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2014年9月21日 世界耐久選手権(最終戦) 
Le Mans 24-Hour フランス / ル・マン
WECシリーズ最終戦でSERTが優勝、シリーズランキングも2位に浮上。
さらにスーパーストッククラスではジュニアチームLMSがシリーズチャンピオンに輝く

 9月19-20日、FIM世界耐久選手権シリーズの最終戦となる第4戦 ル・マン24時間耐久レ―スがフランスのブガッティサーキットで開催された。通算13回のタイトルを保持するディフェンディングチャンピオンのSERT(スズキ・エンデュランス・レーシング・チーム)は、圧倒的なスピードと会心のレース運びを披露し、母国フランスで勝利を挙げた。ヴァンサン・フィリップ、アンソニー・デラール エルワン・ニゴンの3名にリザーブライダーのダミアン・カドリンという布陣のSERTは、スズキGSX-R1000と共にスタート後からトップに出ると、一方でライバルチームのSRCカワサキがクラッシュでリタイアを余儀なくされたことで、SERTの優勢はさらに確実となった。さらにスーパーストッククラスでは、スズキのジュニアチームLMSが今シーズンのタイトルに輝いた。

 ドミニク・メリアン監督のもと、SERTは24時間で812ラップをクリア、ピットレーン速度超過でペナルティを課せられたものの、2位のYAMAHA RacingGMT94Michelinに2ラップの差をつけて優勝を飾った。SERTのピットイン回数は28回、これは総合2位のYAMAHA GMTと総合3位のMonsterEnergyYARTよりも1回多く、一方総合4位でスーパーストッククラス優勝のQatarEnduranceRacingTeamのピットイン数は25回に留まった。SERTはレース8時間経過時および16時間経過時でのトップチームに与えられる各10ポイントを加算して計60ポイントを獲得、最終戦ル・マンで今シーズン待望の初優勝を果たすと共に、シリーズランキングはこれまでの5位から2位へ大きく浮上した。

 

 SERTの2014シーズンを振り返れば、不運なクラッシュと怪我の厳しい状況で始まったシーズンだった。4月の開幕戦ボルドール大会ではヴァンサン・フィリップが負傷し、チームはリタイアを余儀なくされてノーポイントに終わった。フィリップは治療のため第2戦鈴鹿大会も出場を見合わせたが、フィリップの代理として抜擢されたダミアン・カドリンが期待に応える活躍を見せた。続く第3戦ドイツ大会では、アンソニー・デラールがオープニングラップで転倒に見舞われたが、チームの懸命の修理と再スタートから最後は6位まで追い上げ、ランキングを5位へと上げたのだった。

 そして最終戦を前にしたランキングトップのYamahaGMT94とのポイント差は47ポイント。SERTは、最終戦を終えてこの差を37ポイントへと詰め、シリーズランキング2位を決めた。ランキング3位はSERTに4ポイントの僅差でBolligerSwitzerlandが、ランキング4位にはNationalMotos(Honda)が入った。

 さらにTycoスズキのガイ・マーチン、ギャレス・ジョーンズ、グエン・ギアバニが出場のTeamR2CLが、790ラップをクリアして5位を獲得、Starteam PAMRacingが総合10位、スーパーストッククラス3位となり、スズキは総合トップ10内に4チームが入る健闘を見せた。

 EWCクラス同様に熱い闘いが繰り広げられたスーパーストッククラスでは、昨シーズンランキング2位のスズキジュニアチーム LMSがシリーズ計134ポイントを獲得、QatarEnduranceRacingTeamを38ポイントリードして悲願のシリーズチャンピオンに輝いた。ダミアン・ソルニエ監督率いるスズキジュニアチーム LMSは、バプティスト・ギテット、エトニー・マッソン、グレッグ・バラックの3ライダーが、終始計算され尽くした無理のないレース運びを展開、今年のル・マンをトップから2ラップビハインドの800ラップクリア、クラス2位でフィニッシュした。

 
 
 
 
ヴァンサン・フィリップ (SERT)

「自分としてはル・マンでは11年もの長いあいだ勝ちがなく、今回もまた難しいのではと思っていただけに、今日の勝利は格別に嬉しいです。レース前の金曜日には、本当に勝てるとは想像していなかったが、今は2015シーズンに向けてファイトあふれる気分です。」
 
エルワン・ニゴン(SERT)

「自分にとっては24時間耐久レースで生まれて初めての優勝でとても嬉しい。チームと、チームメイトのライダーの健闘に感謝します。路面がトリッキーで難しかったが、ミスのないよう頑張って走りました。」
     
アンソニー・デラール (SERT)

「地元で勝つことができてとても嬉しいです。自分の実家はここから15分ほどのところなので、幼い頃からブガッティサーキットを走るライダー達を見て憧れていました。自分が実際に優勝争いをしたのは3回目で、今日はそれが実現しました。」
 
ドミニク・メリアンド監督(SERT)

「来シーズンの話をするのはまだ早いかも知れないが、最終戦で勝てたことは、来シーズンに向けて大きな収穫です。日本のスズキ社からもお祝いのメッセージをいただきました。」
     
バプティスト・ギテット(スズキジュニアチーム LMS)

「チャンピオン獲得のためにシーズンを頑張ってきました。しかしながら自分は今朝の走行中に2ラップぶん遅れるわずかなミスがありました。」
 
エトニー・マッソン(スズキジュニアチーム LMS)

「優勝したQatarEnduranceRacingTeamは速くて、最初のセッションでアンソニーにまったく追いつけませんでした。」
     
グレッグ・バラック(スズキジュニアチーム LMS)

「自分にとっては、フランススーパーバイク選手権とWECスーパーストッククラスの両方でタイトルを取ることができ、最高のシーズンになりました。」
 

 

 

 

順位

チーム名

メーカー

周回数

1

SERT

SUZUKI

812

2

Yamaha Racing

YAMAHA

810

3

Monster Energy YART

YAMAHA

804

4

Qatar  Endurance Racing Team

Kawasaki

802

5

Junior Team LMS

SUZUKI

800

6

National Motos

HONDA

794

7

Penz13.com Racing Team

BMW

792

8

Team  R2CL

SUZUKI

790

9

Metisse JLC Moto

Metisse

788

10

Starteam PAM-Racing

SUZUKI

788

 

順位

チーム名

メーカー

ポイント

1

Yamaha GMT 94

YAMAHA

141

2

SERT

SUZUKI

104

2

Bolliger Switzerland

Kawasaki

100

4

National Motos

HONDA

80

5

SRC Kawasaki

Kawasaki

72

6

Monster Energy YART

YAMAHA

70

7

Honda Racing

HONDA

63

8

Motors Events

SUZUKI

60

9

Team R2CL

SUZUKI

54

10

Flembbo Leader Team

Kawasaki

47