レースレポート
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めまぐるしく変わるコンディションの中、最後まで全力を尽くしたスズキ勢が2位、3位獲得
スタート直前に降り出した雨のため、レースは1時間ディレイに
レースウイークに入ってここまで連日、灼熱の中でスケジュールが消化されてきたが、決勝スタート直前になって突然雨が落ち始めてしまった。そのために、予定されていた11時半からの決勝スタートのディレイが直ちに発表された。
その後、12時15分にサイティングラップ開始、12時35分に決勝スタートというアナウンスがされた。一時は大粒の降りとなっていた雨もだいぶ落ち着いてきている。しかしコース上は完全なウエットで、所々には水たまりもできているようなコンディションになってしまった。
いよいよスタート!ホールショットは#17エガーター
レースがスタート。ホールショットは絶妙のダッシュを見せた#17エガーター。津田もまずまずの飛び出しにより、S字2個目で2位へ浮上する。またその後ろでは4周目に#12青木が4位へポジションアップ。雨の中でいいリズムをつかんだ青木は前を走る#34津田に大きく迫り、6周目の130R入り口でインに飛び込む。一瞬前に出たかに見えたが、マシンが振られてコースアウト。激しく転倒してしまう。
これで#34津田は単独の3位となったのだが、今一つペースが上がらない。このため8周目、4位に落ちてしまう。トップグループが2分25秒台で走行するに対し、一時は30秒台までタイムを落とした津田だったが、10周目あたりから再びペースアップ。その後は安定して4位を走り続ける。#17エガーターは7位を、#1ニゴンは15位を、序盤は走行する。また#1ニゴンはコンディションが回復するにつれてタイムアップ。14周目に14位へ順位を上げ、さらに前を追いかける。
ルーティンのピットインタイミングを前に、上位陣のラップタイムは落ちてくる。履いているレインタイヤが乾いてきた路面に悲鳴をあげてきたようだ。一足先に#1ニゴンは24周を終えてピットイン。翌25周には#34津田、#17エガーターら上位陣が続々とピットへ飛び込んでくる。
全車、タイヤをスリックタイヤに交換しコースへ戻っていく。スリックタイヤでの走りは当然のことながらタイムは上がっていくが、その中でもずば抜けた速さを見せるのが#34ウォーターズ。上位陣が2分18秒から16秒あたりでラップするのに対し、12秒台での走行を見せ、前日のポールポジションを奪ったドライでの速さを見せ付けながら3位を走行し、さらに前を追いかける。
また#17加賀山もコンディションを確認すると、30周目あたりからペースアップ。前車を捉え、34周目に4位へポジションアップする。
#1デラールも周回毎にタイムを上げ、41周目には11位に順位を上げてくる。41周目、デラールは2分10秒988と10秒台へ入れる速さを披露。快調にラップを重ねる。
乾いた路面に再び大粒の雨が降ってくる。さらにはセーフティカーが
午後2時20分あたりにまた大粒の雨が降り出し、ピット前は慌ただしくなってくる。
このタイミングに#1SERTはまたしても早めにピットへ入ってきてカドリンに交代。レインタイヤで順調に走行を再開し、52周目には9位まで順位を上げてくる。
上位陣も続々とピットイン。この中で、#17加賀山はガソリン補給、前後タイヤを交換すると、そのままマシンから降りずにコースへ戻っていく。コース状況を把握しているライダーを走り続けさせるというこの作戦がハマり、加賀山は2位に上がる。3位には同じタイミングでピットインし、コースを熟知している津田にマシンを託した#34ヨシムラスズキシェルアドバンス レーシングチームが付ける。
午後2時42分、スタートして約2時間経過したところで転倒車が続出。このためにセーフティカーが入る。午後2時56分にセーフティカーがコースから出て再スタート。#17加賀山2位、#34津田3位のポジションをキープしている。
スタートして約3時間経過となる午後3時30分には路面がほぼ全面ドライになった。このあたりで#17加賀山と#34津田の差は約8秒ほどに詰まる。連続走行している加賀山にとって厳しい状況となるが、それでも津田を上回るラップを時折見せ、そこから差を詰めさせない。
#17加賀山はそのままのポジションで2時間の連続走行を終え、74周目にピットイン。エガーターにマシンを託す。#34津田は76周終わりでピットイン。ド・プニエにライダー交代する。このタイミングで#34ド・プニエが2位に上がり、また#17エガーターは4位に順位を落とす。
91周目の130Rで#34ド・プニエがコースアウト。時折9秒台へ入れる速さを見せているド・プニエだが、後ろから追い上げを受けていることもあり、ハードにプッシュを続けている。
スタートから4時間経過し、再びセーフティカーが
午後4時33分、MCシケイン立ち上がりのコース上に転倒車両が砂利と共に残ってしまい、セーフティカーが再び入った。残り時間はあと3時間弱。
このタイミングで#34ド・プニエはピットイン。津田にライダー交代し、コースへ戻っていく。これで#34津田は3位にポジションダウン。それでも時折9秒台へタイムを入れ、前を追いかける。#17も102周終わりでピットイン。芳賀のライディングとなる。
午後4時54分、トップを走る#11TSRホンダが130Rで転倒。このため、#34津田が2位、#17芳賀が3位に浮上する。
またしてもセーフティカーが、今度は立て続けに入り、最後まで予断の許さぬ展開に
残り1時間45分を切った131周目、#34ド・プニエはチームベストとなる2分9秒426をマーク。トップとの差は1分2秒ほどになっているが、132周目も9秒952と連続9秒台を出し、最後までプレッシャーを掛けるべくプッシュし続ける。
残り1時間を切った午後6時34分、1コーナーで激しく転倒した車両が出たことから、今日3回目のセーフティカーがコース上に出た。2位を走る#34ド・プニエ、3位#17エガーター、8位#1カドリンらもペースカーの後ろに付き、再スタートに備える。
155周終わりのタイミングで#34ド・プニエ、#17エガーターが最後のピットイン。ド・プニエからウォーターズへ、エガーターから加賀山へそれぞれライダー交代をし、コースへ戻っていく。
午後6時48分にセーフティカーがコースから出る。しかしその直後、S字入り口で2台が転倒。さらに同じ場所で別の1台も転倒したことから、またしてもセーフティカーが入る。
時間は午後6時51分で残りは37分。
セーフティカーは結局18分間コース上を走り、残り21分でコースから出る。2分近くあったトップとの差をこのセーフティカーの入ったタイミングで1分強まで詰めた#34ウォーターズ。しかしウォーターズのマシンのヘッドライトが点灯しておらず、この対応をしようとピットは慌ただしくなる。しかし残り10分のところでヘッドライトが着き、走行を続けることが可能となった。
結局、そのまま午後7時30分となり、スズキGSX-R1000を駆る#34ウォーターズ、#17加賀山のスズキ勢が2位、3位フィッシュとなった。耐久チャンピオンチーム#1 SERTは8位、#21浜松チームタイタンは途中転倒がありながら、50位でゴールした。
ライダーコメント
チームが全力を尽くして出た結果なので、満足してはいませんが、納得はしています。次、また頑張ります。
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今日のコンディションは本当にクレージーだった。良い天気もあれば雨もあり、まったく予断を許さない状況が続いた。セーフティカーも入ったりして、そのタイミングが自分たちにとっては不運で、でも精一杯頑張った。
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難しいコンディションだった。8耐は初めての参戦だったけど、素晴らしい経験になった。チームメイトも、そしてチームスタッフもベストを尽くし、最後まで戦い続けた。本当に自分にとって、貴重な経験となった。また来年もぜひ、この鈴鹿に戻ってきたい。
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多くのお客さんに応援していただき、また鈴鹿サーキットのオフィシャルの方々が難しいコンディションの中、適切に判断してセーフティカーを入れてくれたりして、安全に最後までレースができたことは本当に感謝しています。我々のチームはたくさんの方々の応援があって活動できています。その方々に、本当に感謝しています。ありがとうございます。今年のレースはぜひ、紀行を表彰台に連れてきたかったので、その目標を果たせてホッとしています。エガーターも初参戦の中、全力を尽くしてくれて、誘って本当に良かったと思っています。チームスタッフも本当に頑張ってくれて、皆に心から感謝します。
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今日はチームの作戦で1スティントしか走らなくていいと言われて、ちょっと拍子抜けしたけど、3位になれて良かった。二人が本当に頑張ってくれたし、自分は二人のおかげでドライの良いコンディションの中だけ走れば良かったので、とにかくその中でベストを尽くすことだけ考えて走りました。チームの雰囲気は最高でとても居心地よくレースを戦うことができました。感謝してます。
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このレースに初参戦となりましたが、今日はたくさん、そしてとても貴重な経験をすることができました。スタートがディレイになったり、ウエットの中でのスタートだったり、ピットストップだったりと、本当に良い経験になりました。チームスタッフも良い仕事をしてくれて、走りを支えてくれました。また来年、戻ってきたいと思います。
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7/27(SUN)スズキエントラントチーム決勝リザルト
順位 | No. | チーム | ライダー | Laps | タイム |
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2 | 34 | ヨシムラスズキシェルアドバンス レーシングチーム | 津田 拓也 / ジョシュ・ウォーターズ / ランディ・ド・プニエ |
172 | 6:57'12.900 |
3 | 17 | Team KAGAYAMA & Verity | 加賀山 就臣 / 芳賀 紀行 / ドミニク・エガーター |
171 | 6:56'16.132 |
8 | 1 | SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM (SERT) | アンソニー・デラール/エルワン・ニゴン / ダミアン・カドリン |
169 | 6:58'26.222 |
19 | 2 | TEAM R2CL | Gareth JONES / Gwen GIABBANI / Lagrive MATTHIE |
164 | 6:56'20.770 |
21 | 20 | WINNER Z-TECH & NCXX Group | 國松 俊樹 / 吉田 忠幸 / 宮崎 祥司 | 162 | 6:57'41.343 |
25 | 50 | TEAM MOTORS EVENTS APRIL MOTO | Gregory FASTRE / Michael SAVARY / Jimmy STORRAR |
160 | 6:56'38.678 |
29 | 29 | Y's distraction DOG HOUSE | 岩谷 圭太 / 山内 基晴 | 159 | 6:56'29.405 |
31 | 65 | MOTOBOX KREMER RACING by SHELL ADVANCE | Mardin DMSB / Timo PAAVILAINEN | 159 | 6:57'19.273 |
43 | 4 | Team・橋本組・アケノスピード | 金山 和弘 / 稲垣 誠 / 田中 歩 | 155 | 6:58'21.080 |
47 | 83 | テイクアップ&TEAM JP | 田村 武士 / 長野 博 / 木村 泰善 | 151 | 6:57'50.840 |
48 | 76 | 日野精機・岩城&T2 with fenice | 山内 猛寿 / 高間 弘泰 / 久野 光博 | 150 | 6:58'24.177 |
50 | 21 | 浜松チームタイタン | 清水 祐生 / 犬木 翼 / 大城 光 | 146 | 6:58'31.264 |
53 | 321 | Team Favorite Factory | 佐合 弘幸 / 木佐森 大介 / 福山 京太 | 143 | 6:57'43.641 |
- | 10 | TOPS LIFE & Garage KENZ f / SBS KIDANI | 今村 和典 / 久米田 研志郎 / 行方 知基 | 113 | 6:56'55.422 |
- | 12 | Legend of ヨシムラスズキシェルアドバンス | ケビン・シュワンツ / 辻本 聡 / 青木 宣篤 | 5 | 12'25.494 |
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