2015年9月26~27日
モトクロス国対抗世界選手権「Monster Energy FIM Motocross of Nations」 フランス エルネー
モトクロス・オブ・ネイションズ、小島庸平がOpenクラスに参戦
B決勝優勝に貢献し、日本代表チームを4年ぶりとなる本決勝進出へと導く 好天に恵まれた会場のエルネーは、コースサイドから観戦するのではなく、間に小川が流れる斜面の東側をコース、西側を観戦エリアとした独特のレイアウトが特徴。レース全体が見渡せることからヨーロッパのファンの間でも人気が高く、また地元フランスが優勝候補の筆頭とあって、週末80000人の大観衆が訪れスタンドを埋めつくした。 今回の参戦にあたっては、ベルギーを本拠地とする「Rockstar Energy Suzuki World MXGPチーム」が小島を全面的にサポート。小島は事前にベルギー入りし、マシンのテストとセットアップを行う予定だった。しかし当地は天候不良でほとんどのコースがクローズされ、小島はマシンのセッテイングが出来ないまま、ぶっつけ本番で戦うことになり、それが苦戦をもたらすこととなってしまう。 土曜日に行われた予選。Openクラスの小島は抽選によるグリッドも悪かったことから、オープニングラップを29番手でクリア。2周目、27番手に順位を上げた小島は、4周目に3つ順位を下げるが、ここから懸命の追い上げを見せ再び26番手まで順位を上げてフィニッシュする。19位までが自動で決勝進出となる予選で、日本代表チームはMXGPの山本が21位、MX2の富田が9位と健闘するも、ラトビアと1ポイント差の総合20位となり、日曜日午前の敗者復活戦B-Finalに臨むこととなる。 20位から32位までの12ヶ国36台で争われるB決勝。小島はスタートこそ中段に埋もれたものの、前半に1分58秒台のタイムをマークするなど激しい追い上げを見せ、レース中盤にはシングルポジションへと浮上。後半、先行するライダーの転倒などもあったが、更に順位を上げ続けた小島は5位でチェッカーを受ける。MXGPクラスの山本は4周目に転倒しDNFとなるが、MX2の富田が3位、小島が5位でフィニッシュした日本代表チームは、スロベニアを1ポイント差で抑え見事優勝。4大会振りとなる決勝進出を果たした。 MXGPとMX2、MX2とOpen、MXGPとOpenの混走3レースで争われる決勝。MXGPクラスの山本は、B決勝の転倒でダメージを受けたため出場を断念。こ時点で日本代表チームに上位進出の可能性はなくなってしまう。 MXGPとMX2によるRace1、オープニングラップ25番手で戻ってきた富田は、中盤28番手まで順位を落としたが、後半盛り返し26位でフィニッシュ。 MX2とOpenによるRace2、富田は25番手、小島は32番手で1周目のコントロールラインを通過。小島は中盤ひとつ順位を上げたものの、周回遅れとなった以降はスピードをセーブ。後半ひとつ順位を下げ32位でフィニッシュ。富田は18位まで順位を上げてチェッカーを受けた。 MXGPとMX OpenによるRace3、小島はスタートが決まらず25番手で1周目をクリア。更に荒れたコースに小島はペースを上げることが出来ず、また中盤周回遅れとなってからは上位のバトルにラインを譲り、37位で完走を果たした。 第1レースで富田が26位、第2レースでは富田18位、小島32位、第3レースは小島が37位で、チーム順位は予選結果と同じ20位ながら、総力戦で予選の壁を突破。次の大会への貴重な一歩を記した。 なお、スズキのライダーでは、ジェレミー・シーワァー(#20)が10-10位でスイスチームの総合5位、グレン・コルデノフ(#30)が7-10位のチーム内ベストリザルトで、オランダの6位入賞に貢献した。 小島庸平 「事前にテストを行って仕様を合わせるはずが、天候不良でぶっつけ本番になってしまい、過去にこんなに苦しいレースはないくらい自分の走りをすることが出来なかった。一番の経験者であるはずの自分がチームを引っ張ることが出来ず、本当に申し訳ない。こんなに素晴らしい大会で、結果として力を出せなかったことはとても悔しいが、最大の目標だった予選通過は、B決勝で全力を尽くしての結果だったので、達成出来たことに満足している。もちろん世界との差は大きい。また代表に選ばれるよう、そして次はチームの役に立てるよう努力する。帰国してすぐに全日本の大事なレースがあるので、しっかりと切り換え、今回学んだことも糧にして、タイトル獲得に全力を尽くします。」 石部訓章 チームスズキ技術総括 「まず全面的にサポートしてくれたRockstar Energy Suzuki World MXGPチームのみなさんに感謝したい。これはスズキとの長年の関係に加え、小島の人柄も大きい。スタッフ全員が、喜んでサポートを申し出てくれました。レースに関しては、ベルギーでマシンをセットアップして合わせる予定が、事前のテスト走行が出来ず、ぶっつけ本番になってしまった。予想以上にコースも荒れていて、結果的に予選までにセッティングを詰めることが出来なかった.予選終了後、可能な限りのセッティング変更を施し、小島も全力を出し切ってB決勝を1位通過することが出来たが、決勝は更にコースが荒れたこと、また日本チームとしては山本選手のケガで上位進出の望みが断たれていたことから、確実に走りきることに専念した。小島はこのあとすぐに、熱田との全日本のタイトル争いが臨むことになる。体調を整え、しっかりと自分をコントロールして最後までいい戦いを見せてほしい。」
Openクラス総合順位
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