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2018年9月30日
全日本ロードレース選手権 第8戦 スーパーバイクレース in 岡山 会場:岡山県・岡山国際サーキット
台風接近のため決勝は全クラスキャンセル
予選ではヨシムラの津田がQ1を2番手、Q2で5番手獲得
9月29日・30日に岡山県の岡山国際サーキットで、全日本ロードレース選手権シリーズ第8戦 スーパーバイクレース in 岡山が開催されたが、台風24号が決勝日に岡山地方へ接近する危険性が高いため、29日の予選だけが行われ、決勝は全クラスキャンセルとなり、予選結果に対してハーフポイントが与えられることとなった。このレースにスズキ勢からは、ヨシムラスズキMOTULレーシングの津田拓也、渡辺一樹、Team KAGAYAMAの加賀山就臣、エスパルスドリームレーシング・IAIの生形秀之らが参加した。
1週間前に行われたテストは秋雨前線の影響を受け、雨が降ったりやんだりの不安定なコンディションとなり、レースウイークも金曜日は快晴となったが土曜日は雨になり、テスト同様不安定な状況となった。 快晴の下で行われた金曜日のART合同テスト1本目では、津田5番手、加賀山6番手、渡辺8番手、生形15番手とまずまずのポジションでスタート。2本目では津田が3番手と上位に食い込み、渡辺6番手、加賀山7番手、生形13番手と着実に順位を上げていった。 土曜日は朝から強い雨が時折降り、その中で予選が行われた。今回の予選はノックアウト方式が採られ、最初に35分のQ1を行い、トップ10人が次のQ2に進むスタイルになる。JSB1000クラスのQ2がスタートとなる午後1時30分に翌日のレースはすべてキャンセルという公式通知が出され、決勝が行われないことが分かった中でトップ10ライダーたちは予選を走るという難しい状況となった。 Q1はラスト6分で転倒者が出たことから赤旗提示でストップ。最後のタイムアタックに入っていたライダーもいたが、そのままQ1は終了。Q1では津田が2番手で、加賀山7番手でそれぞれQ2へ進出。渡辺は14番手、生形18番手となった。その後のQ2では津田が5番手、加賀山は7番手となった。 J-GP2クラスにミクニ テリー&カリーからエントリーした尾野弘樹は激しく降る雨の中の予選でタイムを徐々にアップ。18番グリッドを獲得した。 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.12 津田 拓也(JSB1000クラス 予選5番手)
「出口がなかなか見えない苦しい戦いを前半戦から強いられてきてしまっていたのですが、第6戦もてぎあたりからその原因がバイクのセットアップの方向性にあるのではないかと感じ始めました。開幕戦で痛めた影響で身体を自由に動かして乗るということができずにいる中、気付かないうちに本来のマシンバランスからズレ、身体が動かない部分をマシンで作ろうと無意識にしてしまい、タイムが出ないし安定したペースも刻めない状況を作ってしまっていたようです。前回のオートポリスからそれを修正したところ、それが良い方向に進んで、今回は事前テスト、レースウイークとトップグループに加わることができるようになりました。あまりケガをしたことがないのでそうした経験は今までなかったので、自分なりに貴重なノウハウとなりました。チームもバイクを良くしようとトライしてくれているので、そこに期待しつつ、ドライでもウエットでもまだタイムを上げられる手応えがあるので、最終戦ではしっかりと結果に繋げたいと思います。」ヨシムラスズキMOTULレーシング No.26 渡辺 一樹(JSB1000クラス 予選14番手)
「事前テストからドライでは改良点なども見えてきていたのですが、ウエットではなかなかタイムが出ず、レースウイークに入っても特にウエットではネガな方向に進んでしまい、解決策が見いだせないまま終わってしまいました。レースウイークに入る前、台風が接近するという情報があり、決勝が開催されないかもしれないという状況の中で、自分の気持ちをうまくレースモードに持っていくことができなかった、という側面があるのかもしれません。最終戦の鈴鹿は得意なコースですし、今季ここまで実現できていない表彰台登壇をぜひ実現したいと思います。」ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤 陽平 監督
「事前テストはドライ半分、ウエット半分というコンディションとなり、なかなか思うようなテストメニューをこなせたわけではないのですが、リザルト的には津田選手が安定して上位に食い込むことができていましたので、今季初の表彰台を目指してレースウイーク入りしました。流れとしてはそれが実現できそうな状況で、Q1が2番手、Q2では前に引っかかったりして5番手に終わりましたが、もう少し上に行けたかな、というのが正直な気持ちです。まぁでもそれも実際は、決勝を走ることができなかったのでなんとも言えませんね。トップとの差は現実的にあるので、それを詰めようとトライしてきていて、前回のレースでは序盤に渡辺選手がトップを走りましたし、そういうレベルには到達できているのかな、とは感じています。渡辺選手は事前テストからコース攻略に苦戦し、それでも走り方を工夫したりセットアップを考えたりといろいろトライしていたのですが、うまく結果に繋げることはできませんでした。残り2レースとなりましたが、二人とも表彰台に上れるよう頑張ります。」Team KAGAYAMA No.71 加賀山 就臣(JSB1000クラス 予選7番手)
「良いタイヤができてきて、それによって乗るのが楽しく感じるくらいの状態になっています。タイムアップのためのヒントもたくさんありましたし、ドライでは7年ぶりに自己ベストを更新することもできました。年々マシンは進化しているのにタイムが上がらず、なかなかうまくバランスが取れない状況が続く中、僅かコンマ1秒ですがそれでも前に進むことができたのは大きな成果だと思います。まだライバルとの差はありますし、もう少しドライでしっかり詰めてどこまで行けるか確認したかったですね。順位的には前回とあまり変わりませんが、上位との差が少し詰まった感じがするので、チームの士気もさらに高まっています。今回は決勝ができなくて残念ですが、良いテストができたというように気持ちを切り替え、鈴鹿でもこの流れでさらに先へ進められるよう頑張ります。」Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督
「後半戦の流れの中で使ってきているものが良いパフォーマンスを発揮してくれて、特にハンドリング部分に強みを発揮し、良く曲がるマシンにしています。自己ベストを更新できたのはそういう部分が大きかったと感じています。ただ、事前テストもドライとウエット半分くらいでマシンのセットアップを進めることはできず、レースウイークは金曜日がドライで土曜日がウエットと時間的に十分セットアップをすることはできなかったのですが、コンディションとタイヤがうまくマッチングしてくれて、それがQ2進出に繋がり、最終的に7番手になることができたのだと思います。ただ、雨の中でもう少し制御系でライダーの走りをサポートできればタイムを詰めていけると思うので、今後はそのあたりをもう少し進めていきたいと思います。」エスパルスドリームレーシング・IAI No.25 生形 秀之(JSB1000クラス 予選18番手)
「チームとしてこのコースでのデータがほとんどない状態でスタートしたので、そういう意味では苦労したレースウイークでした。今回は今まで使ったことのないタイヤを金曜日のドライセッションでテストしたのですが、それが良いフィーリングで、今年初めて自分のイメージに近い走りをすることができました。その部分はチームとしてすごく前進できたと思います。今日に関しては、コンディションに対していろんなモノをもう少し合わせられれば、もっと上の順位に行けたと思うのですが、そこはうまく合わせきれませんでした。大きな問題も出なかったし、すごく前進したレースウイークになりました。もちろんここからさらに詰めていくと新たな問題は出てくるのですが、タイム的にもテストより上がりましたし、内容はとても良かったと思います。」エスパルスドリームレーシング・IAI 松本 圭司 監督
「今年からJSB1000クラスに参戦する我々のチームにとってこのコースでのデータはまったくない状態なので、どこからスタートしようか、というところから事前テストは始まりました。コンディション的にも雨が降ったり晴れたりと難しく、思うように進めることはできませんでした。でも、レースウイークに入って初日のドライでの走行はとても収穫の多いセッションとなり、ライダーがトライしてきていること、メカニックサイドがトライしてきたことその両方がマッチしてくれました。ウエットは限られた時間の中でセットアップを詰めきれず、時間切れの印象が強かったのですが、それでも本当に収穫の多いレースとなりました。最終戦はチームにとって得意なコースだと思うので、ここまで培ってきたモノをしっかり結果に繋げられるよう頑張ります。」ミクニ テリーアンドカリー No.392 尾野 弘樹(J-GP2クラス 予選18番手)
「1回目のプライベートテスト、合同テストと良い流れで来ていたのですが、2回目のプライベートテストで転倒してしまい、自分としては特に意識していたわけではなかったのですが、特にウエットではペースを抑える走りをしてしまっていたようで、そのためにグリップ感がなく、攻め込むことができないという悪循環に陥ってしまいました。課題が多いレースウイークで、改めて気付かされたことがたくさんありました。最終戦はいちばん走っているコースですし、良い形で締めくくれるよう気持ちを切り替えて頑張ります。」ミクニ テリーアンドカリー 高橋 淳一郎 監督
「前回同様10年ぶりに走るコースということで、合同テストの前にプライベートテストを行い、そのテスト、合同テストとそこまでの流れは悪くありませんでした。終盤戦の勝負所とチームとして認識していたので、合同テストのあとにプライベートテストをもう1回行いました。この2回目のプライベートテストはウエットの走行となったのですがそこで転倒を喫し、ライダーにケガはなかったのですがマシンを大破させてしまい、そこからレースウイークの限られた時間の中で戻しきれずに終わってしまった、という感じです。前回のレースで出たトラブルもしっかり対策できましたし、マシンとしては良い方向に進んでいたのですが、先週の転倒から限られた時間の中でいかにライダーを復活させてあげられるか、それができなかったのはチームとしての反省点です。最終戦は本人がいちばん走っているコースですし、プライベートテストも行い、今年の集大成となるレースができるよう準備したいと思います。」第8戦 スーパーバイクレース in 岡山 JSB1000 予選結果
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