らなければいけなくなってしまい、厳しいレースになってしまいました。すべて自分が作ってしまった流れなので、そこはしっかりと反省し、次のSUGOに向けてしっかりトレーニングし、いい準備をしていきたいと思います。」 Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督 「とにかく時間が足りませんでした。新型車両が手元に届いたのが1ヶ月ほど前で、チームとして今までにないくらい夜遅くまで作業するような状態が続いてしまいました。新型の車両になり電子制御なども入り、それを形にしていくには実際に走ってテストを重ね、データを蓄積しなければならないのですが、それができなかったので、なかなかうまく結果には繋げられません。とにかく今は少しでも多くテストを重ね、マシンを仕上げていくだけです。サイティングラップ前にマシンの仕様を変更するのに時間がかかってしまい、ピットロード出口閉鎖となってしまったのはチームとして大きなミスでした。」 エスパルスドリームレーシング No.95 生形 秀之(10位) 「ヨシムラの協力をいただいてマシンを借り、先週のテストが初乗りとなりました。マシンのベースは16.5インチなので、全日本の17インチ仕様に合わせ込み、このレースウイークに臨みました。ですが8耐の本番は16.5インチで行く予定なので、ここで17インチに完全に合わせ込む必要もなく、そのあたりは少し難しかったですね。ライダーとしてはもっとタイムも出したいし、リザルトも上を狙いたかったけど、チームとしてはトライアウトで上位に入って8耐参戦権を得ることが最大のミッションだったので、フラストレーションの溜まるレースではありましたが、目標が達成できてよかったです。」 エスパルスドリームレーシング 松本 圭司 チーフメカニック 「今回のレースは8耐の出場権を得ることが最大のねらいで、それが達成できたので良かったです。このチームとして初めて8耐に参戦するのでイチから準備しなければならず、大変でしたが、先ずは出場権を得なければいけないので、それができてホッとしています。テストとレースはやはり雰囲気が違いますし、公式練習の時間の使い方も、スプリントとは違ってタイム出しよりマシンの安定性、ラインの自由度を高めるといった作業が重要になるので、そうしたことを今回のレースでチームとして経験出来たのも大きな収穫です。」
JSB1000クラス 決勝結果
|