SUZUKI RACING REPORT
スズキレーシングレポート
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世界耐久選手権 レースレポート
2024年7月21日
2024 FIM世界耐久選手権 第3戦 鈴鹿8時間耐久ロードレース
日本 鈴鹿サーキット
ヨシムラ SERT Motul 最終スティントで見事3位表彰台を掴み取る
2024 EWC
2024 鈴鹿8耐
スズキ株式会社 国内二輪 X(旧Twitter)公式アカウント
世界耐久選手権の長い歴史の中でも象徴的なイベントであるFIM世界耐久選手権 "コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレースは、常に重要な役割を果たしており、今大会も注目度の高いレースとなった。

ヨシムラ SERT Motulはシリーズ戦とは異なるライダーラインナップで鈴鹿8耐に挑むこととなったが、チームは難しい状況を乗り越え、重要な日本ラウンドで3位表彰台を獲得した。

日本の夏特有の高温多湿で強い日差しが照りつける中、第45回大会となる鈴鹿8時間耐久ロードレースのグリッドから46チームがゴールを目指した。

5番手発進のヨシムラ SERT Motulは毎戦ロケットスタートを決めるグレッグ・ブラック選手が不在のため、鈴鹿サーキットをよく知る渥美心選手にスタートを託した。ル・マン式スタートのフラッグが振り下ろされると、渥美選手は好スタートを切り上位陣との接戦を繰り広げながら5番手をキープした。

レース序盤、チームは渥美選手とダン・リンフット選手の2名を交代で走らせ、スペイン人ライダー、アルベルト・アレナス選手はリザーブにしていた。レース半分の4時間が経過した時点で#12 スズキGSX-R1000Rは3番手につけていたが、4番手走行のDucati Team KAGAYAMAとの差は僅かで、ピットインのタイミングで順位が入れ替わる状況だった。通常3人のライダーで走る鈴鹿8耐をヨシムラ SERT Motulは2名で回していたためライダーの体力消耗も激しく、ここでチームメイトをサポートするためにチームはアレナス選手の投入を決める。その思いに応えるかの様にアレナス選手はハイペースで周回を重ね、後続に差を詰められることも順位を落とすこともなく無事に1スティントを走り切り、マシンを渥美選手に戻した。

6時間が経過する頃、チームは給油中の小さなミスをレースディレクションに指摘され、ライドスルーペナルティーが科せられた。これにより順位は表彰台圏外の4番手に落ちてしまう。

レース終盤は、残り時間、ラップタイム、ピットインという要素が織り混ざり緊迫する展開が繰り広げられたが、最終スティントの渥美選手はチームで一番多いスティント数をこなす中、力強い走りで3番手を奪い返し、更には連続でチームのレースベストタイムを刻む快走で後続を引き離していく。

そして19時30分となり、トップチームのゴールライン通過に合わせてチェッカーフラッグが振られ、ヨシムラ SERT Motulは見事3位表彰台を獲得した。

決勝での3位と予選5位の結果により、ヨシムラ SERT Motulは第3戦 鈴鹿8時間耐久ロードレースで22ポイントを獲得。ランキング首位の座は失ったもののライバルとの差は僅か6ポイントで最終戦に挑む。

チャンピオンシップタイトルは9月14-15日にフランス ポールリカールサーキットで開催されるFIM世界耐久選手権 第4戦 ボルドール24時間で争われることとなる。

ヨシムラ SERT Motul ダミアン・ソルニエ チームマネージャー
「ル・マンでの勝利は地元の我々にとって特別な様に、鈴鹿で好成績を収めることはヨシムラにとって、そしてスズキにとっても特別なことなので、この様な素晴らしい戦いをし、3位という結果を残し、表彰台でセレモニーを受けられたことを本当に嬉しく思っています。世界耐久選手権のチャンピオンシップではポイントリーダーとしての座を鈴鹿で守りきれなかったのですが、トップとの差はわずか6ポイントです。今から最終戦ボルドールの決勝に向けて、ヨシムラ SERT Motulとスズキに再び栄冠をもたらす様に準備を進めていきます。」

ヨシムラ SERT Motul 加藤 陽平 チームディレクター
「鈴鹿8耐での3位フィニッシュという結果にとても満足しています。チームとしての喜びはもちろんありますが、鈴鹿での表彰台は第1回大会から参戦をしているヨシムラにとって特別なもので、特に今年はヨシムラブランドが生まれて70年。この会社創立70周年という節目の年に、長きに渡って共に戦ってきたスズキの皆様、いつも応援してくださるスポンサーの皆様や関係各社、そして何よりもファンの皆さんと喜びを分かち合えたことは良い思い出になります。レースにおいてはとにかくライダーたちが本当に頑張ってくれました。一番印象的だったのは心君の最後のスティントで、彼の気迫を感じました。アルベルトは決勝前の走行時間が僅かしかなく経験がない中で見事な走りをみせてくれました。ダンは今シーズン初めから共に戦っていますが、グレッグとエティエンヌがいない中で良いリーダーとなってくれました。今年も猛暑の中のレースでライダーの身体的負担も大きかったと思いますが、この様な素晴らしい結果をもたらしてくれたことに感謝しています。」

ヨシムラ SERT Motul 渥美 心 選手(ライダーブルー)
「2023年のボルドール以来、24時間レースでのリザーブライダーを務め、また日本で開発ライダーとしてヨシムラ SERT Motulで多くのことを学んできました。今回、チャンピオンシップ争いにおいて非常に重要なレースにライダーとして選ばれ嬉しく思っていましたが、大好きな鈴鹿サーキットで表彰台を獲得できて格別な思いです。ダンは今シーズン開幕以来のチームメイトで安定した走りや素晴らしいペースで頼りになりました。アルベルトは今回ほぼぶっつけ本番の中でいい仕事をしてくれて「ありがとう」と彼の活躍に「頑張ったね」と言いたいです。僕はここに来るまでグレッグやエティエンヌからもたくさんのことを学ばせてもらいました。最終戦には二人が帰ってくるので、その時は自分が彼らの力になれる様に引き続き頑張ります。鈴鹿での皆様の声援が力になりました。本当にありがとうございました!」

ヨシムラ SERT Motul アルベルト・アレナス 選手(ライダーイエロー)
「ヨシムラ SERT Motulと過ごした週末はとても素晴らしい経験になりました。鈴鹿8耐の参戦が決まってから、自分の役目はできるだけチームの力になる事と思っていました。初めてのサーキットで初めてのマシンとタイヤで走る事は新たな挑戦でしたが、チャンピオン争いをしているチームなのでミスはできないというプレッシャーもありました。チームのみんなは僕のことをとても暖かく迎え入れてくれたので、前向きに自信を持って走ることができました。レースでの1スティントはとにかく自分ができるベストを尽くしました。この様な歴史ある大会で表彰台に乗ることができ、この様な機会を与えてくれたヨシムラ SERT Motulに感謝しています。」

ヨシムラ SERT Motul ダン・リンフット 選手(ライダーレッド)
「日暮れの最終スティントでの表彰台争いでは、ココロが集中して見事な走りをみせてくれました。アルベルトもマシンとサーキットを知るためだけのわずかな走行経験しかなかった中、僕たちが少し休める様に集中してハイペースで1スティントをこなしてくれました。僕も可能な限りベストラップを刻み、周回遅れをかわしながらチームの戦略に沿って安定した走行を心掛けました。昨年の鈴鹿8耐は他のチームからスズキGSX-R1000Rで4位を獲得し、今年は念願の表彰台獲得ができました。この結果を嬉しく、誇りに思いますし、あの素晴らしい雰囲気の中で日本のファンに祝ってもらい、レース人生での良い思い出になりました。」
2024 FIM世界耐久選手権 第3戦 鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝結果
順位ゼッケンクラスチーム名ライダーマシン周回数
1#30EWCTeam HRC with Japan Post高橋 巧
ヨハン・ザルコ
名越 哲平
HONDA220
2#1EWCYART - YAMAHAニッコロ・カネパ
マーヴィン・フリッツ
カレル・ハニカ
YAMAHA220
3#12EWCヨシムラ SERT Motul渥美 心
アルベルト・アレナス
ダン・リンフット
SUZUKI
GSX-R1000R
219
4#2EWCDUCATI Team KAGAYAMA水野 涼
ジョシュ・ウォータース
ハフィス・シャーリン
DUCATI219
5#37EWCBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMマルクス・レイテルベルガー
シルヴァン・ギュントーリ
イリア・ミカルキク
BMW218
6#71EWCHonda Dream RT SAKURAI HONDA伊藤 和輝
日浦 大治朗
HONDA218
7#104EWCTOHO Racing清成 龍一
渡辺 一樹
榎戸 育寛
HONDA218
8#0EXPチームスズキCNチャレンジ生形 秀之
濱原 颯道
エティエンヌ・マッソン
SUZUKI
GSX-R1000R
216
9#73EWCSDG Team HARC-PRO. Honda國井 勇輝
浦本 修充
マリオ・アジ
HONDA216
10#99EWCKM 99ランディ・ド・プニエ
ジェレミー・グラハニ
フロリアン・マリノ
YAMAHA215
11#17EWCAstemo Honda Dream SI Racing野左根 航汰
羽田 太河
作本 輝介
HONDA215
12#50EWCTeam KODAMA児玉 勇太
菅原 陸
マックス・スタファー
YAMAHA215
13#6EWCTeam TARO PLUSONE with SDG関口 太郎
奥田 教介
ベン・ヤング
BMW214
14#40EWCTeamATJ with docomo business岩田 悟
鈴木 光来
岡谷 雄太
HONDA213
15#4EWCTati team Beringer Racingヒューゴ・クレア
ランディ・クルメナッハ
コランタン・ペロラリ
HONDA213
16#3EWCKRP SANYOUKOUGYO&RS-ITOH佐野 優人
佐野 勝人
KAWASAKI213
17#95SSTTONE RT SYNCEDGE 4413 BMW星野 知也
吉田 愛乃助
ハンネス・スーマー
BMW212
18#25SSTTeam Étoile亀井 雄大
大久保 光
ロベルト・ロルフォ
BMW211
19#13SSTTaira Promote Racing柴田 義将
阿部 恵斗
西村 硝
YAMAHA211
20#76EWCAutoRace Ube Racing Team津田 拓也
バリー・バルトゥス
アンソニー・ウエスト
SUZUKI
GSX-R1000R
211
21#20EWCHonda Suzuka Racing Team杉山 優輝
羽根 巧
伊藤 元治
HONDA210
22#78EWCHonda Blue Helmets MSC Kumamoto &
Asaka
岡田 寛正
長谷川 修大
モハメド・へルミ・アズマン
HONDA210
23#112EWCHondaSoyukaiTochigiRacing &
KohyohkaiDreamRacingTeam
加藤 高史
高橋 直輝
HONDA210
24#42EWCSHINSYUREN With TOTEC東村 伊佐三
中村 修一郎
中村 竜也
BMW209
25#31EWCTEAM SUGAI MOTO BUM RACING JAPAN須貝 義行
松川 泰宏
青田 魁
HONDA208
26#75SSTHonda Hamamatsu ESCARGOT &
Kumamoto Racing
吉田 光弘
小島 一浩
大和 颯
HONDA207
27#15EWCIRF with AZURLANE遠藤 晃慶
高居 京平
宮腰 武
YAMAHA206
28#89EWCCLUB NEXT&HONDA DREAM TAKASAKI片平 亮輔
吉廣 光
中村 豊
HONDA205
29#55SSTNATIONAL MOTOS HONDA FMAセバスチャン・スーシェ
バレンティン・スーシェ
ギョーム・レイモン
HONDA204
30#38SSTTeam38森本 誠一朗
野島 由晶
高谷 純平
KAWASAKI201
31#57SSTNICHIRIN RACING NOI:Z安達 勝紀
花村 峻一
中井 恒和
YAMAHA201
32#29SSTDOG HOUSE&TRIPOINT FUCHS Silkolene岩谷 圭太
左村 英祐
大須賀 俊晴
SUZUKI
GSX-R1000R
200
33#5EWCF.C.C. TSR Honda Franceジョシュ・フック
マイク・ディ・メリオ
アラン・テシェ
HONDA198
34#64SSTKawasaki Plaza Racing Team岩戸 亮介
彌榮 郡
ミカ・ペレス
KAWASAKI189
35#46SSTMOTORCYCLES#27 EJ YIC西中 綱
川口 篤史
菊地 純
HONDA189
36#411EWCMATSUNAGA KDC & YSP NAGOYA KITA
with RPT NAGANO
荒川 雅彦
櫻山 茂昇
加藤 久幸
YAMAHA182
37#503SSTEDWIN GESUNDHEIT Racing増田 雄基
前川 崇
中島 陽向
HONDA159
NC#90EWCSANTOKU DENKOU&TATEAKI MOTORS
FK works
藤井 勇一
池主 永
福山 京太
YAMAHA155
NC#11EWCKawasaki Webike Trickstarグレゴリー・ルブラン
クリスチャン・ガマリノ
ロマン・ラモス
KAWASAKI123
RT#96EWCTEAM FRONTIERアズラン・シャー・カマルザマン
ケヴィン・マンフレディ
クリス・リーシュ
BMW64
RT#777SSTWÓJCIK RACING TEAM 777ジーノ・リア
イサック・ビニャーレス
アルトゥール・ヴィエレブスキ
HONDA46
RT#65EWCMotobox Kremer Racing #65ダニエル・ルビン
ドミニク・ビンコン
マルコ・フェッツ
YAMAHA15
RT#88EWCHonda Asia-Dream Racing with Astemoモハメド・ザクワン・ビン・ザイディ
アンディ・ファリド・イズディハール
ナカリン・アティラプワパ
HONDA7
DQ#806SSTNCXX RACING with RIDERS CLUB井手 翔太
伊達 悠太
中山 耀介
YAMAHA200
DQ#23SSTTeam TATARA aprilia新庄 雅浩
和田 留佳
マッテオ・バイオッコ
APRILIA154
DQ#52SSTTERAMOTO@J-TRIP Racing寺本 幸司
村瀬 健琉
石塚 健
SUZUKI
GSX-R1000R
149
2024 FIM世界耐久選手権 チームランキング(EWCクラス・第3戦 鈴鹿8時間耐久ロードレース終了時)
順位ゼッケンチームバイクポイント
11YART - YAMAHAYAMAHA116
212ヨシムラ SERT MotulSUZUKI110
337BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMBMW72
44TATI TEAM BERINGER RACINGHONDA61
58TEAM BOLLIGER SWITZERLAND #8KAWASAKI43
699KM 99YAMAHA41
711KAWASAKI WEBIKE TRICKSTARKAWASAKI39
824BMRT 3D MAXXESS NEVERSKAWASAKI38
930Team HRC with Japan PostHONDA33
1065MOTOBOX KREMER RACING #65YAMAHA33
115F.C.C. TSR Honda FranceHONDA26
122DUCATI Team KAGAYAMADUCATI23
13333HONDA VILTAIS RACINGHONDA22
1477WÓJCIK RACING TEAM 77HONDA21
1571Honda Dream RT SAKURAI HONDAHONDA15
16104TOHO RacingHONDA14
1773SDG Team HARC-PRO. HondaHONDA13
1814MACO RACING TEAMYAMAHA13
1917Astemo Honda Dream SI RacingHONDA11
2050TEAM KODAMAYAMAHA10
2153MANA-AU COMPETITIONHONDA10
226Team TARO PLUSONE with SDGBMW9
2340TeamATJ with docomo businessHONDA8
243KRP SANYOUKOUGYO&RS-ITOHKAWASAKI6
2576AutoRace Ube Racing TeamSUZUKI5
2620Honda Suzuka Racing TeamHONDA4
2778Honda Blue Helmets MSC Kumamoto & AsakaHONDA3
28112HondaSoyukaiTochigiRacing & KohyohkaiDreamRacingTeamHONDA2
2942SHINSYUREN with TOTECBMW1
2024 FIM世界耐久選手権 マニュファクチャラーズランキング(EWCクラス・第3戦 鈴鹿8時間耐久ロードレース終了時)
順位コンストラクターポイント
1YAMAHA122
2HONDA117
3SUZUKI90
4KAWASAKI78
5BMW59
6DUCATI19
2024 鈴鹿8耐
スズキ株式会社 国内二輪 X(旧Twitter)公式アカウント