
2019 全日本ロードレース選手権
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2019年8月18日
全日本ロードレース選手権 第5戦 ツインリンクもてぎ2&4レース 会場:栃木県・ツインリンクもてぎ
猛暑の第5戦もてぎ2&4レースでヨシムラスズキの渡辺が4位入賞
鈴鹿8耐から3週間後、お盆の最終週末に全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦もてぎ2&4レースが行われた。真夏のこの時期に行われる第5戦は例年、鈴鹿8耐並みかそれ以上の暑さの中のレースとなり、しかも2&4スタイルで行われることから走行ごとに路面コンディションが変わり、非常に過酷なレースとなっている。このレースにスズキ勢からは、ヨシムラスズキMOTULレーシングの加賀山就臣と渡辺一樹、TK SUZUKI BLUE MAXの津田拓也、MotoMap SUPPLYの今野由寛らが参加した。なおフル参戦中のエスパルスドリームレーシング・IAIの生形秀之は鈴鹿8耐でのケガのため、今回のレースは欠場となった。
台風10号が木曜日の深夜に日本海側を北上して通過。その影響から、金曜日のART走行は曇り空で気温も30℃前後で、時折雨がパラつき猛暑とまではいかないコンディションで行われた。1本目で渡辺は1'50.425で5番手、加賀山7番手、津田8番手、今野13番手という走り出しとなった。2本目は渡辺が1'49.173と順調にタイムを上げて3番手に上がる。加賀山は7番手、津田14番手、今野18番手となった。 土曜日の予選は最初に30分間の計時予選(Q1)が行われ、上位10名が次の20分間の計時スタイルによるQ2に進める。気温は35℃を超えて猛暑となり、四輪の走行時間も増えていることから、路面のグリップ状況が変化してきている。そのような中、Q1では渡辺が1'49.996で6番手、加賀山が1'50.383で8番手となりQ2進出。津田は1'51.094とタイムを上げたが0.169秒足りずに11番手となりQ2進出ならず。今野は19番手となった。続くQ2で渡辺は1'49.306をマークし4番手を獲得。加賀山は1'50.432で8番手となった。 決勝日はツインリンクもてぎ上空には真夏の太陽が一日中顔を出し、気温がどんどん上がっていく。朝9時の時点で30℃を超え、決勝が行われる12時には前日同様35℃近くまで気温は上がり、路面温度も前日並みの50℃前後になり、非常に過酷なコンディションとなっていく。朝9時20分から行われたフリー走行では、渡辺が6番手、加賀山7番手、津田15番手、今野19番手となった。 いよいよ23周での決勝がスタートされた。うまくスタートダッシュを決めたいスズキ勢だったが、渡辺、加賀山とも思うように前に出られず、オープニングラップは渡辺6番手、加賀山7番手でメインスタンド前に戻ってくる。ペースアップを図りたい2人だが、前をライバルが塞ぎ、うまく抜ききることができない。トップ争いは2周目に1'49秒台へ入れるが、渡辺、加賀山ともに序盤は50秒台とペースを上げられない。渡辺は4周目に前車をパスすると、やっとペースアップ。5周目にこのレースの自己ベストとなる1'49.710をマークし前を追いかけるが、既にその差は大きなものとなっており、そのまま単独走行を続け、4位でフィニッシュとなった。加賀山は最後までライバルとのバトルとなり、6位でゴール。津田はトラブルを抱えながら完走し14位。今野は16位となった。 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.12 加賀山 就臣
「鈴鹿8耐でマシンがかなり進化し、いろんなアイテムがありましたが、チームと事前にミーティングをし、自分は全日本仕様を選択しました。しかし、そのアジャストに金曜日から時間を使ってしまい、ライバルに遅れを取ることとなってしまいました。結果論で言うと、やはり進化した8耐仕様を選択すべきだった様です。決勝はうまくスタートで飛び出せず、秋吉耕佑選手とのバトルになり、なんとか前に出ようとトライしたのですがそれができず、6位でチェッカーとなりました。8耐で良いアイテムが揃ったので、次の岡山ではそれを上手くいかせるようテストから進めていきたいと思います。」(JSB1000クラス 予選8番手・決勝6位) ヨシムラスズキMOTULレーシング No.26 渡辺 一樹
「初日は8耐の流れを生かし、3番手で終えることができました。事前テストがない状態で初日にこの位置だったので、意外と良いスタートが切れていると感じました。猛暑、さらには2&4ということで、走行を重ねる毎に路面コンディションが不安定になるということから、タイヤ選択というところにかなり時間を割いてセッションの時間を使いました。予選2本とも決勝に向けた確認という意味で、ピットに入らずにセミロングで走り続けたのですが、それがある程度決まり、セッティングという点では割と落ち着いて進めることができました。決勝に関しては、スタートはそんなに悪くなかったのですが、1コーナーの場所取りにミスして順位を落とし、これが大きな誤算となりました。早く前車を抜きたかったのですが、速いところと遅いところの相性の部分がありすぐに抜けなくて、その間にトップ集団に離されてしまいました。スタート前は序盤にタイヤを使ってでもトップ争いに絡もうと考えていたのですが、すべてはスタート直後の位置取りで失敗しました。レース中盤にはマイナートラブルが起きたこともあり、そこでもペースを上げられなかったのは残念です。次の岡山は事前テストがあり、時間もあるので大きくマシンバランスを崩してビルドアップし直す作業をしたいと思っています。現状もマシンは仕上がってきていますが、ライバルとの差を詰めるための伸び代を考えると足りないので、大きく進歩させるため、一度壊してリビルドしたいと考えています。」(JSB1000クラス 予選4番手・決勝4位) ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤 陽平 監督
「渡辺選手の方は鈴鹿8耐車の流れで持ち込んで、8耐でマシン的にもバージョンアップしたことがうまく効果を発揮し、金曜日から順調に3番手スタートとなりました。コンディションに合わせたタイヤ選択もすることができ、順調ではあったのですが、8耐で痛感したライバルチームとの差はここに来ても歴然とあり、最後までその差を詰めることができませんでした。残念だったのは決勝でトラブルが出てしまい、それがなければもう少し表彰台争いに絡めたかもしれません。加賀山選手は全日本の流れのマシンを選択し、それがうまく前に進めることができず、もったいなかったですね。」TK SUZUKI BLUE MAX No.71 津田 拓也
「金曜、土曜と悪くはなかったのですが決勝はトラブルが出てしまい、まったく思うように走れませんでした。そのために、通常4速で走っているところが5速になってしまったり、制御系もうまく動かないようになり、リタイヤも考えたのですが、ポイント獲得圏内だったので、安全面だけ気を付けて走り切りました。」(JSB1000クラス 予選11番手・決勝14位) TK SUZUKI BLUE MAX 斉藤 雅彦 監督
「8耐でエンジンがアップデートされましたが、車体的には第1戦からほぼ同じです。そのため、セッティングも開幕戦と似たような感じになりました。金曜日はコンディションに合わせるため、タイヤ選択をしました。耐久前に新しいフロントタイヤができてきて、格段に良くなりました。ただ、決勝ではトラブルが出てしまい、まったく自分たちのレースのできる状況にはなりませんでした。」Moto Map SUPPLY No.36 今野 由寛
「来年からスタートするST1000のベース車両を作るということが今年のチームのコンセプトなので、今回もそのことに徹しました。マシン的には前回のSUGOのレースでほぼ仕上がり、ST仕様ということで車両面での大幅な仕様変更はできないので、ライダーの走りの方でコンディションにアジャストしようと割り切り、走り込むことに集中しました。それが良かったようで、他のST仕様と言われる車両の中でトップでしたし、フル参戦しているマシンも数台抜いてその前でゴールしたので、マシンのポンテンシャルの高さも見せられたのではないかと思います。」(JSB1000クラス 予選19番手・決勝16位) Moto Map SUPPLY 愛知 靖史 監督
「マシン的には前回のSUGOでほぼ仕上がり、ST仕様ということでいじるところもないので、とにかくライダー側で頑張ってもらうようバックアップしました。サスペンションメーカーのSHOWAさんに開幕戦から協力していただき、良いサスペンションの部品も作ることができました。次は最終戦鈴鹿に参戦して、鈴鹿での仕上がりもそこでチェックしたいと思います。」第5戦 ツインリンクもてぎ2&4レース JSB1000 決勝結果
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