
2020 全日本ロードレース選手権
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2020年10月31日・11月1日
全日本ロードレース選手権 第5戦 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿 場所:三重県 鈴鹿サーキット
JSB1000クラス 2レースとも渡辺一樹が3位表彰台獲得!
10月31日(土)、11月1日(日)に三重県・鈴鹿サーキットで、全日本ロードレース選手権シリーズ 第5戦 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿が開催された。新型コロナウイルスの影響で8月9日・10日に開幕した2020年シーズンの最終戦となる。このレースにスズキ勢からは、JSB1000クラスにTeam KAGAYAMAの加賀山就臣、ヨシムラスズキMOTULレーシングの渡辺一樹、Moto Map SUPPLYの今野由寛、エスパルスドリームレーシング・ITECの生形秀之、Baby Face POWERED by YOSHIMURAの津田一磨が、今年から新設されたST1000クラスにはWestPower・S-SPORTS・SUZUKIの津田拓也、Team KAGAYAMA powerd by YOSHIMURAの長谷川 聖、TERAMOTO@J-TRIP Racingの寺本幸司らが参戦した。
最終戦のレースウイークは木曜日の特別スポーツ走行から走行がスタートした。その特別スポーツ走行1本目では渡辺が2'06.458のタイムでトップに付け、順調な滑り出しとなった。これに加賀山が5番手で続き、さらに今野14番手、生形17番手、津田一磨18番手となった。午後のセッションでは渡辺3番手、加賀山6番手、生形17番手、津田一磨18番手、今野19番手となった。 金曜日午前のART合同テスト1本目で渡辺は5番手となり、加賀山6番手、津田一磨14番手、今野15番手、生形は17番手。午後の2本目では渡辺が3番手に付け、安定してトップ3の中に食い込んでいく。加賀山は8番手、生形14番手、津田一磨16番手、今野17番手。 土曜日は午前中に40分間の計時予選が行われ、午後に14周で第1レースが行われる。予選で渡辺は2'05.163を出し、これにより第1レースは3番グリッドとなった。セカンドベストは2'05.274となり、第2レースも3番グリッドを獲得した。加賀山は両レースとも7番グリッド、今野は第1レースが14番手で第2レースは15番手、生形は第1レース15番手で第2レースは14番手、津田一磨は第1レース16番手、第2レース19番手となった。 第1レースは午後3時にスタート。渡辺がスタートで少し出遅れ、7番手で1コーナーへ入る。加賀山はまずまずの飛び出しで6番手。渡辺はレースウイーク中に安定して見せていた速さをこの第1レースでも発揮。オープニングラップのS字で2台を交わし、さらにダンロップコーナーで1台をパス。トップ2台の背後に迫る。2'05秒台というハイペースでラップするトップ2台と遜色ないペースでタイムを刻む渡辺。3台での接近戦となり、そのまま3位でゴールとなった。加賀山は8位、生形14位、津田一磨16位、今野18位と続いた。 日曜日もドライコンディションとなり、2020年シーズン最後の決勝となる第2レースを迎えた。渡辺はこのレースでもうまく飛び出すことができず、5番手で1コーナーに入り、これに加賀山が続く。トップ争いの1台が転倒し、渡辺は2番手争いを清成龍一選手(ホンダ)と展開するが、今ひとつペースが上がらず徐々に差が付き、そのまま3位でフィニッシュした。加賀山はコンスタントに走り切って7位、今野10位、生形11位、津田一磨15位となった。 ST1000クラスでは津田拓也が予選開始早々に2'09.180をマークしてトップに立ち、最終的にはこのタイムで2番グリッドを獲得した。長谷川は15番手、寺本が17番手でこれに続く。日曜日の決勝は11周で行われ、津田拓也は2番手争いに加わっていく。7周目にこのグループの前に出て集団を引っ張るが、10周目に3番手、さらにラストラップのシケインで接触があり、コースを飛び出したライダーがグラベルの外側をそのまま走ってコースに戻り、津田拓也の前でチェッカー。コース外走行をチームは抗議したがレースアクシデントとして受け入れられず、4位となった。寺本は12位、長谷川15位でそれぞれゴールした。 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.5 渡辺 一樹
「初日から流れはすごく良くて、入りのベースセットアップが良かったですね。セットアップ自体は前回からそれほど変わらず、エンジンは新しいスペックが投入できました。パッケージングとしては良い状況で入ることができたので、制御の合わせ込みがメインとなり、余計なことをせずにレースへ向けた準備を進めることができていました。予選は1本目のタイヤがうまくタイムが出せず、でも良いデータも取れ、2本目のタイヤでまずまずのタイムも出て目標タイムは出なかったけど、そこまでは良い流れでした。実際にレースをしてみて、ヤマハ勢と最後まで一緒に走れたのは良かったですね。でも、最後のもうひと伸びの足りなさは痛感しました。レース2へ向けて、ほんの少しの修正でもっと良いレースができると思ったのですが、レースが始まったらリアタイヤのグリップが出ず、苦しいレースになってしまいました。コンディションの変化に対応できるマシン造りをしようとしていたのに、それがうまくいかなかった。不完全燃焼ですね。データを突き合わせて、なにが悪かったのか反省しないといけないですね。納得のいかないレースでした。」(JSB1000クラス 第1レース予選3番手・決勝3位/ 第レース予選3番手・決勝3位) ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤陽平 監督
「今年は全日本にはフル参戦せず、世界耐久選手権への参戦を計画し、そこへ向けて開発テストを進めてきました。その中でエンジン、シャーシ含め、今回のレースに来季の耐久仕様を持ち込んで実戦評価しました。手応えのある成果と課題という両方が出てきたレースでした。マシンのパフォーマンス改善という点では、このレースウイークに出た課題にフォーカスし、来年へ向けた準備を進めていきたいと思っています。」Team KAGAYAMA No.71 加賀山 就臣
「ブリヂストンタイヤを履いての鈴鹿は初めてだったものの、今までのパッケージを逆算して鈴鹿仕様を作り、レースウイークに持ち込みました。その準備がうまくマッチし、安定して機能してくれて順調に走行を重ねることができました。すぐ7秒台で走れたし、走り出しに関しては良いスタートが切れました。でもそこから先に進めるのがなかなか大変で、予選まで詰めていって自己ベストは出せて、チーム的に現状のベストで終えることができたのですが、周りのレベルが上がってきて、6秒台がもう当たり前になっているのを痛感しました。5秒台に入れておかないとアドバンテージは作れませんね。ウイーク中のマシンフィーリングは良かったので、決勝が楽しみだったのですがスタートはうまく決められず、予選順位くらいのスタートになってしまいました。さらに、集団の中でライバルより速く走れるポイントはあるけど抜ききれず、武器として準備していたモノが力不足でした。ペースは自分の方が良いので4位くらいまでには行けるはずなのに、そこに届かない。さらにそうしているうちに後半、タイヤがうまく機能しなくなり、苦しいレースになりました。2レース目も同じ展開で、バトルしても抜かれてしまうので、ラスト5周勝負と思っていたら電気系トラブルが出てしまい、前を走る2台を攻略しようとしたのに、コース上に留まるのが精一杯の状態になってしまいました。苦しいレースが続いてしまいましたが、こうして無事にシーズンを終えることができ、それを支えてくれたチームスタッフに感謝したいですね。でもレースは勝たないと悔しい。今後も、チーム加賀山としてできることを続けていきます。日本のモータースポーツファンに何か届けられることをやっていきたいですね。引き続き応援、宜しくお願いします。」(JSB1000クラス 第1レース予選7番手・決勝8位/第2レース予選7番手・決勝7位) Moto Map SUPPLY No.21 今野 由寛
「レース1はスタートで失敗し、さらにタイヤマネージメントの部分でミスしてしまい、下位に沈んでしまいました。でもレース2はリカバリーでき、レギュラー参戦以来のトップ10フィニッシュだったので良かったですね。今年の参戦コンセプトとしては鈴鹿8耐をカスタマースペックで上位進出を果たすためのマシン造りというところにおいているので、全日本にフォーカスしたマシン相手に戦うのは厳しい部分はあるのですが、8秒前半まで行けたし、やれることはトライし、課題も見つかりましたし、参戦した意義がありました。」(JSB1000クラス 第1レース予選番14手・決勝18位/第2レース予選15番手・決勝10位) エスパルスドリームレーシング・ITEC No.15 生形 秀之
「応援してくれる方々の協力で、1年ぶりに実戦に戻ってきました。今年はEWCへ参戦する予定だったのですが新型コロナウイルス感染拡大の影響からそれが無理となってしまいました。その状況の中、ライダーとして走れる機会を今回作ることができ、レースに出ることができて良かったです。短い時間の中で準備が大変だったし、実戦をしてないとフィジカル的にもきついし、大変でした。でも今回このようにレースに出た事で、これが来年に向けての自分たちのステップとなります。無事にレースがこなせたし、結果に満足はできないけど納得はしています。来週にはスペイン選手権へ参戦してきます。これも来年へ向けてのステップで、もう一つチャレンジします。スズキファンの皆さん、応援してください。」(JSB1000クラス 第1レース予選15番手・決勝14位/第2レース予選14番手・決勝11位) Baby Face POWERED by YOSHIMURA No.13 津田 一磨
「レース2でスタートの時に脱臼して、ただ走っただけのレースになってしまいました。もてぎでは調子よかったのに、ウイークはトラブルやケガもあり走るのが精一杯になってしまい、チームに迷惑をかけてしまいました。しっかり身体を作り、ケガ対策をして来年に向けた準備をしたいと思います。」(JSB1000クラス 第1レース予選16番手・決勝16位/第2レース予選19番手・決勝15位) WestPower・S-SPORTS・SUZUKI No.85 津田 拓也
「天気も安定していてドライでコンスタントに走れ、バイクの特性も引き出せるようになってきて、良い状態で安定して走ることができていました。ベースセットも良く、ペースも作ることが専念できて良いウイークでした。レースは他車と比べるとストレートスピードが足りない部分は苦しいのですが、コーナリング速度でタイムを持っていくことに専念して、予選2番手が取れました。それでもポールシッターの名越哲平選手(ホンダ)と良い勝負ができるのではないかと決勝に臨んだのですが、バトルになると離されてしまって、自分の走りをするのが難しい状況でした。コーナリング性能は上回っていたのでそこで勝負していたけど、集団から抜け出せなかったのが残念ですね。でも、その中でもうまくやれたとは思います。レースの最後の接触は自分の中で残念でした。抜かれたわけじゃないのに負けたというのは悔しい。全体的に見て、自分たちのバイクのポテンシャルを出し切ることができたのは良かったですね。」(ST1000クラス 予選2番手・決勝4位) TERAMOTO@J-TRIP Racing No.52 寺本 幸司
「鈴鹿8耐をメインで戦っていて、その準備のために8耐の前のスプリントレースに参戦するスタイルで活動しています。今年は新型コロナウイルス感染防止の影響からレーススケジュールが大幅に変更されて8耐もなくなり、そこに全日本最終戦が組まれることになったため、今後のためにも今回参戦することを決めました。現行のGSX-R1000を走らせるのが今年からで、マシンやタイヤの理解がうまく進まず、木、金、土曜の予選まで的を外したようなセットアップをしてしまいました。レギュラーライダーと一緒に走ることでいろいろ見えてきて、朝のフリー走行でガラッとセットアップを変え、それがベースセットとしてすごく良いバランスとなり、決勝のアベレージがこのウイーク中でベストタイムとなりました。電子制御に関してアドバイスをもらってうまくセットアップすることができました。限られた時間の中で苦労は多かったですが、GSX-R1000のベースポテンシャルの高さも感じることができ、チーム的にもライダー的にも結果としてとても良いレースになりました。マシンの持っているセットアップの広さは強力な武器になりますし、今後、さらにこれを詰めて上位を目指したいと思います。」(ST1000クラス 予選17番手・決勝12位) Team KAGAYAMA powerdbyYOSHIMURA No.12 長谷川 聖
「10月上旬にスペイン選手権に参戦し、このレースウイークで久々に自分のGSX-R1000に乗ったのですが。自分のバイクではない感じになってしまい、タイムも2'17秒と遅いタイムからスタートとなり、完全に自分を見失ってしまいました。もっと修正ができると思ったのですが、自分の引き出しの中にそうしたことに対応できる要素は残念ながらありませんでした。それで木、金と二日間悩んでしまい、予選になってやっと自分のリズムが出てきたのですが、頭の切り替えがもっと早くできていればこんなレースにはならなかったと思います。」(ST1000クラス 予選15番手・決勝15位) 第5戦 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿 JSB1000 レース1(14Laps)決勝結果
第5戦 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿 JSB1000 レース2(16Laps)決勝結果
第5戦 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿 ST1000 決勝結果(11Laps)
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