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レースレポート

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【鈴鹿8耐 第2回 公開合同テストレポート】2014年7月2日 3日

鈴鹿8時間耐久レース本番まで1ヶ月を切った7月2日、3日に、鈴鹿サーキットフルコースで合同テストが行われた。

スズキ勢からは、Legend of ヨシムラスズキシェルアドバンスのケビン・シュワンツ/辻本 聡/青木宣篤、ヨシムラスズキシェルアドバンスレーシングチームの津田拓也/ジョシュ・ウォーターズ/ランディ・ド・プニエ、Team KAGAYAMAの加賀山就臣/芳賀紀行/ドミニク・エガーター、浜松チームタイタンの清水祐生/犬木 翼/大城 光らが参加した。

 梅雨が明けないこの時期のテストにおける最大の懸念は雨。しかし初日は好天に恵まれ、総てのセッションがドライで行われた。しかし二日目は1本目のB組途中から雨が降り出してしまい、ここからは最後までウエットコンディションでの走行となった。

 6月上旬にも第1回の鈴鹿8耐合同テストが行われたが、ライダー全員が揃う状況ではなく、シェイクダウン的意味合いが強かった。しかし今回は3チームとも、全員が揃い、本番へ向けた大事な二日間のテストとなる。

スプリントレースを戦う全日本マシンと8時間のレースを戦う耐久マシンとの違い

 全日本選手権ではレース距離が40kmから130kmと定められており、今年の開幕戦として行われた鈴鹿2&4レースでJSB1000クラスは20周、約116km走行とされた。対して鈴鹿8時間耐久の場合、昨年の優勝周回数は214周で、これは距離にすると約1,245.7kmになる。この距離を二人、あるいは三人のライダーで走り切るわけだ。燃料タンクは24リッターと定められているため、できるだけ燃費を抑えながらも速く走らなければならない。素早くガソリンを補給できるシステムが燃料タンクには備えられ、しかもだいたい1時間毎にピットインし、ガソリン補給、ライダー交代と同時にタイヤ交換を行うことから、前後のタイヤを20秒かからないで交換できるクイックシステムをタイヤ回りに備えている。このあたりが全日本のスプリントレースを戦うマシンと耐久用のものと、大きな違いとなる。

 昨年はレース終盤に雨が降ったこともあり、優勝周回数が214周だったが、ドライであれば最大でこれまでに217周が記録されている。ピットインを1回するとそこで大きくタイムをロスすることから、できれば1時間毎、合計7回のピットイン、走行8スティントでゴールまで辿り着きたい。となると、217周を8で割って27.125周となる。つまり217周には、27周のスティント7回、28周のスティント1回で到達できる。1回は28周を走らなければならないので、5.821kmのコースを28周して162.99km。フルにガソリンを使うのはリスクが高いことから、23.5リッターでこの距離を走り切れるよう計算すると、燃費は6.94km/Lとなる。レースでは思わぬ事態が時として起こる。多少のマージンは残しておきたいため、7.0km/h以上の燃費はテストでクリアしておきたいところだ。しかし燃費性能を良くするとエンジン出力は落ちるため、このあたりのバランス取りが、テストでは非常に重要となってくる。

テストにおける各チームのさまざまなテーマ

そしてもう一つチームが考えなければならないのは、ライダーのスケジュールとテスト内容の検討。MotoGPのモト2クラスを戦うTeam KAGAYAMAのエガーターは、レースのスケジュールの都合で今回のテストしか参加できない。加賀山、芳賀ともに来週のテストも参加できることから、今回の二日間はエガーターの走り込みをメインテーマにチームとしてはプログラムを組むことにしていた。

 そうしたチームの配慮もあり、周回する毎にエガーターのタイムは上がり、初鈴鹿サーキット、初耐久世界選手権仕様1000ccマシンのライディングでありながら、二日目には2分10秒2という、加賀山が記録したタイムと同じ、チームベストをたたき出したのだ。

 ヨシムラスズキシェルアドバンスレーシングチームも、今回のテストから合流したウォーターズ、ド・プニエの二人のマシンへの順応が大きなテーマとなった。特にド・プニエは約10年ぶりの鈴鹿サーキットで、初耐久世界選手権仕様1000ccマシンということから、彼もマシンへの慣れが最大の課題とされたが、順調に二日間のテストを消化。ウォーターズはこれまでに同チームから鈴鹿8耐に参戦した経験があり、ヨシムラのマシンには今季参戦しているブリティッシュ・スーパーバイクでもライディングしているので熟知したマシンと言える。

 今回の8耐で最大の話題と表現しても過言ではないほどの注目を集める、Legend of ヨシムラスズキシェルアドバンスレーシングチームは、終始パドック裏に多くのファンが群がる状態が続いていた。チーム監督の吉村不二雄氏は「一発タイムより、いかに安定して高いレベルのライムを維持するかがこのチームには求められます。チーム名に記された『LEGEND』に相応しい、プロフェッショナルなレーシングライダーとしてのプライドを彼らは賭けて戦うわけで、それをバックアップする我々もプロフェッショナルなレーシングチームとしてのプライドを賭けて戦います。目標はすばり、213周。これをクリアすれば、上位入賞という結果は自ずと付いてくるでしょう」と語る。最高優勝周回数217周が記録された2011年の記録でいくと、213周できれば4位入賞の周回数となる。ベテランの三人がハイペースでラップし、213周を達成できたら、これは新たなLEGENDとなるのは間違いない。

 そしてレーシングライダーとしてのプライドを、シュワンツはこの二日間のテストで見せた。何と、2分11秒0という若手ライダーでもなかなか到達が難しいラップタイムを記録して見せたのだ。

 さらに来週のテストで、マシンのセットアップが進められる。間違いなくハイレベルな戦いが期待できる、スズキ勢の二日間のテストとなった。



 
 
 
     





   

最高のチームと最高のマシンで今年の鈴鹿8耐を戦えることになって、とても楽しみにしています。今週は浜松のスズキ本社を訪問し、たくさんの方々に応援の声をもらいました。このレースのためにアメリカでしっかりトレーニングを重ねてきたので、タイムも2分11秒0が出て、いいフィーリングです。このチームは一発タイムより、安定して高いアベレージで走ることが良い結果を出す最大の方法だと思うので、来週もさらに走り込み、良い状態にマシンを持っていきいたいと思っています。




 

6月上旬にも走りましたが、ウエットだったので今回の初日のテストが初のドライ走行となりました。二日目はウエットになったけど、それでもドライ、ウエット共にとてもいい感触で、走り出しから終始良いフィーリングでした。もっとこうしたい、という部分も出てきたので、そこを来週のテストでさらに詰めていきます。ただ、先週体調をちょっと崩して、そこで少し苦労したので、そのあたりは要注意ですね。




 

事前テストで辻本さんが乗ってくれていたので、久し振りに乗った割には違和感なく乗れました。車体のディメンションなどが昨年から大幅に変わっているようで、今までの流れとは違っているので最初は様子を見ながら乗り始めたのですが、タイムも出しやすい感じだし、もちろん修正すべきところはありますが、かなりの伸び代を感じます。




 
   

今回のテストでのオーバーオールでのトップタイムが2分7秒台に入っていたので、それに近いところまでもっていきたかったですが、それができなかったのでちょっと悔しいですね。二日目もドライになってくれればもう少し詰められたと思うのですが、それは来週の楽しみに取っておこうと思います。

 

このチームは本当にプロフェッショナルで、いつ一緒に戦っても頼もしく、そしてとても幸せを感じます。マシンも素晴らしく、二日目は雨が降ってしまいましたが、それでも安定して走ることができました。ただ、パワーもすごく出ていてコースへ合わせるのは少し難しいですね。さらに自分の走りを考えなければなりません。




 

約10年ぶりの鈴鹿のコースを初耐久世界選手権仕様1000ccマシンで走行ということで、かなり神経質になっていましたが、コースへの順応もマシンへの対応も、スムースにできました。これもすべて、チームの素晴らしいバックアップがあるからです。マシンはさらにセットアップを進める必要があると感じていますが、そのあたりは来週のテストで詰めていこうと考えています。




 
   

全日本第4戦SUGOのレースで優勝し、チームはその勢いを保ったまま今回のテスト入りすることができました。今回、初めて三人のライダーが揃ったわけですが、スケジュールの関係でエガーターは今回しか参加できないので、紀行選手には申し訳なかったのですが、エガーターの乗る時間を最大限に取りました。チームベストを記録してくれましたし、やはり世界で戦うライダーは素晴らしいですね。来週のテストでは芳賀選手にもたっぷり走ってもらい、さらにマシンを詰めていきたいと思います。たくさんの方々にチームをサポートしていただいていて、大きな期待を感じています。その期待に応えられるよう頑張ります。




 

今回のテストはエガーター選手の走行時間をできるだけ取りたいということで、バックアップに徹しました。マシンはかなり変わっているようなので、来週しっかり走り込み、バイクのセットアップを進めます。




   

最高のチームに最高のマシンで、とても幸せに二日間のテストを過ごすことができました。来週のテストにも参加したいのですが、自分のレースがあるので今回のテストしか参加できません。そのためにチームは自分が乗る時間を最優先して考えてくれて、素晴らしいサポートをしてくれました。タイム的には2分10秒2で終わりましたが、自分としてはもっと詰められる感触があります。鈴鹿のコースは難しいですが、チャレンジのしがいがあるコースですね。とても気に入りました。




 
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