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全日本ロードレース選手権 レースレポート
2021年5月22・23日
全日本ロードレース選手権 第3戦 スーパーバイクレース in SUGO
場所:宮城県 スポーツランドSUGO

加賀山就臣がレース2で4位入賞
5月22日(土)、23日(日)に宮城県・スポーツランドSUGOで、全日本ロードレース選手権シリーズ 第3戦 スーパーバイクレース in SUGOが開催された。このレースにスズキ勢からは、JSB1000クラスにTeam KAGAYAMAの加賀山就臣、BabyFace Powerd by YOSHIMURAの津田一磨が、ST1000クラスにはWestPower SUZUKIの津田拓也、Team KAGAYAMA powerd by YOSHIMURAの長谷川 聖、Team TKRの村瀬健琉らが参戦した。

5月11日から13日に行われた事前テストは絶好のコンディションとなり、ドライでのセッティングを各チーム共に進めることができた。特にJSB1000クラスの津田一磨は二日目のテストで総合2番手に付け、好調さをアピール。加賀山も4番手で続いた。

レースウイークに入り、天気は一転して雨となり、気温も20℃に届かなく肌寒さを感じるコンディションの中、各チームともウエットに合わせたセットアップを進めることになった。午前中のセッションでは加賀山が4番手、津田一磨は10番手となった。昼からのJP250クラス2本目の走行が開始された直後に、霧が濃くなったことから視界不良で中断。それから霧が晴れることはなく、以降の走行がキャンセルとなった。

土曜日も朝から断続的に雨が降るウエットコンディションで、気温は16℃前後と前日よりもさらに下がった。今大会もJSB1000クラスは2レース制とされ、40分間の計時予選でベストタイムがレース1の、セカンドベストがレース2のスターティンググリッドとなる。午前に行われた予選では、全車レインタイヤを装着してスタートしたが、時間の経過とともに路面は乾いていく。そうした状況の中でもっとも早く動いたのが津田一磨で、10ラップしたところでピットインして、スリックタイヤへチェンジ。以降、スリックタイヤで8ラップすることに成功する。雨が落ちてこないため、津田のタイムは1'52"013から徐々にペースアップ。ラスト3周は完全にスリックタイヤの強さを生かすことに成功し、ラストラップに1'37"507をマーク。このタイムでレース1のポールポジションを獲得した。セカンドタイムはその1周手前の1'38"210で、レース2は2番グリッドからスタートすることになった。加賀山はスリックタイヤへ変更するタイミングが少し遅れ、レース1、レース2ともに8番グリッドとなった。

土曜日の午後3時10分から25周で行われる予定だったレース1だが、霧が発生してしまい、視界不良のためにキャンセルとなった。

日曜日は曇りの予報だったが朝方に雨が残り、朝のウォームアップ走行はレインタイヤでのセッションとなった。しかし雨は早い段階で止み、午後からのレース2はドライコンディションでスタートを切ることができた。2番手からスタートした津田一磨は直後の3コーナーを過ぎたところで転倒。そこでレースを終えることになってしまった。これでセーフティカーが入ることになったが、4周目にリスタートした。加賀山は6番手に付けていたが、7周目に5番手に上がり、8周目から1'28秒台で連続周回する。前を追ったが、5番手に上がるのに手間取ったことからその前のグループとの差は開いてしまっており、単独で4位フィニッシュとなった。

ST1000クラスの予選は、開始早々に村瀬が転倒して赤旗中断となる波乱のスタートとなった。村瀬はマシン修復後のピットロード出口で後続車に追突され、さらに終盤にも転倒してしまったため、予選通過基準のタイムをクリアすることができず、予選落ちとなってしまった。津田拓也は9番手、長谷川は12番手で決勝を迎えることになった。ドライコンディションで行われた決勝で長谷川は1周目11番手、2周目10番手、4周目8番手とポジションを上げていったが、5周目のシケインで転倒。再スタートし、15位となった。津田拓也は序盤にペースが上げられず、オープニングラップは12番手で通過したが、徐々にタイムを上げ、12周目に7位となり、15周目にはコースレコードのタイムもマークするとそのままの順位でゴールした。


Team KAGAYAMA No.10 加賀山 就臣
(JSB1000クラス レース1 予選8番手・決勝キャンセル / レース2 予選8番手・決勝4位)
「事前テストでの問題点を解決しようと対策を練ってレースウイーク入りしました。レースウイークは金曜日の雨から始まり、午後は霧でキャンセルになりましたが、事前テストのベースがあるので、ドライならそのデータをベースに走ろうと思っていました。予選はウエットでスタートし、そこから路面が乾いていく状況になったのですが、見極めが難しく、ほんの少し判断するのに周回を重ねてしまったので、結果としてスリックタイヤで3周しかできませんでした。もう1周あれば間違いなくもう一つ前の1'38秒台のグループに入ったとは思うのですが、結果的には予選8番手となりました。自分にはスタートダッシュがあるからと気持ちを切り替えたのですが、今シーズンはその武器がなかなか上手く発揮できず、ほぼ順位キープの位置からのレースとなりました。それからセーフティカーが入り、追い上げようとしたのですが、前車を抜くのに手間取り、やっと前に出たときにはその前の2位グループと差が付いてしまっていました。さらに終盤には問題がまた出てきてしまい、そこからはコース上に留まるのが精一杯の状態で、ポジションキープに切り替えました。レースメイク次第では2位争いが出来ていたな、というのが今回の反省点ですね。次は真夏の鈴鹿のレースとなり、どうなるか想像がつきませんが、頑張りたいと思います。スポンサーの皆さん、ファンの皆さん、ありがとうございました。次は是非、表彰台に上がるレースをしたいと思います。」

Baby Face POWERED by YOSHIMURA No.15 津田 一磨
(JSB1000クラス レース1 予選1番手・決勝キャンセル/レース2 予選2番手・決勝リタイヤ)
「事前テストで総合2番手というタイムを出すことができ、良い流れでレースウイークに入ることができました。ただ、レースウイークに入って金曜日のフリー走行はウエットになったのですが、そこでなかなか上手く走ることができず、苦戦してしまいました。それもあり、予選では路面が乾いていくので、早いタイミングでスリックに変更してタイムアタックに入ろうとチームとミーティングをし、それが結果的にレース1のポールポジション獲得に繋がりました。ドライでのフィーリングはとても良かったですし、自信もあったので、決勝は中須賀克行選手(ヤマハ)に付いていこうとしたのですが、振り返ってみるとちょっとそこで焦りもあったようで、スタート直後の3コーナーで転倒し、レースはそこで終わってしまいました。チームの皆さんには申し訳ない気持ちで一杯です。でも今回のレースでは、ポールポジションを取ることも出来ましたし、テストからドライでは良いフィーリングで走れて自信にはなりました。次戦以降、しっかり結果に繋げたいと思います。」

WestPower SUZUKI No.7 津田 拓也
(ST1000クラス 予選9番手・決勝7位)
「事前テストはドライで、順調にセットアップを進めることはできていましたが、ライバル勢に対して少し差を付けられていたので、それをなんとかレースウイークで詰めようと対策を考え、サーキット入りしました。金曜日のフリー走行はウエットで、なかなか良いマシンバランスに持っていくことができず、手こずってしまいました。決勝はスタートして序盤に、ドライでテストできなかったエンジンのセッティングを変えたらそれが上手く合わず、元に戻したのですがそれで前と差が付いてしまい、厳しいレースになってしまいました。セットアップ的にはレース後半に強いバランスにしたので、終盤はコースレコードをマークするペースで走ることができたので、周回数がもっとあれば違うレースにできていたと思うのですが、そこは仕方ないですね。」

Team KAGAYAMA powerdbyYOSHIMURA No.12 長谷川 聖
(ST1000クラス 予選12番手・決勝15位)
「事前テストの走り出しはあまり良い流れで走ることができなかったのですが、二日目はリズムを取り戻すことができて、最終的には6番手まで上げることができました。でもレースウイークに入って金曜日の走行は雨になってしまい、去年もウエットで苦戦を強いられたのですが、今年も同じ問題を抱えてしまって思うような走りができず、17番手と沈んでしまいました。予選は最初からスリックタイヤでいったのですが、少し濡れているところが残っている状況に自分が合わせきれず、12番手でした。決勝はドライになりましたし、追い上げのレースをしたいと思って臨みました。実際にスタート直後から良いリズムで走ることができ、序盤はトップグループよりも速いペースでラップできていたのですが、集団に追い付いたところで早く抜こうと焦りが出てしまったようで、そこで転倒してしまいました。なんとか再スタートでき、ポイントを獲得することはできましたが残念です。でも良いフィーリングで走れて、タイムも出すことができたので、それは自信になりました。次の筑波は2レースありますし、そこでしっかりと結果を出したいと思います。」

Team TKR No.43 村瀬 健琉
(ST1000クラス 予選不通過)
「事前テストは全体的にタイムが上がっていく中で、自分はタイムをそれほど上げることができませんでしたが、アベレージは良かったので、フィーリング自体は悪くなかったです。でもレースウイークに入ってウエットになり、そこで上手く走りの切り替えをすることができず、ドライの走りになってしまって雨の感覚に上手く自分を合わせることができませんでした。土曜日の予選は路面がウエットからドライに変わっていく状況で、ウエットパッチが少し残るコンディションの中でペースを上げるのが早かったようで、早々に転倒してしまいました。マシンをチームの皆さんに直してもらって出たのですが、ピットロード出口で後続車に追突されてしまい、また転倒。もう一度走り出したのですが、さらに転倒してしまい、タイムを更新することができませんでした。応援していただいている方々には本当に申し訳なく思います。これからテストが続くので、そこでしっかり次戦に向けて準備を進め、もっと自分の強みを発揮できるようにしたいと思います。今回は本当に申し訳ありませんでした。」

第3戦 スーパーバイクレース in SUGO JSB1000 レース2(25Laps) 決勝結果
順位No.ライダーチーム名メーカータイム/トップ差
17中須賀 克行YAMAHA FACTORY RACING TEAMYAMAHA37'48.670
23濱原 颯道Honda Dream RT 桜井ホンダHONDA+9.874
32清成 龍一Astemo Honda Dream SI RacingHONDA+10.013
410加賀山 就臣Team KAGAYAMASUZUKI+19.132
525名越 哲平MuSASHi RT HARC-PRO.HondaHONDA+38.346
612柳川 明will-raise racingRS-ITOHKAWASAKI+44.939
79関口 太郎SANMEI Team TARO PLUSONEBMW+45.641
818秋吉 耕佑MURAYAMA.TJC.RTHONDA+47.925
96岩田 悟Team ATJHONDA+48.011
1013児玉 勇太Team KodamaYAMAHA+49.691
1116中冨 伸一Waveinn-RYAMAHA+50.298
1211亀井 雄大Honda Suzuka Racing TeamHONDA+59.576
DNF15津田 一磨Baby Face POWERED by YOSHIMURASUZUKI0 Lap
第3戦 スーパーバイクレース in SUGO ST1000 決勝結果(17Laps)
順位No.ライダーチーム名メーカータイム/トップ差
137渡辺 一馬Astemo Honda Dream SI RacingHONDA25'23.109
21高橋 裕紀日本郵便HondaDream TPHONDA+2.872
33作本 輝介Astemo Honda Dream SI RacingHONDA+6.217
440南本 宗一郎AKENO SPEED・YAMAHAYAMAHA+6.393
55榎戸 育寛SDG Motor Sports RT HARC-PRO.HONDA+9.146
614渥美 心TONE RT SYNCEDGE4413 BMWBMW+14.827
77津田 拓也WestPower SUZUKISUZUKI+15.068
86星野 知也TONE RT SYNCEDGE4413 BMWBMW+18.400
938前田 恵助bLUcRU伊藤レーシングBORGヤマハYAMAHA+19.793
1047豊島 怜speedHeart DOGFIGHTRACING YAMAHAYAMAHA+30.431
114藤田 拓哉JDS DOGFIGHTRACING・YAMAHAYAMAHA+42.802
1217谷本 音虹郎Speedheart DOGFIGHTRACING YAMAHAYAMAHA+43.172
1318柴田 義将OGURA CLUTCH with RIDE IN+TPFSYAMAHA+47.115
1419新庄 雅浩AUTOBOY☆FirstStarKAWASAKI+47.520
1512長谷川 聖Team KAGAYAMA powerdby YOSHIMURASUZUKI+1'05.403
1646鈴木 孝志OGURA CLUTCH with RIDE IN+TPFSYAMAHA+1'16.486
1744梶山 知輝RankUp ApriliaAPRILIA+1'16.507
1831中澤 孝之DOGFIGHTRACING・YAMAHAYAMAHA+3'25.396
1941和田 留佳RS-ITOH ☆FirstStarKAWASAKI+3Laps
DNF39岡本 裕生bLUcRUニトロレーシング51YAMAHAYAMAHA+8Laps